
扉を開いて(2012.12.23号)
- 2012年12月23日
- 株式投資・経済ニュース全般
2011年12月23日(日)X’masイブイブ
・日本株 復権の予感。脱デフレ期待に踊る海外マネー。
米ブラックロック、ラス・ケステリッチ氏
「次期政権による財政拡張や金融緩和の強化は追い風になる。日本株への投資比率を今後(平均水準よりも)引き上げることを検討したい」
日経平均株価約8ヵ月ぶりに1万円台回復。海外勢11月第2週以来5週累計で1兆1300億円の買い越し。春先の株高局面を上回る勢い。
世界が米国の「財政の崖」への警戒感を解けずにいる中で、日本の株高の流れには乗り遅れまいと米欧投資家はざわついている。
これまで日本株の重荷となっていたデフレ、円高、不安定な政治情勢、非効率な経済・市場構造、企業の低収益体質。
市場や経済に冷たいとされる民主党に替り自民党復帰で即効性のある経済政策への期待感でる。
野村証券 <8604> [終値431円]試算世界の投資家が日本株比率を中立に戻すだけで4.9兆円の現物株買い需要が生じる。
問題はマネー流入が続くうちに日本経済の再生へとつないでいけるか。日本企業の収益力が欧米企業に比べ見劣りする問題も解消されず。
・投資主体別売買動向、個人投資家12月第2週(10-14日)まで5週連続で売り越し。
生保や損保、信託銀行などと合わせると日本勢の合計売越額は1兆円。海外投資家の買越額のほとんどを相殺した計算。
・市場が注視するのは新政権の政策実行力。夏の参院選や秋の消費増税の閣議決定に向けて新政権は国内総生産(GDP)成長率底上げする考え。
4月の日銀 <8301> [終値44000円]総裁人事とも絡み、積極的な財政拡張と金融緩和の促進を打ちだすのは確実。
・インフラ投資に200兆円投じるともされる国土強靭化計画。生産性向上につながるのか。財政捻出の道筋は。
海外マネーを誘引し続けるためには中長期的な株高期待が必要に。
・自己資本利益率(ROE)株主のお金で企業がどれだけ効率良く稼いだか示す。日本企業6.0%、米企業15.1%(生命保険調べ、2010年度)
米欧投資家が最も重視する利益指標。(1株当たり利益(EPS)を1株純資産(BPS)で割って計算)期待するROEは8%以上と。
今後の見通し2013年度は東証1部平均の1株利益2-3割増益と予想。
1円分の円安が経常利益0.74%押し上げる。円相場90円台になれば利益水準約4%上乗せされる。
円安による株価押し上げ効果の大きいのは自動車や精密機械など。米景気回復と合わせて収益上振れ期待も。
・円安メリット受けやすい企業:TSテック <7313> [終値1462円]円安感応度2.99% マツダ <7261> [終値147円]2.82%
安川電 <6506> [終値736円]2.75% コニカミノルタ <4902> [終値622円]2.59% 日野自 <7205> [終値709円]2.57%
ニコン <7731> [終値2393円]2.43% 日産自 <7201> [終値763円]2.37% タカタ <7312> [終値1648円]2.37%
・米州売上高比率が高い企業:ホンダ <7267> [終値3000円]米州売上高比率44.0% TSテック <7313> [終値1462円]39.9%
タカタ <7312> [終値1648円]36.7% 日産自 <7201> [終値763円]33.6% クラリオン <6796> [終値147円]33.2%
武蔵精密 <7220> [終値1706円]32.7% 森精機 <6141> [終値667円]28.4% マツダ <7261> [終値147円]28.0%
・新政権発足後の有望銘柄ランキング:海外投資家に買われそうな銘柄。医療小売り関連上位に。
丸紅 <8002> [終値602円]予想PER 5.2倍 3期平均ROE18.1% アーネストワン <8895> [終値1167円]5.5倍 29.9%
住友ゴム <5110> [終値1016円]8.3倍 10.4% ニトリHD <9843> [終値6380円]9.7倍 20.8%
セガサミー <6460> [終値1486円]9.8倍 10.9% 第一興商 <7458> [終値2042円]10.6倍 12.1%
・主要証券会社「注目銘柄」キーワードは「脱デフレ期待」と「円安効果」
4社注目:日立 <6501> [終値402円]日産 <7201> [終値763円]トヨタ <7203> [終値3785円]
オリックス <8591> [終値9420円]ソフトバンク <9984> [終値3040円]
