
扉を開いて(主要相場の今後)
- 2013年03月03日
- 株式投資・経済ニュース全般
2013年3月3日(日)ひな祭り
・黒田日銀 2%に挑む。日銀の次の一手に市場の関心。3年未満に限っている国債購入の残存期間を5年まで延ばすとの見方多く。
黒田氏従来、日銀が買える金融資産は「何百兆円もある」と発言。積極緩和でデフレ脱却目指すべきと主張。
副総裁の一人に岩田規久男・学習院大学教授起用。
「次期日銀総裁は2年で物価上昇2%達成できなければ辞める心構え持つべき」と1/27日経ヴェリタスで語る。
国債市場総裁人事に大きく反応。指標10年物国債利回り急低下(債券価格は上昇)、3/1一時0.640%と2003年6月以来の水準に。
日銀新体制下での初の金融政策決定会合を4/3-4日に予定。「新しい領域の金融政策の披露宴」と円相場や株価の行方を注目。
・今後の金融政策や黒田氏の手腕について専門家52人へ緊急アンケート。(2/26〜27)
「基金による資産買入れ額の拡大」4月中導入31人、5月以降23人。「国債の年限を長期化」4月実施31人、5月以降20人。
「リスク資産の買い入れ額・対象を拡大」4月中導入24人、5月以降24人。「国債買い入れオペの増額」4月7人、5月以降17人。
「2%の物価上昇率目標」達成可能22人、不可能11人。達成時期9人が3年以内、4年以内2人、4人が5年以内(5年以内計15人)
理由で目立つのが「円安効果」。株式や不動産価格の上昇による「資産効果」が消費心理好転とも。
行き過ぎた円安などでの悪いインフレになるとの懸念も。
黒田東彦(はるひこ)新総裁の能力評価:
「物価目標達成や金融緩和強化の意思」「国際的な人脈や国際金融界での調整・交渉力」に高評価(5段階評価で平均4.43点)
「金融政策の専門知識」3.09点と「及第点」ぎりぎり。
・主要相場の今後はどうなる。
日経平均株価:年内に1万3000円超えて上昇すると予想する参加者が増加。日銀が脱デフレに強力な金融緩和打ち出せば株価押し上げ。
緩和効果から円安基調が強まるかどうかも注目点に。
外国為替市場:年後半米景気復調が鮮明になれば1ドル=100円付けるとの見方も増加。直近安値94円77銭を割るかどうか当面の焦点。
長期金利:当面は低水準が続きそう。日銀の大量購入で国際需給が崩れにくい。
株高続けば国債市場から資金シフト、長期金利上昇に圧力がかかるとも。
欧州債務危機と米財政問題深刻化すれば国債への資金流入加速し、0.5%台に低下する可能性も。
・株式市場で不動産株が賑わう。背景は日銀による強力な金融緩和への期待。
三菱地所 <8802> [終値2450円]住友不 <8830> [終値3320円]三井不 <8801> [終値2434円]1日そろって昨年来高値更新。
土地の含み益の大きい銘柄の上昇が目立つ。
倉庫株高は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加による貿易活性化と倉庫需要拡大思惑も。
・中国第12期全国人民代表大会(全人代 国会に相当)第1回大会5日開幕。習近平国家主席にナンバー2の李克強氏が首相に就任。
「習・李体制」が本格始動。最大の課題は中国経済を持続的な安定成長の軌道に乗せられるか。新体制の船出は難しいかじ取りに。
・日韓自動車決戦が新局面。足元のウォン高・円安が韓国勢苦しめ、息吹き返す日本勢。
韓国自動車記者協会「2013年韓国カー・オブ・ザ・イヤー」大賞にトヨタ <7203> [終値4750円]「カムリ」選出。
今年で3回目も現代自と起亜自以外選出は初。理由は性能に対して割安な価格。
昨年3月米韓自由貿易協定(FTA)発効、韓国側の関税が8%から4%に下がる。
トヨタ、日産 <7201> [終値944円]ホンダ <7267> [終値3465円]独フォルクスワーゲン(VW)など
韓国に投入する車の輸入先次々米国に変更。
・イタリア総選挙は緊縮派、反緊縮派とも単独では政権を確立できない状況。次期政権がモンティ改革をそのまま引き継ぐのは不可能。
「五つ星運動」政党連合としては3位も単独政党としては下院で第1党と驚異的な結果。新政権は上下院両方から信任される必要。
・会社がわかる 特集JCU <4975> [終値3770円]スマートフォン内部、配線板同士をくっつける特殊な薬品(銅メッキ薬品)作る。
高シェアとトラブルがあればすぐに駆けつけるサービスが売り物。2013年3月期は過去最高益更新見通し。
稼いだ利益は株主、従業員、内部留保に30%づつ回し、10%無償の技術サポートなどによって取引先にも還元したいと。
・食品・農業関連、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)で思惑買い。
自動車メーカーやトラックメーカーにとってはTPP加盟の恩恵は少なそう。
プリマハム <2281> [終値202円]食品加工メーカーは豚など国内で育てているため飼料となる穀物の調達価格下がる可能性。
ニチレイ <2871> [終値531円]輸出入が活発化、冷凍食品と並ぶ収益の柱の冷蔵倉庫需要増と。
ファーストリテイリング <9983> [終値25300円]
ベトナムなど東南アジアで生産拡大進めている。衣料品関税撤廃で流通コスト下がる可能性も。
クボタ <6326> [終値1143円]農地の集約化により農家の大規模化進めば、従来よりも大型の農機の需要が伸びる。
・シェール革命、日本にも商機。電力・ガス大手価格の安さで調達先の確保に動く。
住友商事 <8053> [終値1146円]米テキサス州ガス田に2009年出資、
三菱商事 <8058> [終値1830円]シェールガスを液化天然ガス(LNG)としてアジアに輸出する構想描く。
三菱ケミカルHD <4188> [終値426円]「シェール革命で攻勢に転じる」
自動車部品や樹脂パネルに使う原料工場を北米に建設する方針。価格競争力低い国内生産からシフト。
