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扉を開いて(偽りの夜明け)

2013年12月1日(日)はれ

・欧州偽りの夜明け 忍び寄るデフレ、ドイツ1強の危うさ。
 2ヵ月にわたった連立協議の決着で12月下旬独連立政権発足。市場も欧州のパワー・ブローカーの「政治空白」終結を好感。
 安定した欧州ー勝ち組ドイツの効用とは裏腹に南欧ではこの言葉がむなしく響く。
 為替の調整弁のないユーロ圏で競争力取り戻すには、構造改革を進めるしか道はなし。
 6月以降欧州連合(EU)域内の取引所の株式時価総額は200兆円増加。
 改革には副作用付きまとう。賃下げと相まって物価に低下圧力。
 11/7欧州中央銀行(ECB)による電撃利下げは域内の強い物価低下圧力に対応する狙い。
 世界にとって再び「リスクの震源」となるのか。

・欧州偽りの夜明け 「日本化」懸念、急速に台頭。
 景気底入れに逆行、物価に下落圧力。債務危機、緊縮財政の副作用。
 10/31発表10月ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)、前年同月比0.7%と4年ぶりの低水準、市場予想の約1%から下振れ。
 物価の下落の波は欧州全般に及ぶ。ディスインフレを経て1990年代にデフレに陥った日本、欧州ではこの「日本化」懸念急速に台頭。
 原因の一つに債務危機が迫った緊縮財政。内需縮小招き、輸出拡大強いられたため。
 フランスやスペインがドイツとの差埋めて輸出拡大するには賃金の抑制が避けられず、これが国内消費の足を引っ張る。

・欧州偽りの夜明け 外需頼みの株高浮き彫り。脆弱な域内需要、新興国減速の悪夢。
 ついこの間まで、危機でマネーが逃げ出していた欧州。今は風景が一変。
 世界の投資信託の資金流出入動向で欧州ファンドは11月中旬まで21週連続流入超。過去最長の欧州株ブーム。
 株式市場では最高値圏にあるドイツをはじめ、主要欧州株価指数はリーマン・ショック後の高値圏で推移。
 新興国需要で欧州の立ち直り支える。新興国の経済が減速すれば欧州も無傷ではいられず。

・欧州偽りの夜明け 増え続けつ失業、鬱積する不満。「反EU・ユーロ」極右政党、国境超え連携強める。

・欧州偽りの夜明け すくむ政治、金融市場に矛先。ドイツ取引税導入を検討、南欧にも圧力。
 欧州中央銀行(ECB)銀行審査、公的資金注入の引き金引く恐れも。
 国の財政を痛め、それが国債価格の下落招き、銀行の財務傷める「負の連鎖」再来の引き金になる可能性秘める。
 ストレステスト(資産査定)は「パンドラの箱」を空けることになるのか。 

・株高・円安が一段と進む。日経平均株価先週1週間で280円上昇。5/22に付けた年初来高値上回り、2007年12月以来6年ぶりの水準。
 円相場は1ドル=102円台後半と約6ヵ月ぶりの水準に下落。欧米ヘッジファンド勢による「日本株買い・円売り」が継続。
 ファンド勢が仕掛けた11月からの強力な株買い・円売り。彼らの多くが11/28の米祝日(感謝祭)前に持ち高手じまうとの見方強く。
 ふたを開けると先物主導で株価は大幅上昇。円相場一時1ユーロ=139円台後半と約5年ぶりの安値へ。
 市場では日銀が「来春にも追加の金融緩和に踏み切る」との予想多い。円安支えに「来期まで見通した企業業績の拡大期待」。
 海外投資家11月1〜3週だけで日本株2兆円強買い越し。海外勢が日本株を選考する流れは続くと強気の見方増えている。

・円相場下落。11/29一時1ドル=102円台後半と半年ぶりの円安・ドル高水準に。5/22に付けた今年の最安値水準103円74銭も迫る。
 日米株価の上昇追い風、リスク取りやすくなった投資家が安全資産とされる円を売っているため。
 今週から年末にかけて黒田東彦日銀総裁はじめ、日銀政策委員の講演が相次ぎ予定、その発言に市場の注目が集まりそう。

・12/6、米雇用統計(11月分)発表。非農業部門雇用者数は前月比20万人程度のプラスと前月に続き底堅く推移との見方が濃く。
 雇用が上向いても12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合では機は熟さず、2014年1月以降に緩和縮小の決断先送りされるとの見方大勢。
 1〜3月のFOMCが量的緩和縮小と追加緩和措置との抱き合わせ実施巡る大きなヤマ場となると見られる。

・1年余り続く米住宅市場の急激な回復ピッチにブレーキがかかる兆しでる。住宅価格の上昇を主導してきた投資家の買いは今後鈍る見通し。
 市場の過熱感も沈静化。新規購入者の住宅ローン需要も6月以降弱含む。
 物件が大幅に値上がりすれば、賃料が上がらない限り賃貸住宅投資の利回りは下がる。
 利回りが頭打ちになってきたことで投資家は買いを手控え始めている。
 米住宅街気の長い回復を続けるには、投資家中心から実際に住むための家を買う個人ら実需中心へと主役切り換えられるかが焦点。

