
変わる円の力学
- 2019年09月22日
- 日経ヴェリタス
2019年9月22日(日)曇り時々雨
・変わる円の力学 米欧緩和でも動かず 消えゆく買い手
先週世界が注目した日米の大イベントは、マーケットインパクトという点では肩透かしだった。
18日、米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げに踏み切り、翌19日には日銀 <8301> [終値32600円]が金融政策の維持を決めた。
セオリーは「日米金利差縮小→ドル売り円買い」だが、日米の中央銀行会合を受けた19日は40銭ほど円高に振れただけ。
今年、ドル円相場の日中値幅が1円を超えたのは、これまで16回、昨年の半分、3年前の7分の1に落ちている。
・変わる円の力学 米欧緩和でも動かず 消えゆく買い手
外国為替市場では、円相場の金利差に反応する度合いは小さくなっている。
背景には「円相場の需給を巡る構造変化」と。
日本は経常収支の黒字を維持する一方で、貿易収支は赤字になりやすくなった。
以前は企業が海外で稼いだお金を国内に還流するための「実需の円買い」が円高を後押ししていたのに対し、
このところ目立つのは海外での直接投資。
企業の円買い需要は減少傾向である。
・変わる円の力学 米欧緩和でも動かず 消えゆく買い手
「リスクオフの円高」も起こりにくくなってきた。
日本の金利が突出して低かった時代には、円で資金を調達し高金利通貨で運用する円キャリー取引が増えた。
リスクオフ局面では引き揚げた投資資金を返済するための円の買い戻し需要が円高を引き起こしていたが、
円以外の低金利通貨が増えた現在ではキャリー取引に伴う円需要も限定的に。
・変わる円の力学 米欧緩和でも動かず 消えゆく買い手
動かぬ円相場を為替の安定と言い換えるなら、輸出関連銘柄の影響が大きい日本の株式市場には朗報。
円相場が足を引っ張らなければ、他のプラス材料に目を向けやすくなる。
19~20日の日経平均株価は続伸し、4/25につけた年初来高値の2万2307円に近づく。
・変わる円の力学 米欧緩和でも動かず 消えゆく買い手
政治リスクもある。トランプ米大統領は自国の輸出産業の支持を取り付けるため、ドル高に拒否反応示しがち。
米中摩擦が再燃し、米中が引っ張る世界経済が急減速したり景気後退に陥ったりすれば「1ドル=100円超の円高もありうる」。
・変わる円の力学 もはや経験則は通じない
日米の金利差が縮まれば円高、というこれまでの経験則はもはや成り立たない。
背景には企業の稼ぎ方やインフレ率格差の低下など構造的変化がある。
とはいえ「安全資産」としての性質や大幅な円高の可能性が消えたわけでない。
・変わる円の力学 著名投資家ジム・ロジャーズ氏
円の価値は長期的に大きく低下すると警鐘鳴らす。
「私は今後、リーマン・ショックを超える経済危機がやってくると考えている。
どのような形で現れるかはわからないが、その対応は困難を極めえるだろう。
リーマン・ショック後は中国が財政出動して世界の景気を支えたが、今は当時の中国と同じ役割を担える国が世界にはない。」
・変わる円の力学
個人投資家はどう対応すればいいのか。
円が買われにくくなっているという構造変化を踏まえるなら、中長期での円安に備えた戦略が有効かもしれない。
それには海外資産に投資するのが王道。
海外の株価指数に値動きが連動する上場投資信託(ETF)を選択肢に加えたい。
東証には海外の株価指数に連動するETFが約40本上場している。
・原油相場、くすぶる先高感。
14日に起きたサウジアラビアの石油施設への攻撃を受け先週の原油相場は大きく揺れた。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・次のM&A(合併・買収)市場のプロが占う
2019年度の上期は、日本企業が絡む大型M&Aが相次いだ。
M&A助言のレフコによると、今年4~9月のM&A件数は18日時点で1888件と過去最多のペースで推移する。
・次のM&A(合併・買収)市場のプロが占う
市場関係者が注目する次の再編候補
売却編:日本航空電子 <6807> [終値円1574円]実質的に過半を出資するNEC <6701> [終値4615円]による保有株売却
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
買収編:東京建物 <8804> [終値1497円]平和不 <8803> [終値2434円]、
