
【2/1海外市場概況】GSがユーロドル買い推奨ポジションをクローズ、米1月雇用統計は11月と12月がそれぞれ上方修正
- 2013年02月04日
- 株式投資・経済ニュース全般
上方修正された雇用統計・非農業雇用者数の結果を好感
1日のNY株式相場は大幅反発。雇用統計・非農業雇用者数で過去2カ月分の結果が上方修正されたことが好感された。ダウ平均は前日比149.21ドル高の14009.79ドルで終了した。
ダウ平均は買いが先行した。1月雇用統計・非農業雇用者数の結果が15.7万人の増加と、市場予想(16.5万の増加)を下回ったものの、過去2カ月(2012年・12月と11月)の非農業雇用者数の結果が大幅に上方修正されたことから、市場からは「民間部門主導による雇用増加ペースは順調に続いている」と受け止められた。
また、1月ミシガン大学消費者信頼感指数と1月ISM製造業景況指数の結果も予想を上回ると、指数の上昇ペースが加速。引け近くに一時159.20ドル高の14019.78ドルまで上昇し、結局、史上最高値を示現した2007年10月以来となる14000ドル台で終了した。
NASDAQは前日比36.97ポイント高の3179.10ポイント、S&P500は同15.06ポイント高の1513.17ポイントで終了した。
個別では、早ければ週明け4日にも240億ドル相当の金額で身売り合意と報じられたデルは3%上昇。また、10-12月期決算で下流部門の改善が寄与したエクソンモービルとシェブロンはそれぞれ堅調に推移した。
ダウ平均: 14009.79(+149.21)+1.08%
NASDAQ:3179.10(+36.97)+1.18%
S&P500:1513.17(+15.06)+1.01%
・米債は下落
この日発表された米雇用統計がやや弱めの結果だったことで、米10年債利回りは一時1.924%まで低下。ただ、その後発表された米ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値や米ISM製造業景況指数は強く、米長期債は次第に伸び悩み、下落に転じた。米10年債利回りは終盤にかけて2.036%まで上昇している。
10年債利回り:2.015% +0.030
・原油は小幅高
弱い米雇用統計が発表されると3月限は96.51ドルまで急落。その後、米ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値や米ISM製造業景況指数の強い結果を好感すると、プラス転換し98.15ドルまで反発した。ただ、週末とあって買いは続かず、小幅高で引けた。
WTI3月限:97.77 +0.28
・金は上昇
この日発表された米雇用統計で失業率が上昇したうえ、非農業部門雇用者数の伸びも市場予想にやや届かず、米金融緩和方針が緩められることなく維持されるとの見方から1683.00ドルまで買われた。ただ、その後発表された米ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値や米ISM製造業景況指数は強く、金は急速に伸び悩み。一時は上げ幅をほぼ消したが、対ユーロのドル安の動きもあり、前日比プラス圏で引けた。
ゴールド4月限:1670.60 +8.60
・欧州株反発
注目された米雇用統計はやや弱めの結果だったが、米金融緩和方針の維持が期待されたうえ、米ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値や米ISM製造業景況指数が強かったことが背景。英通信サービス大手のBTグループが決算内容を受けて6.5%高となったほか、投資判断の引き上げを手掛かりに独インフィニオン・テクノロジーズも買われた。
英FTSE100:6347.24(+70.36)+1.12%
独DAX:7833.39(+57.34)+0.74%
仏CAC:3773.53(+40.93)+1.10%
・欧州債、独債・英債はほぼ変わらず
独やユーロ圏の製造業PMI・確報値が上方修正されたことで、序盤の独債は売りが先行。独10年債利回りは1.70%付近で推移。その後、弱い米雇用統計が発表されると逃避的な買いが強まり、独10年債利回りは1.633%まで低下に転じた。ただ、米ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値が上方修正されたうえ、米ISM製造業景況指数は強く、独債への買いは終盤にかけて緩んだ。
英債は横ばい。この日発表された英製造業PMIは弱かったが特に反応はなく、米雇用統計の発表待ちのなかで、英10年債利回りは2.11%付近でやや上昇して推移。その後、弱い米雇用統計が確認されると、英10年債利回りは2.057%まで低下した。ただ、米ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値や米ISM製造業景況指数は強く、英国債は伸び悩み。英格下げのうわさもあり、英10年債利回りは前日比変わらずで引けた。
独10年債利回り:1.672% -0.008
英10年債利回り:2.097% ±0.000
・米1月雇用統計:失業率が予想外に上昇 11月と12月がそれぞれ上方修正
米国1月の雇用統計で失業率は7.9%と、予想外に12月の7.8%から上昇した。非農業部門雇用者数は前月比+15.7万人と市場予想の+16.5万人を下回り、12月の+19.6万人から伸びが縮小。ただ、11月が+16.1万人から+24.7万人へ、12月が+15.5万人から+19.6万人へそれぞれ上方修正された。民間部門雇用者数変化数は前月比+16.6万人と市場予想+16.8万人を下回った。一方、12月分は+16.8万人から+20.2万人へ上方修正されている。今後の失業率を占う上で注目される週間平均労働時間は34.4と予想の34.5を下回った。12月分も34.5から34.4へ下方修正された。
