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扉を開いて(2012.8.5号)

2011年8月5日(日)はれ

・社債ブームの誘惑 あなたが知るべき投資の心得。

 8/3三菱UFJ銀 <8306> [終値370円]劣後債1000億円発行。今年個人向け劣後債6270億円と昨年同期の2.6倍、個人向け社債の6割強占める。
 将来の経営環境の悪化に備えたい銀行と少しでも高い金利を求める個人、双方の思惑重なり発行拡大。
 社債の商品性はここ数年多様化・複雑化に。

 個人向け劣後債、2008年リーマン・ショック後目立ち始めた。メガバンク09年末にかけて1回あたり1000億〜4000億円規模で発行。
 最近は地方銀行がはじめて発行するのが目立つ。持合いが将来認められなくなれば銀行は新たな「劣後債主」開拓する必要に迫られる。
 その場合の候補が個人投資家に。

 劣後債の仕組み:償還期限は一般に10年間。償還期限が5年切った時点で銀行が任意に繰り上げ償還できる権利(期限前償還条項)つく。
 高めの金利を払い続けるのを避けるため5年前に繰り上げ償還して新たな劣後債発行でつないでゆく。
 劣後債では償還5年前から金利上昇する設計も一般的。

 個人投資家は証券会社から直接購入へ。取扱いは大手証券会社が圧倒的豊富で店舗販売が一般的。
 銀行自ら発行した劣後債を「証券仲介」で取り次ぐケースも。投資単位は一般に100万円。中には10万円と小口も。

 社債は二つに分類される。新たに発行されるものを「新発債」募集期間は1〜2週間と短い。事前予約も。
 その社債が市場に流通視し始めた時点で「既発債」と呼ぶ名が変わる。
 新発債と既発債の大きな違いは買う時の価格。新発債は常に額面金額に対して既発債は市場価格(時価)がベース。
 途中で売却するケースが問題に。値引きされた価格でしか証券会社は買い取ってくれない。値引き分が証券会社の手数料に相当。
 「社債は持ち切りが前提、破たんが心配なら買わない方が良い」との助言も。

 社債のリスク:償還期限日までに発行企業が経営に行き詰まり、元本や利息を約束通りに払ってもらえなくなる可能性。
 債務不履行(デフォルト)には償還期限の先延ばし、利息の支払い遅延、利息の減免、元本の削減などがある。最悪元利金のほぼすべて失う。

 
 返済順位:従業員が受け取るべき給料など民法上の「先取特権」に当たる債権が優先的に返済。
 「一般担保付社債」優先。個人向け社債は無担保が通常で弁済順位は低い。
 劣後債は特に順位が低い。銀行が破たんした場合は劣後債の保有者が弁済を受けられる順位は預金者より劣る。

 
・円独歩高に変化の可能性も。欧州中央銀行(ECB)ドラギ総裁発言に市場参加者は期待と失望入り混じらせている。
 2日のECB理事会終え、ユーロは一時94円台まで下落、3日にはドラギ総裁発言再評価する動きも出る。1ユーロ=97円台前半に。
 3日発表米雇用統計結果で円は対ドルでも1ドル=78円台後半と2週間ぶりの安値。

・穀物の国際価格主産地米国の干ばつで高値圏に推移。指標となるシカゴ先物(期近)7月に大豆、トウモロコシが相次ぎ史上最高値更新。
 小麦も4年ぶりの高値に。ロシアやウクライナでも干ばつ広がっていることも影響。
 8月の受注報告がとりわけ注目に。米農地の現地調査に基づく生産量の見通しが初めて明らかになるため。
 過去の干ばつによる減産年を振り返ると8月の受注報告で材料出尽くしとなり相場が天井を打つケースも多く。
 ファンドなど大口投機筋の買い越し残高膨らんでおり、大豆は過去最大水準、トウモロコシも6月上旬比3倍近い水準に。
 もっとも大幅な値下がり予想する声は少ない。中国など新興国の需要拡大も背景に。

・インタビュー:ファミリーマート <8028> [終値3635円]上田準二社長 今後の成長戦略。
 中国でNo.1チェーン目指し、2013年2月期中に1200店舗。既存店売上高この2年横ばいか若干落ち気味。中国は成長率8%割ったといえ7%台。
 アジアでは丁度コンビニが受け入れられる時期に来たと。

 コンビニ各社業績好調。ファミマ2013年2月期連結純利益前期比29%増214億円。
 セブン&アイ <3382> [終値3635円]ローソン <2651> [終値5630円]とともに最高益更新する見通し。

・トヨタ <7203> [終値3065円]3日発表2012年4-6月期連結決算純利益2903億円と前年同期比11億円を大きく上回る。
 13年3月期通期予想(7600億円)に対する進捗率は4割弱と高い。この4-6月期は実力以上の数値とも。
 国内エコカー補助金の恩恵に4-6月期は経費発生が少なくなる傾向と。5年ぶりの連結営業利益1兆円の計画は「計画線上にある」と。 