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・イノベーション パワーアシストスーツ 空港・災害現場・介護 頼れる力持ち
高齢化で労働力の中核となる生産年齢人口が減少する中、負担軽減につながるパワーアシストスーツへのニーズが広がっている。
主なパワーアシストスーツ(PAS)の関連銘柄
サイバーダイン <7779> [終値691円]装着型ロボット「HAL」開発。腰に装着し、565台が稼働(6月末時点)
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・MARKETS STOCK 株2万2000円回復、外需けん引。日経外需株9月9%高、先行きは慎重さ目立つ。
前週(17~20日)東京株式市場で日経平均株価は3週連続で上昇し、節目の2万2000円を5カ月ぶりに回復。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・MARKETS FOREX サウジ攻撃でアジア通貨を懸念。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・MARKETS COMMODITY 大豆、上値重い展開続く
大豆の国際相場の上値が重い。9月中旬に中国政府による米国産大豆の輸入再開が伝わり、米中摩擦の緩和期待が強まったが、相場の反応は鈍い。
市場では広がる疑心暗鬼と南米産大豆の急増が背景。
・MARKETS 仮想通貨
インターネット上の暗号資産(仮想通貨)ビットコインは方向感に乏しい展開続く。
情報サイトコインディスクによるとドル建て価格は日本時間20日時点で1ビットコイン=1万200ドル程度と、前の週末(1万400ドル)に近い水準。
今週には米インターコンチネンタル取引所(ICE)でビットコイン先物の取引が始まる。
ただ、今のところ相場を動かす材料にはなっていない。
・ランキング:日経平均採用銘柄の上昇率ランキング(今年3月末と9/17比較)
1位アドバンテスト <6857> [終値4710円]株価騰落率82.67% 高い進捗率で上方修正期待
2位SCREEN <7735> [終値6690円]47.53% 3位ソニー <6758> [終値6411円]40.84%
4位第一三共 <4568> [終値7152円]37.10% 新薬候補、販売へ前進評価
7位ファーストリテイリング <9983> [終値85740円]24.62% 海外ユニクロが成長けん引
・会社がわかる 特集富士フイルム <4901> [終値4836円]バイオ医薬品の開発製造受託(CDMO)で投資加速。
※詳細はコロ朝プレミアムに掲載済 http://www.koronoasa.com/info/
・世界株式番付:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち11指数が上昇。
上位1位韓国週間騰落率2.07% 2位インド1.68% 3位メキシコ1.68% 4位ブラジル1.27% 9位日本0.41%
下位25位香港▲3.35% 24位トルコ▲2.75% 23位インドネシア▲1.63% 22位シンガポール▲1.61% 17位米国▲1.05% 16位中国▲0.82%
・銘柄ウオッチ トップが語る <> [終値円]
・めざせ 金投資マスター
世界的な金融緩和に伴う金利低下を受け、金の価格が上昇続けている。
資産を長期で形成する手段として魅力も改めて見直されている。
50万円弱を1年間投じると・・・3手法を徹底比較
個人が多く手掛けるのは「金上場投資信託(ETF)」「地金」「積み立て購入」の3つ。
投資期間1年(2018年9月から今年8月末まで)と設定した。
金上場投資信託(ETF)収益率20.5% 現物投資に比べて手数料が安い。
地金収益率15.7% 小額投資できず。投資効率重視するなら大きな地金が有利。盗難などの対策欠かせず。
純金積立、今回の試算(毎月3万9000円)収益率は8.5%。相場の騰落に一喜一憂せず、資産形成に金を時間をかけて加えたい人には向いている。
「悲観の中で育つ」としばしば言われる金。
投資家が先行きへの不安を強めれば強めるほど、金への投資は活気づく。
先行き不透明な時代の資産形成手段の1つとして金を考える投資家が増えるのは自然だ。
日経ヴェリタスを含め、日経新聞、日経産業新聞、日刊工業新聞
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