扉を開いて(2012.1.8号)
- 2012年01月08日
- 株式投資・経済ニュース全般
2011年1月8日(日)はれ
・新興国勝ち組を探せ。欧州不安がくすぶる中、2012年の世界経済の下支え役と期待は中国。
1月下旬から春節(旧正月)休み前食品や石油加工業が国内向けに生産拡大。内需が外需減少を補う。
総合評価〇 対外危機対応力はアジア諸国多く。
中国、インドネシア、フィリピン、マレーシア、オーストラリア、ブラジル、チリ、メキシコ。
うち11年推計で上昇国はインドネシアとタイ。オーストラリアは横ばい。
・新興国の株価・通貨は下落した翌年反発しやすく。
2011年株価下落率トップはインド(▲24.64%)2位トルコ(▲22.32%)3位ロシア(▲21.94%)4位中国(▲21.67%)
・欧州市場年初から緊迫モード。今週から南欧各国の国債入札が本格化。9日に独仏首脳会議など重要日程目白押し。
英バークレイズ予測、ユーロ圏全体の国債発行額1〜2月で約1600億ユーロに。
償還額は940億ユーロと差引660億ユーロン資金が市場から吸い上げられる。
欧州中央銀行(ECB)1/12理事会、資金供給策の効果ドラギ総裁の発言に注目。
・米雇用統計12月非農業部門雇用者数前月比20万人増と市場予測平均(15万人増)を大幅に上回る。
今回の雇用改善が米景気の本格回復につながる「本物」か見極めたいというムードも。
失業率8.5%と一時の10.1%から低下もその一因は働くことをあきらめたとの「悪い低下」の可能性も。
・バイロン・ウィーン氏念頭恒例「びっくり大予想」公表。昨年は的中率が半分以下にとどまる。
1.シェールガス採掘を機に原油相場が1バレル85ドルまで下落。
2.米企業収益の拡大でS&P500種1400を上回る。
3.米実質成長率3%超え、米失業率は8%未満に低下。
4.米民主党は下院議席の過半を奪回も上院では過半失う。
5.ECB、IMF、EFSFの協調で欧州連合と通貨ユーロは崩壊を免れる。
6.東欧やアジアのハッカーが主要な国際金融機関を攻撃し、一時的に銀行が閉鎖する事態に。
7.豪州、シンガポール、韓国などの通貨が上昇する。
8.米与野党の議会が11月の米大統領選より前に協調に転じる。
9.シリアのアサド政権が崩壊し、イランの孤立化を招く。
10.中国、インド、ブラジルなどの新興国は株価が15〜20%上昇する。
・会社がわかる 特集 富士電機 <6504> [終値219円]パワー半導体を中核ビジネスに据える。
大変身主導する北沢道宏社長、創業89年目ジリ貧から抜け出すことができるか。
この10年間「選択と集中」と「リストラ」に明け暮れる。
株価テコ入れは重要課題と認識、500円は欲しいと。改革はようやくスタートラインに立ったばかりとも。
・欧州大手銀行の株価再び下げ足速める。
4月発売イタリア・ウニクレディト増資計画に対する不安きっかけでドイツ、フランス、スペインなど他のユーロ圏の銀行へも売り波及。
連鎖安再燃日本株に影響が出る恐れも。
欧州金融不安再燃した場合、日本株は銀行株以上に自動車や電機など輸出関連株への売り圧力強まる可能性高い。
・2012年原油市場、イラン情勢の緊迫背景に大幅上昇で始まる。
NY市場WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)4日、1バレル103ドル台と約8ヵ月ぶりの高値付ける。
在庫は景気動向不透明で石油業者が余分な在庫持たず、当面買いに徹した影響大きいとされる。
建玉状況は約14万枚の買い越し。昨年ピーク時は約27万枚の買い越し。
・ランキング:株価が底堅い新興市場銘柄。2011年日経平均株価は17%下落に対し、日経ジャスダック指数の下落率は6%にとどまる。
11/24から2012年1/6までの株価騰落率。
1位エイチワン <5989> [終値565円]騰落率57.38% 自動車部品メーカー、自動車生産回復に向かい注目。
2位三協フロンティア <9639> [終値519円] 46.61% 応急仮設住宅や復興関連工事に伴う仮説現場事務所受注好調。
3位東日本ハウス <1873> [終値251円]41.01% 岩手県本拠置く木造注文住宅。
5位UTホールディングス <2146> [終値57200円]37.33% タイ洪水の影響で国内の半導体製造請負需要が持ち直す。
14位ビットアイル <3811> [終値199500円]23.68% 震災後企業データバックアップ需要高まる。
20位エレコム <6750> [終値1410円]16.43% スマートフォン(高機能携帯電話)向け製品販売好調。
28位トシン・グループ <2761> [終値1900円]13.43% 住宅着工件数回復で電線や照明器具など取扱量増える。
・インターネット関連サービス急拡大。「電子チラシサービス」の台頭。
凸版印 <7911> [終値566円]大日本印 <7912> [終値743円]
2000年代初めの開始。利用者の位置情報のあわせ近隣店舗のクーポン発信。広告費用対効果明確に。
スタートトゥデイ <3092> [終値1806円]ネット通販ビジネス始めたばかりのアパレル企業にコンサルティングや販売支援。18社指導。
サイバーエージェント <4751> [終値252000円]ネット通販コンサルタント事業に乗り出す。
ホクト <1379> [終値1670円]スーパーの商品棚に7インチの小型デジタルサイネージ設置し調理法PR。
博報堂DY <2433> [終値4395円]スーパー・薬局で待ち時間にクイズや宣伝楽しめるさイネージ。
・OUT Look:今週の株式相場は上値の重い展開に。米景気に明るい兆しも欧州に対する投資家の懸念根強く。
日経平均株価8300〜8700円程度で推移と。相場最大の重荷は欧州債務問題。イタリア国債利回りも7%前後で推移。
足元欧州関連株には下げ圧力強まっている。
今週9日の独仏首脳会談のほか、12日欧州中央銀行(ECB)理事会予定。ドラギ総裁の発言など注目。
・Wall Street:今週の米株式相場は神経質な展開が予想。
米経済指標は軒並み堅調な米景気回復を示しているが、引き続き欧州債務問題の警戒感強く。
今週は非鉄大手アルコアを皮切りに四半期決算の発表始まる。
2011年10-12月期は主要500社の増益率が鈍化する見通しで個別企業によるばらつきが目立つ公算。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派38%(前回比-6)弱気派32%(同+9)中立派30%(同-3)
欧州債務問題への懸念から円相場1ユーロ=100円突破するなど投資家の不安心理強まった。
・新規株式公開(IPO)今年も回復基調と。今年の新規上場社数40〜50社程度と2011年実績(37社)上回るとの見方多く。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は世界的な景気回復の期待が広がって小高く始まったが
半ばからは再燃した欧州問題で売りに押される展開に。
株価下落が相対的に大きかったのはギリシャ、スペインなど。市場参加者のリスク許容度再び低下。
・「1月効果」1897年から2011年まで115年間NYダウ工業株30種平均、74%にあたる85ヵ年が1月の騰落の方向が年間の騰落の方向と一致。
第2次世界大戦後では一致したのが53ヵ年(80%)に。
米国115年間で1月上げは73ヵ年、そのうち14ヵ年(19%)が年間で下落。
日本は62ヵ年間で1月上げ43ヵ月のうち、年間下落は12ヵ月(27%)。(日経ヴェリタス)
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