3社注目:日揮 <1963> [終値2611円]ツムラ <4540> [終値2655円]ファナック <6954> [終値14830円]
村田 <6981> [終値4750円]リコー <7752> [終値907円]三菱UFJ <8306> [終値438円]三井住友FG <8316> [終値3035円]
三井不 <8801> [終値1994円]三菱地所 <8802> [終値1897円]
・不動産投資信託(REIT)相場が騰勢強めている。21日に東証REIT指数は1110まで上昇。東日本大震災発生前日1092を上回る。
REIT市場取り巻く環境は改善が続く。
東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)のオフィスビルの平均空室率は6月には9.43%も11月は8.76%まで低下。
オフィス系主流のREIT市場にあって値上がり目立つのは商業・物流系や住宅系のREIT。
公募増資による需給悪化や利益確定売りを警戒する声もあり、今後調整の可能性も。
・白川方明日銀総裁任期満了4月に控え、後継者選びに注目。市場が望む次期総裁は?緊急アンケート実施。(52人対象32人から回答)
1位(得票数17)武藤敏郎(69)大和総研理事長 2位(10)岩田一政(66)日本経済研究センター理事長
3位(7)伊藤隆俊(62)東大教授 4位(4)黒田東彦(68)アジア開発銀行総裁
・会社がわかる 特集バロー <9956> [終値1331円]「日本一の食品スーパー」を目指す。2013年3月期で連結売上高18期連続増、純利益過去最高
企画・開発から製造・物流、小売りまで手掛けるビジネスモデル。18円コロッケや19円もやしなど「サプライズ価格商品」でも利益に。
ドラッグストアやホームセンターの運営に乗り出し、ドラッグストアは2016年3月期までに100店出店計画。5月から韓国でスーパー2店舗運営。
・会社がわかる 特集ハローズ <2742> [終値740円]国内スーパーで初めて全店舗で24時間365日営業に踏み切る。
作業を深夜に集中、昼間の混雑時にもゆっくり買い物ができる。2013年2月期で19期連続の増収・経常増益となる見通し。
店舗数現在55店、今後は瀬戸内商勢圏180店舗、3000億円構想。
・会社がわかる 特集クスリのアオキ <3398> [終値4605円]ドラッグストア業界で28期連続で増収続ける。
「近隣型小売業」薬や日用品雑貨に加え野菜や肉を買う主婦らの姿が目立つ。
薬剤師が医療機関の処方箋を受け付ける「調剤薬局併設型店舗」
高齢化背景に薬を長期間服用する人が増え、ドラッグストアで薬をまとめて買うニーズは高い。
調剤市場は大衆薬の6倍に及ぶ6兆円規模市場。
・外国為替市場で高まった円安期待は年をまたいだ後も続きそう。
日銀金融政策決定会合(19-20日)後記者会見で白川方明総裁が物価上昇目標の導入について触れ「来月1月の次回会合で結論出したい」と宣言。
自民党安倍晋三総裁が求めている物価目標2%が視野に入ってきた。
米国で減税失効と歳出削減重なる「財政の崖」巡る与野党協議が難航も足元の円相場は1ドル=84円前後の安値圏維持。
日銀 <8301> [終値44000円]当座預金残高は既に過去最高に膨らみ、市場では資産買入れによる一段の緩和効果は限られるとの見方多い。
・OUT Look:今週の株式相場は調整含みの展開に。「日経平均株価は1万円前後の水準で一進一退となりそう」との声多い。
米国での「財政の崖」を巡る交渉で不透明感が強まると調整幅が大きくなる恐れもある。
日本株の上昇ピッチはやや急でしばらくはスピード調整の可能性も。年内いっぱい1万200円〜9800円程度のレンジとも。
指標面で過熱感も。25日移動平均とのかい離率「調整局面入りの目安」とされる5%を超え一時8%弱に達する。
東証1部騰落レシオ(25日移動平均)も過熱サイン。19日には164.5%まで上昇、21日も150%を超える水準にある。
需給は下支えと。投資主体別売買動向12月第2週(10-14日)まで海外投資家(外国人)5週間で日本株累計買越額約1兆1300億円に。
「財政の崖」問題が先行き見通ししづらい。市場では「財政の崖」問題の展開が怪しくなれば日経平均の調整幅は9500円程度まで広がる恐れも。
・Wall Street:今週の米株式相場は緊迫ムード。「財政の崖」回避に向けた与野党協議が難航しており、市場に再び警戒ムード強まる。
クリスマス休暇で参加者減り、思惑的な売買で値動きが荒くなる可能性も。