・オーストラリア経済のけん引役を資源関連投資からサービス産業などに切り替えようとしている。
 資源関連の投資ブームはピーク過ぎると豪資源・エネルギー経済局は11/27発表の報告書で指摘。
 今後プラント建設などの終息が景気押し下げ要因となるのが必至。その前に新たな産業を育てようとする現政権の試み一部実を結びつつ。
 有望産業の一つは観光業。狙うは中国人観光客。

・楽天 <4755> [終値1574円]株価上昇。ジャスダックから東証1部への市場変更切っ掛け。市場は「攻めの資本政策」評価。
 事業面の戦略と合せ、グローバル成長銘柄への脱皮が進むことに期待高まる。
 株主優待制度導入、クーポン金額換算で約8300円。利回りクーポンだけでも5.3%になる。

・発掘実力企業:大真空 <6962> [終値386円]増収率高い(10)
 米アップルなどスマートフォン(スマホ)の主要メーカーを顧客に持つほか、自動車の電装部品向けの伸びも追い風に。
 2014年3月期前期比16%増収、経常利益は4割増見込む。
 将来成長分野として期待は、超小型音叉型水晶振動子。ウエアラブル端末やスマートカードに搭載。10月から世界最薄の新製品生産開始。
 来年2月から月200万個を量産する計画。ポストスマホへの取り組みが今後のカギに。

・太平洋セメント <5233> [終値414円]住友大阪セメント <5232> [終値396円]の株価、伸び悩む。
 復興需要などセメント需要は引き続き堅調も販売増による業績改善は株価に織り込み済み。
 目下の焦点はセメントの値上げの成否。需要かである総合建設会社(ゼネコン)の業績が厳しく、値上げ浸透するかは不透明。

・ダイキン <6367> [終値6500円]2016年までの中期経営計画発表。
 期間中に売上高で今期予想比24%増2兆2000億円、営業利益で57%増2200億円目指す考え。
 海外販売拡大に加え、好採算のソリューション事業に取り組むことで大幅な増益目指す。

・会社がわかる 特集江崎グリコ <2206> [終値1170円]主力チョコレート菓子「ポッキー」軸に海外戦略進める。
 2020年までにポッキーの世界売上高、現在の3倍10億ドルに引き上げる計画。ポッキーはグリコでほぼ唯一のグローバル商品。
 世界30ヵ国で販売、年間販売数5億個のうち、海外が3億個占める。
 高止まりしている原材料の仕入れ費用は課題に。
 構造改革の成果も出つつある中、売上高を国内外でどこまで拡大して費用増吸収できるかが問われる。

・日経平均株価1万5727円と6年ぶりの水準に上昇。
 「5.23ショック」からほぼ半年、海外投資家の買いが再び盛り上がり、円安材料に一部の輸出関連株の上昇が加速。
 半面株価が半年前の水準に達していない主力株も多い。株高が持続するかどうかは出遅れ組の業績動向にかかる。
 海外投資家による日本株の買越額は年初から累計で約13兆円。過去最高の2005年(10兆円)と比べてもピッチは速い。
 
 11月に年初来高値更新した主な銘柄:パナソニック <6752> [終値1175円]11/8比騰落率18.2%
 KDDI <9433> [終値6430円]17.3% 富士フイルム <4901> [終値2797円]NKSJHD <8630> [終値2839円]15.7%
 オリックス <8591> [終値1865円]14.0% ソフトバンク <9984> [終値8290円]13.9% 村田 <6981> [終値8810円]12.9%

 5/22終値を下回っている主な銘柄:ニコン <7731> [終値1942円]5/22比騰落率▲32.2%
 コマツ <6301> [終値2129円]▲28.4% 日東電工 <6988> [終値5210円]▲26.1% いすゞ <7202> [終値654円]▲25.4%
 日産自 <7201> [終値936円]▲23.0% 旭硝子 <5201> [終値661円]▲19.6% 東ガス <9531> [終値510円]▲18.7% 

・金の国際相場が7月上旬以来の安値で推移。
 米国の株高やドル高背景に売りが先行、市場では「買い材料が見当たらない」と悲観視する声も。
 一方、金相場の下値は限られてるとの見方も多い。ファンド勢がリスク分散目的に金を買う需要は強いと。

・OUT Look:今週の株式相場はもみ合いか。週の前半は米国のクリスマス商戦の動向などが材料視され、上値を試す展開も期待。
 週後半は6日の米雇用統計意識した持ち高調整の売りも出てくる可能性も。
 12/2、米サプライマネージメント協会(ISM)製造業景気感指数、3日に新車販売台数発表予定。米景気回復示す内容なら日本株支援材料。
 需給面では警戒感も。裁定取引ともなう現物株の買い残は買い残高22日時点4兆円超え「5.23急落」の前のピーク(4兆3000億円)に接近。
 来週13日には先物・オプションの特別清算指数(算出日)控え、「先物には仕掛け的な売買が入りやすい」との声も。