日揮 <1963> [終値2562円]などプラント大手も米国進出うかがう。
・iPS臨床研究、バイオ株に脚光。再生医療の臨床研究2013年秋にも始まる。
タカラバイオ <4974> [終値1515円]京都大学iPS細胞研究所にDNA提供。
J・TEC <7774> [終値253500円]iPS細胞使った網膜の再生研究に参加。
セルシード <7776> [終値1290円]iPS細胞の細胞シートへの応用取り組む。
将来性だけでなく、確実性も備えたバイオベンチャー新興市場に上場。
ジーンテクノサイエンス <4584> [終値2461円]UMNファーマ <4585> [終値3685円]メドレックス <4586> [終値3200円]
3社は再生医療でなく、バイオ技術による医薬品の開発に取り組む。
・ガリバー <7599> [終値3805円]2014年2月期業績は3期ぶりに持ち直す公算大きい。利幅大きい小売り事業の比率高める効果表れる。
・新興市場に流れ込む個人マネーのパイプが太くなってきた。前週東証マザーズ指数が13%高と急伸。ジャスダック平均も3%弱上昇。
輸出主力株の上値が重くなってきたため、個人は値幅が振れやすい中小型株へ資金シフト。
テーマや材料の柱が変わると手じまい売り膨らんで株価の下げ余地大きくなる。地合いの変化には注意必要。
・金価格に先安観漂う。指標となるNY先物市場前週1トロイオンス1580ドル前後と直近高値比7%安。
「主要通貨の信用回復で投資妙味が薄れている」平時に戻ると押し上げる材料が少なくなる。
・OUT Look:今週の株式相場は日経平均株価は上値を試す展開か。
安倍晋三政権の経済政策や企業業績への期待から投資家の買い意欲は引き続き強い。1万2000円に届く場面も。
企業の来期業績の回復期待が買いを支える。
投資主体別売買動向、海外投資家(外国人)15週連続買い越し。
8日株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ)の算出日。
欧州中央銀行(ECB)理事会、米国の歳出強制削減問題巡る混乱も予想される。値動き荒くなる場面も。
・Wall Street:今週の米株式相場は米国の歳出強制削減問題の動向に注視、神経質な展開予想。
財政問題を巡る不透明感に加え、先週末1月の米個人所得が20年ぶりの落ち込み、個人消費の先行きに懸念強まる。
経済指標次第ではいまの株式相場に高値警戒感持つ投資家の利益確定売り出てもおかしくないと。
8日2月の米雇用統計発表。非農業部門の就業者数前月比15万5千人増加とほぼ前月並みとの市場予想。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派43% (前回比+2)弱気派25%(同-2)中立派32%(同変わらず)
金融緩和の期待から強気な見方広がる。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は上昇目立つ。
上昇1位トルコ週間騰落率5.2%(11年末比騰落率55.8%)2位インドネシア3.5%(25.9%)3位上海2.0%(7.3%)4位日本1.9%(37.3%)
下位25位ロシア▲2.7%(9.3%)24位インド▲2.1%(22.4%)23位アルゼンチン▲1.3%(25.9%)22位ギリシャ▲1.3%(45.6%)
・ランキング:業績好調、PER(株価収益率)20倍下回る企業対象に信用倍率低い企業ランキング。損失覚悟の買い戻し期待。
1位ビックカメラ <3048> [終値44200円]信用倍率0.21倍 信用売4569株 信用買1972株
テレビ不況想定以上に長引く。月次売上高や決算発表などで改善できれば見直し買いも。
2位テレビ朝日 <9409> [終値1779円]0.22倍 信用売96400株 信用買17800株
3位クスリのアオキ <3398> [終値6570円]0.23倍 信用売168400株 信用買53100株
8位ダイセル <4202> [終値723円]0.42倍 信用売324000株 信用買115000株
自動車生産回復で販売量増加。上昇ピッチの速さへの警戒感で売り先行。
10位コムシスHD <1721> [終値1210円]0.72倍 信用売238800株 信用買118600株
NTT <9432> [終値4325円]グループの投資動向に懸念。円安による部材コスト上昇もリスク要因。
18位良品計画 <7453> [終値6050円]0.98倍 信用売90700株 信用買82400株
今期から中国への出店加速、中国事業の成長が確認できる材料が出ればもう一段高も。
・期末目前、配当・株主優待を狙え。3月期権利・配当付最終売買日は3月26日(火)
3月決算銘柄 2013年3月期経常増益見込み 時価総額100億円以上 PER(株価収益率)20倍以下条件でランキング
1位アコーディア・ゴルフ <2131> [終値88700円]予想配当利回り6.6% 期末配当予想1株600円から5500円に引き上げ。
2位もしもしHL <4708> [終値1327円]4.3% 配当性向連結ベースで50%目標。
3位兼松エレク <8096> [終値1102円]4.1% 13年3月期配当性向45%と見込む。
7位住金物産 <9938> [終値315円]3.9% 14位江守商事 <9963> [終値1028円]3.8% 26位丸紅 <8002> [終値682円]3.5%
大手商社も予想配当利回り3%以上に。 (日経ヴェリタス)
———————————————————————–
株式会社アスリーム
INTERNET MEDIA OF INVESTMENT NEWS
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場2-14-5
URL : http://koronoasa.com/
———————————————————————–
記事の続きはコロ朝プレミアムで!