今週は24日半日取引、25日は休場。与野党協議は26日から再び活発になると見られるが先行きは予断許さず。
市場には年内合意は困難との見方も出始め、進展なければマネーのリスク回避が強まりかねない。
26日10月のケース・シラー住宅価格指数前年同月比4%前後の上昇見込み。27日12月の米消費者信頼指数前月比小幅に低下する見通し。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派39% (前回比+3)弱気派39%(同-2)中立派22%(同-1)
衆院選で自民党圧勝、デフレ政策や日銀の追加金融緩和への期待高まるも、週末にかけて米国「財政の崖」問題への懸念強まる。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は上昇した市場が多かった。
米格付け会社が国債格上げしたギリシャが4.6%値上がり、スペインも上昇。ブラジルやフィリピンなどの資源国や新興国の株式にもマネー流入。
上昇1位週間騰落率ギリシャ4.6%(年初来騰落率31.8%)2位スペイン3.3%(▲3.2%)3位アルゼンチン3.3%(13.1%)5位日本2.1%(17.6%)
下位25位台湾▲2.0%(6.7%)24位インドネシア▲1.4%(11.2%)23位韓国▲0.7%(8.5%)22位香港▲0.4%(22.1%)21位インド▲0.4%(24.5%)
・ランキング:日経平均株価の2012年の年間騰落率は09年以来、3年ぶりにプラスに。日経平均の年初からの上昇率(21日)18%。
世界の株式相場の動き示す「MSCIオールカントリー・ワールド指数」の13%を上回る。
2012年初来上昇率ランキング:
首位ガンホー・オンライン <6765> [終値827000円]株価騰落率374.47%
スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けゲーム「パズル&ドラゴン(パズドラ)」がヒット。12/14ダウンロード件数が500万に達する。
ゲームを有利に進める「アイテム」課金が伸びる。12月パズドラを米国と韓国に公開。市場では業績拡大期待広がる。
2位ジェイアイエヌ <3046> [終値3050円]305.59% 3位MornotaRO <3064> [終値2732円]234.80%
27位新明和工 <7224> [終値536円]73.46% がれきなど運搬する特装車、東日本大震災の復興と排ガス規制強化で受注増。
32位カシオ計算機 <6952> [終値772円]65.31% 腕時計「Gショック」販売好調、安定した利益成長続くとの期待膨らむ。
46位テンプHD <2181> [終値1084円]55.97% 業績の大幅な回復。派遣需要が持ち直している。再就職支援事業も伸びる。
・「円高メリット」銘柄に一転逆風吹き始めた。自民党政権による円高是正への期待感が強まり足元84円台に下落。
現燃料輸入する航空業界やエネルギー、海外生産した製品を日本で販売する製造小売業(SAP)など円安が業績の足かせ懸念に。
全日空 <9202> [終値176円]9月末時点為替ヘッジ比率55%にとどまる。想定レート1ドル=80円。1円の円安で燃料コスト年25億円上昇。
円安・燃料油高はダブルパンチになりかねず。円安が続くようだと海外旅行客の伸び自体が鈍化する懸念も。
日航 <9201> [終値3710円]為替ヘッジ比率は4割程度に。為替想定レートは1ドル=85円で足元の円安の悪影響は限定的。
スカイマーク <9204> [終値491円]為替ヘッジをほとんど行っていない。円安進んだ場合影響大。
東電 <9501> [終値224円]円が対ドルで1円値下がりすると年間330億円の収益押し下げ要因。
中部電力 <9502> [終値1158円]も年137億円の影響となる。
あさひ <3333> [終値1204円]青山商事 <8219> [終値1540円]良品計画 <7453> [終値7930円]など海外から製品輸入銘柄が円安の影響。
・日本電産 <6594> [終値4815円]株価さえず。19日日経平均株価1万円回復、167社が年初来高値更新も日電産は一時年初来安値付ける。
パソコン市場の低迷で主力のハードディスク駆動装置(HDD)向けモーターが振るわず、2013年3月期増収増益見込み達成に黄信号。
足元の株価下落は収益構造の転換の必要性をあらためて示す。(日経ヴェリタス)
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