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扉を開いて(2012.6.24号)

2011年6月24日(日)はれ

・欧州、共倒れの恐怖。深まる南北対決、立ち尽くす首脳たち。
 国際通貨基金(IMF)ラガルド専務理事「問われているのはユーロ圏が生き残れるかです」と言い放つ。
 後戻りのコストは高く、前に進むしかない。

・次の標的市場は見極め。月末の会議注視。市場はすでに「次の危機」に身構えている。

・共倒れリスクもたらしているルートは主に4つ。

 「TARGET2」(各国の中央銀行を介する大口の資金決済システム)隠れた火種。
 同決済システム上の貸し借り関係は以前はほぼ均衡も2008年金融危機、欧州債務危機も加わり
 民間資金はギリシャなど南欧諸国に流れ込むのに徐々に慎重に。
 この過程で南欧の資金不足を穴埋めする形がTARGET2通じて債務膨らませた北部欧州の国。不均衡拡大に伴うリスクには注意を。

 残る3つの共倒れルートは周辺国がデフォルト(債務不履行)に陥った場合に被害を及ぼす。
 ギリシャ向けの2国間融資はその一つ。

 欧州中央銀行(ECB)が国債を買い上げる「証券市場プログラム(SMP)」もリスクの一つ。

 3つ目のルートは欧州各国が資金を拠出して立ち上げた欧州金融安定基金(EFSF)。各国730億ユーロ拠出し金融支援実施。

・欧州危機、事態の解決難しくする「3つの罠」が横たわる。

 政府と銀行、運命共同体の構図 欧州危機の解決には財政リスクと金融リスクの「負の連鎖」を抜本的に断ち切ることも必要。

 実力を度外視した単一金利・通貨 問題の是正には財政統合進めて欧州全体で政府財政の帳尻合わせるか、
 周辺国が痛み伴う構造改革で経済力の格差縮めるしかなく。どちらも年単位の時間がかかる。

 経済低迷下の財政再建 内需不振と成長阻害の悪循環。

・新政権スタートのギリシャ、早くも資金枯渇の恐れ。
 新政権目指すのは支援の継続と同時に歳出削減期限の2年延長勝ち取ること。欧州連合(EU)側も一定の譲歩には踏み込む構え。
 市場関係者「デファクト・イグジット」(事実上離脱している)と口に。

・関西電力 <9503> [終値945円]株価下げ止まらず。19日株式分割調整後約28年ぶりの1000円割れとなる。22日には一時916円まで下落。
 年60円の配当継続困難に。無配の可能性も。

・日経平均株価先週一時1ヵ月ぶりに8800円台に上昇。円の対ドル相場約1ヵ月ぶりに1ドル=80円台に下落。
 市場恐れていた最悪シナリオひとまず回避されたことで世界的に投資家のリスク回避の姿勢緩む。
 今後の見通し市場関係者は円高修正追い風に日経平均株価9000円台回復目指すとの意見多い。

・米連邦公開市場委員会(FOMC)6月終了予定金融緩和措置(ツイスト・オペ)の半年延長決定。
 今回温存量的緩和第3弾(QE3)のカードはいつ切るか。
 7月、9月、10月、12月と年内4回開かれるFOMC会合で慎重な判断下す構え。

・イスラエル経済、急減速の懸念広がる。政策金利の下げに動く余地充分と。
 イスラエルに景気悪化は外部要因の側面大きく経済回復への特効薬はないとの声も。

・外国為替市場、香港ドル高の思惑が台頭。将来的に人民元につられて上昇圧力がかかりやすいとの見方広がる。

・NTTドコモ <9437> [終値126700円]加藤薫社長就任会見(20日)料金値下げ発表。
 携帯三社の番号持ち運び制度(MNP)での契約件数の増減、ドコモは80万件の転出超過の独り負け。
 2012年3月期ソフトバンク <9984> [終値2752円]53万件 KDDI <9433> [終値503000円]27万件の転入超過。
 最大の要因は米アップル「iPhone(アイフォーン)」の有無。

・損害保険会社、3期連続で自然災害に翻弄。2期前の東日本大震災、前期のタイ洪水、今期も3期連続で季節外れの台風。
 「想定外」が毎年起こる事態はリスクどこまで引き受けたらいいのかという重い課題に。

・女性取締役の有無で抽出した56社対象に2005年以降7年間の累積リターン、
 ベンチマーク配当込み東証株価指数(TOPIX)マイナス28.8%に対し女性取締役ポートフォリオプラス5.38%に。

・会社がわかる 特集日立建機 <6305> [終値1500円]鉱山機械の能力増強急ぐ。資源開発活発なアジアや中南米で需要急増。
 日立 <6501> [終値483円]後ろ盾に共同開発。 
 急成長の過程で手つかずの無駄の削減に着手。「総原価低減プロジェクト」活動の成果今期出る。
 アナリストの今期業績の見方は慎重。中国景気の回復が遅れ、建機販売が下振れるとの見方で一致。

