最新の経済ニュース・最新株式情報はコロ朝経済ニュース・株式掲示板で!

扉を開いて(2012.7.29号)

2011年月日(日)はれ

・東京証券取引所の高速売買システム、7/17「超」高速化され、稼働始める。「アローヘッド」瞬きの瞬間で100回。
 超高速取引業者による売買代金が東証の売買代金全体の「約4割占める」までに。
 NY証券取引所のこの比率は5割以上と。短期の鞘取りに徹するごく一握りの投資家が異様なまでの存在感発揮。

・超高速取引相場に大きな影響与え始める。

 証言1:東証2010年1月に高速株取引「アローヘッド」稼働。稼働前1年間に日経平均株価が前日比3%以上変動した日は計23日。
 稼働後1年間はわずか6日と大幅に減少。超高速取引の普及とともに相場は穏やかになり、急騰急落が起こりにくくなる。
 超高速取引は極めて高い頻度で小口の売買繰り返し株価のわずかな変動で売買、ボラティリティ低下へ。
 大型株(東証1部時価総額上位100位まで)の約定件数アローヘッド導入後5割ほど増加。中型株(同101〜500位)の約定件数もやや増える。
 小型株(同1001位以下)はほとんど変化なし。

 証言2:「スパイク」(株価がごく短い間に急変動)は超高速取引を手掛けるファンドが新しいプログラムを試している際などに発生しやすく。

 証言3:「まるでイナゴの大群」同じ方向に一斉に飛ぶことと急に群がり急に消えていくとの含意。
 東証1部売買高過去最高の58億株弱記録(2011年3/15)

・米国急落劇「フラッシュ・フラッシュ」切っ掛けは株価指数先物への巨額の売り注文。
 超高速取引業者はまず買い向かい、持ち高プログラムで自前に決められた許容度突破。
 これを受けて売りに転じる合図発動、似た動きが一斉に起こり市場は売り一色に。
 さらに市場で想定外のショックが起きると売買停止機能もある。

・米市場超高速取引のシェア最も高かったのは2009年の61%、その後シェアは緩やかに下がる。
 今年に入って前年より1〜2割少ない水準が続く。高い水位が下がったなかで大量の売買で薄い利ザヤ稼ぐ超高速取引業者は苦戦。
 超高速取引業者間の競争激化理由。手を引く業者も。
 
 超高速取引に対して規制当局も関心。ダウ工業株30種平均一時1000ドル近く下げた10年5月「フラッシュ・クラッシュ(瞬時の急落)」
 ある機関投資家のアルゴリズム取引(コンピューターによる自動売買)通じた大量の売り注文が急落の引き金引いたことが明らかに。
 
 規制は欧州でも高まる。取引1回毎の税金を課す「金融取引税」
 もう一つが欧州域内の金融商品取引に関する共通ルール「金融商品市場指令(HiFiD=ミフィッド)」
 超高速取引についても裁判が盛り込まれる可能性も。

 米欧での取引がしにくくなるとの見方強まるにつれ、日本市場有望に。

・東京兜町今、中小証券の廃業や事業譲渡相次ぐ。十字屋、室清、金山証券と今年に入り老舗が次々と看板下ろす。一因は株取引の高速化。
 多くの中小証券は自己売買に活路見出そうとした。昨年秋高木証券、今年7月いちよし証券が自己売買から撤退。
 超高速取引の普及は市場に流動性と取引の厚みもたらす担い手の後退促した。

・外国為替市場で3年連続の「夏の円高」予想する声増える。理由は過去2年と同じ。
 米国で景気の減速背景に金融緩和期待高まっているため。スペインの財政・金融危機が深まるなど今夏は対ユーロでも円高を警戒。
 8月特有の季節性も。過去17年のうち8月末が7月末より円高になったのは12回。月別では最多に。
 3度目の夏、警戒すべきは対ユーロでの円高と。

・バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長リセッション(景気後退)入りの懸念さえ漏らし始める。
 9月にも量的緩和第三弾(QE3)に動くとの観測も。欧州中央銀行(ECB)の出方にも注目集まる。
 年末にかけての政界と市場の混乱見越してQE3の切り札を出すのを12月中旬のFOMCまで我慢するのか、雇用下支えに早めに動くのか。
 バーナンキ議長の一段の言動に要注目に。

・会社がわかる 特集学研HD <9470> [終値162円]「学習」と「科学」休刊から2年半、業績の低迷から抜け出そうとしている。
 出版事業が稼ぎ頭に。学習塾もリストラ効果で利益回復。少子化進む中目指すは出版・塾・介護の3本柱経営。
 2010年6月にエフィッシモから全株を1株230円で抱え込む。
 宮原社長「一番良いのは株価が戻った後で株式交換に使うこと。一気に売却したり、消却したりする選択肢もないわけではない」と。 
 自社株の処理はっきりしないと230円超えられないとの指摘も。

・日産 <7201> [終値727円]米国市場で巻き返しに動く。6月末主力中型セダン「アルティマ」刷新、年末にかけて新車攻勢強める。
 ゴールドマン・サックス、日産がメキシコ活用した低コスト生産でトヨタ <7203> [終値2943円]などに先行していると「大化け」予想。