[経済指標]
・米・1月失業率:7.9%(予想7.8%、12月:7.8%)
・米・1月非農業部門雇用者数:前月比+15.7万人
(予想:+16.5万人、12月:+19.6万人←+15.5万人)
・米・1月民間部門雇用者数変化:前月比+16.6万人
(予想:+16.8万人、12月:+20.2万人←+16.8万人)
・米・1月週間平均労働時間:34.4(予想34.5、12月34.4←34.5)
・2月6日の長期資金供給オペ(LTRO)早期返済発表で一時ユーロ上げ渋る展開
ユーロ・ドルは、2月6日の長期資金供給オペ(LTRO)の早期返済が、27金融機関で34.84億ユーロと発表された。
(長期資金供給オペ(LTRO)返済詳細)
1月30日:278金融機関、1371.59億ユーロ(残高:3520.41億ユーロ)
2月6日:27金融機関、34.84億ユーロ(残高:3485.57億ユーロ)
・ブラード・セントルイス連銀総裁「QE、各月750億ドルに縮小も」
ブラード・セントルイス連銀総裁
「2013年米国の失業率は低下を続ける」
「米連邦準備制度理事会(FRB)は経済が改善を続ければ量的緩和(QE)を終了することができる」
「QEは各月750億ドルに縮小するかもしれない」
・ユーロ:全面高、金利差拡大
ユーロは一段高となった。ユーロ・ドルは2011年11月以来で初めて、1.37ドル台にのった。ユーロ・円は126円95銭まで上昇し、2010年4月来の高値を更新。欧州危機への懸念が後退したことや欧州と他国の金利差拡大に伴いユーロ買いが加速した。ダウ平均株価は14000ドル前後で推移している。この水準は、金融危機や景気後退期以前の2007年以降初めてとなる。
・ゴールドマン、ユーロドル買い推奨ポジションをクローズ
ゴールドマンが1.37ドルの目標に達したとの理由でユーロドル買い推奨ポジションをクローズしている
・LCH、一部のスペイン・仏債取引の証拠金引き下げ
欧州の大手清算機関であるLCHクリアネットは1日、一部のスペイン・フランス債取引の証拠金を引き下げると発表した。一部通信社が伝えた。
・LCH:欧州、英国債取引における維持証拠金率を引き下げ
・3メガバンク海外向け融資残高、過去最高更新=朝日新聞
朝日新聞によると、2012年4-12月期決算では海外向け融資が伸びており、三菱UFI、みずほ、三井住友の3メガバンクグループの昨年末時点の海外向け融資残高はいずれも過去最高を更新した。
海外向け融資の12月末時点の残高は、3グループを合計すると45.8兆円で9月末よりも11%増えた、と同紙は伝えている。
・G20議長国ロシア財務次官「円安批判には冷静な対応を」
ロイター通信によるとロシアのストルチャク財務次官は、日銀に大胆な金融緩和を迫る日本政府の政策について、国際社会は冷静な対応が必要との見方を示した。
海外の一部当局者から出ている円安誘導批判について、「日本を批判する前に、冷静な分析が求められる」と指摘した、と同ニュースは伝えている。ロシアは2月G20財務相・中銀総裁会合の議長国。
・中国、3月5日から全人代を開催へ
新華社通信が報じたところによると、「中国は中国人民代表大会(全人代)を3月5日から開催する」ようだ。
・日本の景気対策の効果は一時的な公算
ムーディーズは1日、「日本の景気対策の成長への効果は一時的な公算」との見解を示した。
【1日の主な要人発言】
甘利経済再生相
「(日銀法改正の必要性)現状はない」
「財政再建に向け、市場が失望するようなことは絶対にしない」
「(円安進行で)、為替のことにはコメントしない」
韓国中銀
「2/2-3にBISと特別会合を主催」
「世界経済や金融市場について協議」
「日米中を含む24カ国の中銀総裁や幹部と主要金融機関のトップが2日間の日程で会合に出席する」
格付け会社ムーディーズ
「日本の景気対策、成長への効果は一時的な公算」
黒田アジア開発銀行(ADB)総裁
「日銀の2%のインフレ目標を歓迎、日本の経済に適切」
韓国政府当局者
「円安はしばらくして輸出に影響」
ウィーラーRBNZ総裁
「NZの一次産品に対する世界的な需要は旺盛」
「NZの対外債務は他の国よりも高い金利の必要性示唆」
「NZの対外債務増加は経済的ショックのリスク高める」
「インフレ圧力の懸念で住宅価格を注視している」
「柔軟な為替レートから受ける恩恵は非常に大きい」
「量的緩和は難しい問題を生む」
フィッチのカフーン・アジア太平洋地域ソブリン部門責任者
「中国のハードランディング懸念は後退している」
「インフレ状況は大幅に改善している」
EU
「失業率は非常に高く、許容できる水準ではない」
メルケル独首相
「米国は特に重要なパートナー」
「ユーロ危機や世界経済について米副大統領と協議する」
独報道官
「メルケル独首相、6日にオランド仏大統領を訪問」
関係筋
「仏政府は2月終盤か3月初めに経済成長目標を修正へ」
「3%の財政赤字目標達成のため独政府は50億ユーロの追加歳出削減が必要」
コエリョ・ポルトガル首相
「ポルトガルの流通市場での信頼が回復している」
コスタ・ポルトガル中銀総裁
「ポルトガルの銀行の苦境は続く」
「ポルトガルの銀行の資本はより拡充されている」
ブラード米セントルイス連銀総裁
「7%台前半の失業率なら量的緩和解除も」
「米雇用統計は全般的に強め」
「労働参加率が急速に上昇するかは不透明」
「米失業率は2013年を通じて低下へ」
関係筋
「ブラジル中銀は、為替レートはインフレ率に対して中立と見通している」
「ブラジル中銀は過度なレアル高は回避へ」
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