・Wall Street:今週の米株式相場は高値圏でもまう展開か。最大の注目材料は雇用関連の指標。
 年末商戦の行方にも関心が高い。米経済の回復を示しながら、量的緩和の早期縮小促すほど強くないという「適温」材料続くかどうか。
 ダウ工業株30種平均は週間ベースで8週連続上昇。高値圏で推移しているため利益確定の売りも出やすい状況。
 米雇用統計非農業部門の雇用者数前月比18万8000人程度増加見通し。
 4日発表の11月AFP全米雇用リポートも材料視されそうと。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派44% (前回比-8)弱気派30%(同-1)中立派26%(同+9)

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち19指数が上昇。

上昇1位台湾週間騰落率3.6%(12年末比騰落率9.2%)2位アルゼンチン3.4%(100.4%)3位インド2.8%(7.0%)8位日本1.8%(50.7%)
 下位25位ロシア▲2.9%(▲8.1%)24位インドネシア▲1.4%(▲1.4%)23位カナダ▲0.6%(7.7%)19位米国0.1%(22.8%)

 2012年度比騰落利率 1位アルゼンチン100.4% 2位日本50.7% 3位ギリシャ31.7% 4位ドイツ23.6% 5位米国22.8% 
 最下位ブラジル▲13.9% 24位ロシア▲8.1% 23位トルコ▲3.1% 22位上海▲2.1% 21位タイ▲1.5% 20位インドネシア▲1.4%

・ランキング:5月22日日覚株価上昇率ランキング 時価総額2000億円以上東証1部上場対象。

 1位ヒューリック <3003> [終値1802円]上昇率79.8% 2位ミネベア <6479> [終値723円]78.5%

 3位セイコーエプソン <6724> [終値2476円]67.0% 新興国向けプリンターけん引。

 4位スタートトゥデイ <3092> [終値2626円]53.1% スマートフォン(スマホ)アプリ「WEAR」寄与期待。

 11位TOTO <5332> [終値1504円]30.7% 国内重説事業好調。年間配当前期実績6円増20円。

 33位キーエンス <6861> [終値41150円]23.6% 2013年4-9月期決算は半期ベースで過去最高益。けん引役は海外事業。 

・紙上座談会:沢上篤人氏(さわかみ投信)キャシー・松井氏(ゴールドマン・サックス証券)
 芳賀沼千里氏(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)辻村裕樹氏(日興アセットマネジメント)
 
 なぜ急ピッチで上昇?
 沢上氏:企業業績の先行きに明るさが増す。年金などの中長期投資主体とする海外投資家の本格的な買い。
 世界経済は一本調子ではないかもしれないが今後も拡大基調たどる。
 
 松井氏:米国株やドイツ株に比べ出遅れ。この遅れをキャッチアップした。イエレン副議長のハト派的姿勢を確認できたことも安心感に。
 緩和縮小で米金利の上昇期待が高まり、対ドルでの円安が進むとの思惑も日本株買いの背景。

 芳賀沼氏:グローバルマクロ系ヘッジファンド中心とした短期筋の売買比率は4、5月より小さい印象。
 その分中長期で買い持つる海外投資家の資金が入る。日経平均株価が1日で1000円超下げるような極端な調整は起きにくく。
 米国株は2009年3月以降約4年半上昇。経験則では上昇相場は長くて5年で調整局面に入る。1割程度の調整であればいつ起きても。

 辻村氏:長期のデフレに陥った理由の一つは政治の不安定さ。
 1992年から20年ほどで日本では15回首相誕生。政治が安定しないから根本的なデフレ対策が打てず。
 米国株価指数は最高値更新も過熱感はない。経済や企業業績のファンダメンタルズからみても現在の株価水準は行き過ぎではない。

 今後の注目材料・相場見通し。

 松井氏:企業が賃上げに動くかどうか。実質所得が伸びれば消費など内需刺激され、経済は活性化する。
 1年後の日経平均は1万7500円、2年後には2万円と予想。

 辻村氏:米量敵緩和の縮小「テーパリング」の開始時期。早ければ2014年1月にも。読み切れないのが世界の個人投資家の動き。
 日本の個人の現預金の動向にも注目。14年度末には日経平均株価は1万8000円上回り、2万円を狙う展開と予想。
 上昇相場は5年以上の長期にわたって続くことも。足元は助走期間に過ぎず。

 沢上氏:長期金利。黒田東彦日銀総裁掲げる2%の物価上昇率が実現すれば長期金利は3〜4%の水準へ。
 銀行や不動産セクターの株価は弱く、一方世界経済の成長に乗ってる企業の業績は金利には左右されず。
 日経平均は14年4月には1万8000円に届く。
 足元の上げは株高の第2ラウンドに過ぎず、日本株はとんでもなく大きな上昇相場に入ったと見る。

 芳賀沼氏:日経平均株価は1万8000円を狙える。
 投資妙味がありそうなのは設備投資絡みの融資の伸びが期待できる金融株や比較的割安な水準にある電機株。(日経ヴェリタス)

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