
扉を開いて(2012.9.30号)
- 2012年09月30日
- 株式投資・経済ニュース全般
2011年9月30日(日)台風接近 午後は雨に
・中間層ビックバン 勃興する42億人市場に挑む企業。
中印2ヵ国だけで19世紀・産業革命時の米英の100倍の人口規模を持ち、当時の10倍のスピードで経済成長を遂げている。
産業革命の1000倍に相当する「経済爆発」が起きている。
新興国の巨大な中間層は2025年までに42億人に。消費額は世界の半分30兆ドル(約2340兆円)
・底辺から攻めろ:
東アフリカ・ケニアで静かなる「情報通信革命」起きている。
英携帯通信大手ボーダフォン2007年導入したモバイルマネ―「Mペサ」により、銀行口座の無い人でも携帯を使って入出金出来る。
2007年5万人だった顧客を今や1500万人に増やしている。
勃興する新興国の中間層取り込む秘訣は「底辺から攻めろ」
まず貧困層に手の届く商品を届け、やがて中間層に育った段階で上位商品売り込む戦略。
・エリア集中作戦:
フマキラー <4998> [終値271円]世界最大の蚊取り線香市場、インドネシアの勢力図を塗り替えている。
零細小売店1つの会社の1商品を置くスペースで一気に商圏トップに。ジャワ島で営業3人車で1ヵ月1000軒ペースで訪問。
3か月続けて郡で1番になったらほかの郡に移るローラー作戦を続ける。
インドネシア事業2012年度経常利益15%増611億ルピア(約5億円)と前者利益の7割近くに。
スズキ <7269> [終値1515円]子会社マルチ・スズキ展示場。週末ごった返す。
店内並ぶ小型車やセダンなど新車月150台ペースで売れる。「地方都市や農村の伸びはすごい」
08年200程度の地方店舗が今は600店に。売上高25〜30%は地方が占める。主戦場は地方に移りつつある。
・ニーズを読み解け:
コクヨ <7984> [終値634円]2011年ベトナム文具市場で記録的なヒット。「ドラえもんノート」キャラクター入り好まれる。
トルコ年収5万ドル(約400万円)世帯は2005年40万世帯だったが15年には150万世帯に増える見通し。
パナソニック <6752> [終値516円]停電多いトルコで充電池内蔵型コードレス電話投入。
ダイキン <6367> [終値2023円]省エネ性高めた家庭用エアコン販売始める。
・スピード勝負:
ウォルマート、アフリカ各地に店を構える南アフリカ小売り大手マスマートを24億ドル(約1900億円)で買収。
フランステレコム15億ユーロ(約1500億円)でエジプト携帯通信会社買収で勝負に出る。
・日本でも新興国の消費者取り込みにかける企業が増えている。
天馬 <7958> [終値806円]自動車部品やコピー機の側面といったプラスチック製品つくる。
この10年でアジアの売上高44億円から358億円と8倍に。日本の売上高は229億円と17%の伸びにとどまる。
船舶用塗料で業者シェア首位の中国塗料 <4617> [終値376円]アジアの売上高556億円と10年で3.2倍に拡大。
売り上げ全体に占める比率も53%に達している。修繕向け塗料も伸びる。日本の売上高は32%増どまり。
ニチコン <6996> [終値552円]アジアでは高度成長期の日本と同じでテレビなど家電の購入が拡大。コンデンサー需要急拡大。
アジア売上高465億円と10年で2.2倍に。同期間日本の売上高27%減と対象に。
ニフコ <7988> [終値1803円]埋もれた企業価値の発掘で知られる米系タイヨウ・ファンドがこの10年で買い進めた銘柄。
売上高に占めるアジアの比率は10年前9.9%から32%に拡大。株価02年3月末から約7割上昇。
・新興国・中間層の爆発的な拡大テーマに運用する主な投資信託過去3年間の運用成績は多くが1割以上の収益を上げる。
日経平均株価連動する投信の成績はマイナス9%。
運用成績トップは約2.1倍の「タイ投資ファンド」「JFアセアン成長株オープン」は3年間で41%の成績に。
ブラジル株対象投信の運用成績はオリンピック開催など海外マネー流入し過ぎた反動でさえず。投資しやすい価格まで調整進んだとも
・1960〜70年代にかけて日本が経験した高度経済成長、家計の年平均所得は45万円(60年)から139万円(70年)に拡大。
テレビ、洗濯機、冷蔵庫の「三種の神器」急速に一般家庭に普及。中間層の目安は年収5000ドルと。
・中国株低迷。26日上海株式市場、主要指数上海総合指数は心理的節目となる2000を一時割り込む。市場では「頼れるのは政府だけ」。