・株式市場で売られる銘柄と買われる銘柄あの二極化が鮮明に。
 円高・ユーロ安受けて欧州での売上高比率の高い銘柄が安値圏に沈み、世界の景気変動に敏感な銘柄も総じて弱い。
 一方不動産や金融などの世界景気に連動しにくい内需株には資金が流入。日経平均株価先週103円下落。
 週半ばには約2ヵ月半ぶりに8300円台まで下げ、6/4年初来安値(8295円)に接近する場面も。欧州関連株が特に目立つ。
 
 今週は米欧で金融政策決める会合が予定され、市場では追加金融緩和期待が強い。
 「買い戻し一巡すれば何らかの悪材料をもとに短期筋による売り仕掛け始まる」とも。

・OUT Look:今週の株式相場は日経平均株価8700円をうかがう展開か。市場では欧州中央銀行(ECB)による追加金融緩和の観測が台頭。
 売りこまれていた日本株にも買戻しが進むとの見方増える。上値余地は限定的との声が聞こえる。

 株価上昇余地大きくないとの見方の3つの理由。

 1つ目は米国で重要な経済指標の発表相次ぐ。

 2つ目は需給面で不安を抱えていること。東証投資主体別売買動向、国内年金の動き反映する信託銀行は7月第3週まで3週続けて売り越した。
 年金は「株価の戻り局面では利益確定の売り出してくる。」

 3つ目は企業業績悪化への警戒感。化学セクターには警戒と。

・Wall Street:今週の米株式相場はダウ工業株30種平均節目のある1万3000ドルを挟んでもみ合う展開か。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)や7月の米雇用統計など重要材料目白押し。株価は足元で上昇基調にあるものの、景気の下振れ懸念が根強い。
 失望誘う材料が出れば売り膨らむ恐れもある。

 今週31〜8/1FOMC開催。超低金利政策維持する期間について従来の「2014年後半」から「15年後半」へと変更するとの期待も広がる。
 3日雇用統計非農業部門雇用者数10万人と前月(8万人増)比改善する見通し。失業者は前回8.2%と同じ予想。
 米サプライマネージメント協会(IMS)7月製造業景況感指数50を回復できるか市場の関心高い。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派50%(前回比+9)弱気派29%(同+5)中立派20%(同-14)

・新興市場で新規株式公開(IPO)銘柄の株価堅調。
 6月以降新規上場7銘柄の株価、先週末時点6銘柄が公募・売り出し価格(公開価格)上回った。値動きの軽いIPO銘柄に個人マネーが流入。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は欧州中央銀行(ECB)ドラギ総裁金融政策を柔軟に運営する考えを表明、欧米中心に上昇。
 上昇率1位は目下危機の震源地のスペイン5.9%、ブラジル(4.4%)トルコ(4.2%)が続く。
 下落率はギリシャ(▲7.1%)ベトナム(▲2.7%)タイ(▲2.5%)

・ランキング:ユーロ安局面でも株価が堅調な製造業ランキング

 1位日東工業 <6651> [終値1386円]株価騰落率48.87% 電気自動車(EV)や太陽光発電向け販売が好調。

 2位カルビー <2229> [終値5260円]40.08% 3位ニューフレア <6256> [終値546000円]37.01%

 4位東和薬品 <4553> [終値4615円]22.74% 政府後発薬普及策もあり、2013年3月期は連結売り上げ高前期比12%増。

 9位ピジョン <7956> [終値3350円]10.56% 中国や東南アジアでは同社製品が高級育児用品として認知されつつある。

 15位ホシザキ電機 <6465> [終値3350円]6.07% 冷蔵庫や製氷機、食器洗浄機など国内シェア首位の製品数多く抱える。
 
 18位日機装 <6376> [終値868円]5.72% 主力の工業用ポンプや航空機部品の販売が好調。医療機器の売り上げも堅調で業績支える。

・格安航空会社(LCC)航空機関連市場は30年に今の2倍に。12〜31年までに発生するジェット機新規需要の6割は小型機占めると。

 主翼や胴体を製造する三菱重工 <7011> [終値301円]や炭素繊維供給する東レ <3402> [終値489円]が存在感。 

 エンジン分野の企業代表IHI <7013> [終値161円]。A320などに採用。エアバス15年に投入する新鋭小型機「A320 neo」にも内定。

 炭化ケイ素繊維の生産に世界でいち早くこぎつけたのは宇部興産 <4208> [終値167円]と日本カーボン <5302> [終値177円]の2社。

 機内厨房機で世界シェア3割誇るジャムコ <7408> [終値407円]今後小型機向けにも注力する方針。ボーイング社737MAX直近受注残1000機に。

 飛行制御システム提供するナブテスコ <6268> [終値1658円]B737MAX向けの受注獲得狙う。米国で工場買収生産能力拡大。(日経ヴェリタス)

———————————————————————–

株式会社アスリーム
INTERNET MEDIA OF INVESTMENT NEWS             
  〒169-0075 東京都新宿区高田馬場2-14-5      

URL : http://koronoasa.com/
———————————————————————–

記事の続きはコロ朝プレミアムで!

コロ朝プレミアム入会はこちらから