・世界の鉄鋼大手の連結業績軒並み悪化。2012年4-6月期連結決算新日鉄 <5401> [終値151円]最終赤字。
 最大手アルセロール・ミタル(ルクセンブルク)、韓国ポスコなど主力各社とも4-6月期減益に。
 欧州景気後退に伴い鋼材需要が低迷、中国勢が高水準の生産続け、市況悪化。

・シャープ <6753> [終値192円]試練に直面。2013年3月期連結最終損益見通し従来300億円の赤字から3760億円の赤字に下方修正。
 6月末の自己資本比率20%割り込み、今期末はさらに下がる見通し。台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業との資本提携も先行き不透明に。
 信用リスク取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場の保証料率9.56%(前日比1.67ポイント上昇)と過去最高水準。
 パナソニック <6752> [終値564円]2.92%、ソニー <6758> [終値897円]3.51%との格差大幅に拡大。背景はバランスシートの悪化。
 市場の最大の関心は資金面。鴻海はシャープへの9.9%の出資について550円の買い取り条件見直し合意と発表もシャープ側は否定。
 13年9月には新株予約権付き社債の償還2000億円も大きな課題に。

・米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone(アイフォーン)に部品納入日本企業が翻弄。
 新製品に使う部品の受注時期や数量読みにくく設備投資のさじ加減も難しく。
 受注獲得への競争も激化、巨大なヒット作に振り回される度合い高まる。
 
 東芝 <6502> [終値253円]フラッシュメモリー(7/25からの騰落率 -7.27%)京セラ <6971> [終値6300円]水晶デバイス(-1.94%)

 TDK <6762> [終値3245円]高周波部品(-2.24%)村田 <6981> [終値3760円]コンデンサー(-4.14%) 

・2012年4-6月期決算発表ピークを迎えた先週は業績の下方修正や計画未達など悪材料が出た銘柄の急落目立つ。
 企業業績失速懸念強まってきたため。象徴はシャープ <6753> [終値192円]の急落劇。前日比30%安まで急落に。
 三菱ケミカル <4188> [終値310円]コマツ <6301> [終値1621円]も業績見通し下方修正した後年初来安値まで売り込まれる。
 記録的な薄商いも一因に。薄商いで家相手不在の中値を下げる銘柄が目を引く。

・ばら積み船運賃が低迷。バルチック海運指数(BDI)19日続落、4ヶ月半ぶりの水準に沈む。中国景気減速を映す。
 BDIは3日時点で852。2008年5月には10000超、08年12月に600台に。
 7月時点主に鉄鉱石運ぶケープ船(積載重量17万トン級)は世界中に1460隻、3年前比600隻増加。今年さらに140隻増とも。
 ケープ船総隻数は13年中まで増え続ける予定。BDIはしばらく低迷続くとの見方多い。

・OUT Look:今週の株式相場は週初に上昇した後一進一退のもみ合いか。
 国内景気復興関連需要や輸出の持ち直しで回復も、欧州債務問題くすぶり上値は重い。
 海外y投資家の売越額、個人投資家の買越額いずれも金額が小さくなり大きく振れにくい展開が予想される。
 週明けの日経平均株価は8700円付近で寄りそう。25日移動平均線(8753円)近辺が上値を抑える節目と。
 日銀金融政策決定会合(8-9日)注目。海外では7日に豪州政策金利、9日に米貿易収支発表。

・Wall Street:今週の米株式相場は方向感に欠ける展開か。米企業4-6月期決算発表ピーク超え、重要イベントも通貨。
 目先注目集める材料に乏しく。ダウ工業株30種平均は13000ドルを挟んだ攻防になりそう。
 今週は6、7日にバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演。
 中国7月の鉱工業生産や貿易収支が焦点。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派35%(前回比-12)弱気派38%%(同+5)中立派28%(同+8)
 市場関係者が夏休みに入って薄商いになることも強気派の減少につながった。
 
・世界市場往来:先週の世界の株式相場はおおむね上昇。

 上昇1位フランス2.9%(年初来6.8%)2位英国2.8%(3.9%)3位ドイツ2.6%(16.4%)4位インド2.1%(11.3%)5位スペイン2.1%(-21.1%)
 下落1位アルゼンチン-1.6%(-2.7%)2位カンダ-0.9%(-2.4%)3位日本-0.1%(1.2%)

・ランキング:2012年4-6月期営業利益進捗率の高い会社

 1位東洋製缶 <5901> [終値837円]通期進捗率62.15% 主力の飲料用缶やペットボトルの需要季節性大きく。夏場に向け4-6月に生産集中。

 2位新光電工 <6967> [終値523円]55.22% 3位テレビ朝日 <9409> [終値円]49.10%

 6位関電工 <1942> [終値364円]45.31% 4-6月期想定上回る好決算。東電 <9501> [終値円]向け工事の不透明さで通期据え置きに。

 9位カゴメ <2811> [終値1725円]42.25% 2月以降トマトの健康効果話題で関連商品の販売増。トマトブーム続く。 

 27位南海電鉄 <9044> [終値344円]34.12% 格安航空会社(LCC)が関西空港就航、関空路線が好調。(日経ヴェリタス)

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