上海総合指数は中国の景気減速鮮明となった4月末から13%下落。2012年1-6月期の上場企業全体の純利益ふは中間期3年ぶりの減益に。
・欧州中央銀行(ECB)が資金繰りに陥った国の国債を無制限に買い取る計画、9/6に発表以降市場の関心はスペイン政府の出方に。
ボールはスペイン側に投げられた状態に。政府首脳からは支援申請に慎重な発言が相次ぐ。
10月中に約200億ユーロの国債償還を控える。市場では「利回り5%台のままなら国債発行で賄える」とスペイン政府の強気支える。
市場では「申請は早くとも10月下旬以降ではないか」との見方増える。
・10月1日新日鉄 <5401> [終値160円]と住金 <5405> [終値117円(9/25)]合併して新日鉄住金 <5401> [終値160円]誕生。
粗鋼生産量でアルセロール・ミタルに次ぐ世界2位となる。海外競合他社に比べ採算性が低く、株式時価総額比較では4位に。
設備の集約度合いと円高・ウォン安要因。
・ノルウェーの政府年金基金、世界の株式の1%を保有するともいわれ、一挙一動に投資家が注目。
パイオニア <6773> [終値191円]ノルウェー政府年金基金保有6.47% 関東電化 <4047> [終値125円]5.49%
オリジン電 <6513> [終値282円]4.59%ステラケミファ <4109> [終値1482円]4.56% そーせい <4565> [終値245000円]4.42%
タカラアレーベン <8897> [終値840円]4.19% ノーリツ <5943> [終値1376円]フェローテック <6890> [終値303円]3.39%
・世界では約60のソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)が存在。
資産規模は足元で合計5兆1334億ドル(約400兆円)と日本国内総生産(GDP)にも迫る。再び増加傾向に。
・米景気の足を引っ張っていた住宅部門が温まり始める。
25日発表S&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比1.2%上昇、市場予測平均(0.8%上昇)超える伸び示す。
8月中古販売482万戸と2010年5月以来の高い水準に回復。着工件数も8月は75万件と08年10月の水準に近づく。
着工や販売に続き、価格もようやく上昇の足掛かりをつかむ。
住宅大手の経営陣は警戒モード説いていない。「住宅不況は全米に及んだのに回復は局所的」
「底入れ」公算は強いが持続的な回復につながるにはまだ時間も。
・会社がわかる 特集コマツ <6301> [終値1537円]日立建 <6305> [終値1263円]どう立ち向かうか。
中国建機市場が急速に縮小。油圧ショベルの市場規模2012年1-8月期8万2400台と前年同期比40%減。年間で減少すれば8年ぶりに。
リーマンショック後実施した4兆元(約50兆円)の景気対策の反動。
コマツの中国売上高前期比25%減1500億円にとどまる見通し。ピーク11年3月期比45%の水準。
日立建機中国売上高1097億円と19%減。両社とも7-8月は前年同月比4割超の販売減に。
地場最大手三一重工11年12月期売上高507億元(約6200億円)と2年前の2.7倍に拡大。販売シェア12.0%とコマツ抜きトップに。
躍動の背景はなりふり構わない安値攻勢。
米キャタピラー中長期で市場拡大続くと見て生産能力14年までに10年比4倍に高める計画。
安値販売姿勢で出遅れていたシェア上昇傾向に。
インドネシアやオーストラリアなど資源国、キャタピラーとコマツが激しく争い日立建機が追う構図に。
株価回復には「中国インフラ投資の回復が条件」との見方多い。「中国の景気悪化が進むほど建機株の買い場は近づく」と指摘も。
景気刺激のため、中国政府が大規模な財政出動に追い込まれるとみる。
コマツは昨年10月「収益見通しに比べ株価安すぎる」と300億円の自社株買いに踏み切る。発表当日予想PER(株価収益率)は9.5倍。
現在と同水準で今年も実施するならサプライズと。
・不動産投資信託(REIT)が騰勢高めている。
予想分配金利回りが5%台と高く、インカムゲイン重視の金融機関や個人投資家のマネーが流れ込む。
専門家の間ではREIT人気は今後もしばらく続くとの見方有力。
・非鉄金属の国際価格に早くも天井感も。
欧州の景気回復には目途つかず中国での公共投資の効果は年末以降と景気動向先取りする非鉄金属相場は停滞感漂いつつある。