・欧州債務危機の長期化で世界の投資家リスク回避姿勢続ける中、中国やブラジルでは景気減速懸念強まる。
 急成長続けてきた新興国株式市場は再び浮上は出来るのか。
 昨年高値から株価騰落率、ロシア4割近く下げ、中国(上海)インド、ブラジルも軒並み2割前後下落。先進国を上回る下げに。
 新興国からの資金流出は世界経済の先行きに対して悲観的な見方増えつつあることの表れと。

・主要な国際商品前週末のかけ急落。
 原油は2日間で6〜7ドル値下がり。NY先物市場WTI (ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油は80ドル割り込む。
 NY先物市場の金も50ドル程度下げ1トロイオンス1550ドル前後に。
 20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和第3弾(QE3)見送られたことが急落のきっかけと。中国や欧州の景気低迷示す指標も一因。

・OUT Look:今週の株式相場は日経平均株価が9000円を試す展開に。外国人投資家の売越額が縮小傾向など需給環境は改善に。
 円安が進みそうなことも追い風に。
 21日米ダウ工業株30種平均経済指標の悪化などから今年2番目の250ドルと大幅安記録も、
 22日日経平均は25円安にとどまり週間で2.6%の上昇に。

 底堅さの理由は3つ。

 買い持ち一辺倒の投資戦略を取る欧米年金基金の事情。6月は決算期、期末時点の運用成績良好に見せるため「お化粧買い」入りやすく。

 日本企業の株主総会開催がピークに。総会期間中は株価下落を避けたいのが経営者の本音。持ち合い解消売り避けるのが暗黙の了承に。

 米MSCI指数対象地域の区分において韓国と台湾を「先進国・地域」に変更することを昨年6月の続いて見送りに。
 区分変更されると日本株から数千億円規模の資金流出と見られ、短期筋「日本株売り、韓国・台湾株買い」のポジション解消と。

 相場全体の需給も改善、6月第2週の海外投資家売越額(現物先物合計)約980億円と6週ぶり1000億円下回る。 

 今週28-29日に欧州連合(EU)首脳会議。ギリシャやスペインに対し有効な対策が打ち出されるか注目。

・Wall Street:今週の米株式相場は上値の重い展開か。
 ギリシャ再選挙、世界の金融機関の格下げなど目先の懸念材料は出尽くし感も欧州債務危機の収束のメド立たず、株式回数める環境でない。
 ダウ工業株30種平均先週1週間で0.9%下落に。
 今週5月の米一戸建て住宅次販売や4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数と住宅市況の動向見極める材料相次ぐ。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派52%(前回比+1)弱気派25%(同-1)中立派23%(同変わらず)
 
・世界市場往来:先週の世界の株式相場はギリシャ株大幅高。スペイン株も上昇。東南アジア株も堅調。円安が進んだ日本株も上位へ。
 ロシア、カナダ、ノルウェーなどの資源国は下落。原油価格下落が株安につながる。景気減速懸念内容の経済指標目立った米中株も下落。

・ホッコク <2906> [終値29円]プリヴェ企業再生グループ <4233> [終値36円]
 「実質的な存続性の損失」を理由に8月にも上場廃止になる見通し。

・ランキング:今年上半期に上昇した株。

 1位東邦HD <8129> [終値1529円]騰落率43.30% 業績改善著しく。医薬品卸多くがランクイン。過度の競争緩和される動きも。
 3位メディパル <7459> [終値1045円]29.98% 8位アルフレッサHD <2784> [終値3995円]23.11%
 9位スズケン <9987> [終値2600円]21.84%

 2位エイチ・ツー・オーHD <8242> [終値764円]30.15% 積極出店が寄与。好業績期待。

 14位NIPPO <1881> [終値860円]16.85% 
 東日本大震災の被害を受けた道路の復旧工事安定的に受注。1月には首都圏高速道路会社が大規模修繕検討で買い集める。 

 17位ポーラ・オルビス <4927> [終値2380円]14.42% エステ店併設「ポーラ ザ ビューティ」扱う高級化粧品好調。

 25位川崎汽船 <9107> [終値155円]11.51% コンテナ船の運賃市況急速に持ち直し。船舶需給の悪化は気懸りと。

・検証ニッポン株式会社の実力

 企業の稼ぐ力、欧米勢に遅れ。主要企業直近5年間業績、07年度純利益100とすると11年度の利益水準、米国124、欧州66、日本46。
 売上高は日本だけリーマン・ショック前以下。日本企業13年3月期純利益前期比6割増もリーマン・ショック前利益水準に届かず。

 財務改善優先のつけ、研究の方向性にも課題。

 財務健全、お金は働かせるべし。余力生かし稼ぐ力復活させれば日本株はこれほど外部環境に振り回されることもなくなるはずと。

(日経ヴェリタス)

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