・OUT Look:今週の株式相場は日経平均株価は8700〜9000円で推移。中国との対立と円相場の高止まりが株価の上値を抑える。
輸出依存度の高い景気敏感株よりも内需銘柄を選好する動き続きそうと。
先週日経平均株価は週間で2.6%下落。足元では食品、医療、シニア関連といった銘柄が相次ぎ高値更新。
3月期決算企業の中間決算発表が近づけば近づくほど「業績下方修正リスクがある輸出株は買えなくなる」との指摘も。
反発のきっかけは海外経済指標。
注目は中国製造業購買担当者景気指数(PMI)と米サプライマネージメント協会(ISM)製造業景況感指数(いずれも10/1発表)
・Wall Street:今週の米株式相場はもみあいか。9月の雇用統計や製造業景況感指数の発表相次ぐ。
相場上昇には新たなプラス材料が必要に。欧州では財政緊縮反対デモ広がり南欧の財政問題への警戒ムードも浮上。
ダウ工業株30種平均は2週連続の下げ、株価の上値が重くなっている。
今週は5日発表の雇用統計に注目。市場予測平均(約11万5000人前後増加)と前月(9万6000人)から小幅な改善が見込まれている。
米サプライマネージメント協会(ISM)製造業景況感指数1日発表、景気判断の分かれ目となる50を4ヵ月ぶりに上回るか焦点。
欧州では4日に欧州中央銀行(ECB)が定例理事会開く。大きな動きは予想されていない。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派34%(前回比-2)弱気派32%(同+5)中立派34%(同-2)
中国の景気減速や日中関係悪化に対する懸念から企業業績の先行き警戒感高まる。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場はアジアを除き総じて下落。欧州問題の先行き懸念から欧米市場が軒並み下落。
週間騰落率1位上海2.9%(年初来▲5.1%)2位フィリピン1.0%(年初来22.3%)3位タイ1.0%(年初来26.7%)18位日本▲%(年初来4.9%)
25位スペイン▲6.3%(年初来10.0%)24位フランス▲5.0%(年初来6.2%)23位ギリシャ▲4.7%(年初来8.6%)
・ランキング:3月末と比較して上昇した時価総額100億円以上の銘柄ランキング
1位コスモス薬 <3349> [終値7170円]騰落率71.94% ドラッグストアの勝ち組に。低価格志向の消費者掴む。
2位光通信 <9435> [終値4135円]70.02% 好採算データカードLTEサービス対応商品想定超。
3位カルビー <2229> [終値6840円]62.28% 海外展開のスピード好感。持続的な収益の成長期待が投資家の支持集める。
7位カカクコム <2371> [終値2937円]35.47% 主力「価格.com」意外のサイトからの課金収入が伸びる。
21位アステラス <4503> [終値3965円]16.62% 米国で新薬承認のニュース続く。がん領域参入の結果が出始める。
39位日東電工 <6988> [終値3720円]11.54% 脱「テレビ銘柄」収益基盤の安定性が評価されている。
・スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)普及でデータ通信量が爆発的に増え、従来のインフラでは許容できなくなる。
LTE(ロング・ターム・エボリューション・長期的な進化)の導入で先行はNTTドコモ <9437> [終値126600円]
対応端末販売台数600万台超。13年3月末LTEサービスの人口カバー率約70%に達する予定。
ソフトバンク <9984> [終値3160円]とKDDI <9433> [終値6060円]米アップル「iPhone(アイフォーン)5」がLTE対応機種。
携帯電話3社2013年3月期設備投資額、ドコモ約7350億円、ソフトバンク約6000億円、KDDI約4500億円の見通し。
イー・アクセス <9427> [終値15070円]
無線を使って携帯ゲーム機、タブレット端末とつなぎインターネット接続できるWi-Fiルーターの販売伸ばす。
ワイヤレスゲート <9419> [終値3480円]
自前の通信をインフラ持たず、複数の通信会社から回線を借りて自前ブランドのサービス提供。(日経ヴェリタス)
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