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扉を開いて(円安と企業の新常識)

2013年1月19日(日)晴れ

・円安と企業の新常識 伸びない輸出、稼ぎ方が変わった。
 安倍晋三政権発足し1年経過、円は足元で1ドル=104円台と1年前より20円以上安い。
 燃料輸入が高水準で推移する一方、輸出伸び悩み、貿易収支は昨年11月まで17ヵ月連続で赤字。
 輸出が伸びない背景は2012年半ばまでの超円高下で加速した国内生産の空洞化、
 電機など輸出けん引してきた産業の競争力低下、企業の価格戦略の変化。

・円安と企業の新常識 目先の値下げより長期成長。
 
 自動車:日本の自動車メーカーは過去の円安局面で、値引きの原資にして輸出数量伸ばそうとしたが足元ではそうした動きは影を潜める。
 値引きは中長期的にブランド価値の毀損につながる。サービス強化や海外投資の原資に。
 トヨタ <7203> [終値6200円]対ドルで円安が1円進むと営業利益は400億円増。
 06年ではこの金額が350億円。円高反転に備え影響額の抑制に動く。

 電機:国内生産からの撤退影響。主力企業では為替変動と業績の関係も様変わり。
 パナソニック <6752> [終値1342円]今期対ドルで1円の円安で営業利益10億円押し上げる。2000年代前半は50億円前後と年々縮小。
 ソニー <6758> [終値1780円]ではもはや対ドルの円安は業績にはマイナスに。対ドルで1円の円安は営業利益30億円下振れへ。

 小売り:円安は仕入れ原価の高騰につながり大きな逆風も、これを追い風にしようとする動きも。
 円安で外国人観光客の訪日加速、家電量販店大手でも恩恵も。
 三越伊勢丹HD <3099> [終値1432円]円安受け、
 日本の伝統的なデザインや技術を生かした独自企画商品「ジャパン・センシーズ」を海外にも輸出へ。

 鉄鋼:円安は輸出採算の改善につながるが、コスト増にもなる。業績への影響は基本的には中立も大局的にみると円安は追い風。
 韓国通貨ウォンは12年末から円より高くなっており、日本勢の活況につながる。

・円安と企業の新常識 この1年で5割も上昇した日経平均株価。世界の主要市場で群を抜く伸びは円安抜きには語れず。
 円安が国内景気にプラス効果もたらすルートは、輸出価格の低下→輸出数量の増加→雇用・賃金の上昇。
 今のところ過去の円安局面に比べ、輸出価格の低下は緩やかで、輸出数量の増加も鈍い。円安による景気押し上げは広がりに欠ける。
 円安でも輸出の伸びが鈍いままでは、経常赤字が常態化する懸念も。市場では2010年代後半に年間で経常赤字に陥るとの見方も。
 
・日本株相場が不安定な動きに。日経平均株価先週、14日489円安、翌15日に386円高と乱高下、週間で177円安で終了。
 株価指数先物に海外短期筋の売りが出たためとも。一方で個人投資家は買い越しに転じ、「需給の構図」には変化の兆し出ている。
 昨年末にかけて日経平均が大幅高となったのは、海外勢などによる先物買いがけん引したため。
 米雇用統計が流れを変え、米量敵緩和の縮小ペースが減速するとの見方浮上。円高基調がぶり返し、積み上がった先物への売り誘発。
 個人投資家の買いが活発で日本株相場は大崩れせず。1月第1週個人の買越額3006億円と約7ヵ月ぶりの大きさ。
 証券優遇税制の終了受けて、昨年末に保有株の多くを売却し、手元に温存していた資金を再び株式市場に還流させていること。
 少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)絡みの買いが幅広い銘柄に入っていることが背景。
 今年は個人投資家の動きが、日本株相場を左右する可能性も。

・株高・円安の勢いが鈍っている。株式・為替相場は今後どう動くか。
 市場関係者に見通し聞いたところ、業績改善への期待から株高の基調は続き、
 日経平均株価は3月末にかけて1万7000円前後まで上昇する余地があるとのも方多かった。
 円相場については1ドル=108円程度まで下落するとの予想目立つ。
 日本の市場関係者間では日本株高の基調は崩れていないとの見方で一致。

・ウォール街の「御意見番」米買収ファンド大手ブラックストーン・グループの有力ストラジスト、バイロン・ウィーン氏
 毎年恒例の「びっくり10大予想」(2014年版)公表。

 1.米国株式は年前半に10%超調整した後、年後半に上昇へ。S&P500種株価指数は年間で20%上昇。
 2.米経済は停滞を脱出。成長率は3%を超え、失業率は6%へ低下。
 3.対円・対ユーロでドル高が進む。円は1ドル=120円に下落。
 4.日経平均は年前半に1万8000円まで上昇。その後、年後半に20%下落。
 5.中国経済の成長率が6%へ減速。
 6.メキシコ、韓国を除く新興国への投資は油断できない状況が続く。
 7.原油価格は上昇(WTIで1バレル110ドル突破)
 8.新興国の需要増を背景に、穀物価格は反発。
 9.米長期金利は4%へ上昇。
 10.オバマ大統領の支持率上昇。米議会下院で民主党が議席伸ばす。

 番外編
 米共和党大統領候補巡り、クリスティー・ニュージャージー州知事ら穏健派の人気低下。
 仮想通貨ビットコインの人気崩壊
 オバマ大統領、キューバとの貿易・外交開始へ向けた議論を開始。
 ヒラリー・クリントン前国務長官が2016年の大統領への不出馬決める。

・発掘実力企業:知られざる世界一(2)ダイセル <4202> [終値844円]
 食物の繊維成分であるセルロースから樹脂原料作る技術で高い競争力を持つ。最近はたばこのフィルター原料が収益源。
 健康志向の高まり背景に新興国でフィルター付きたばこ需要増えている。2014年3月期は連結純利益が210億円と7期ぶりに過去最高を更新。

 ダイセルの技術力の象徴が医薬品開発に使われる「光学異性体分離用カラム」。
 樹脂原料の一種であるセルロース誘導体などを充填した筒状の分析機器。
 世界シェア7割に達している。日本、米国、欧州、中国、インドに販売拠点を持つ。
 
 株価の上昇にはコスト削減と一段の海外進出や新規事業の開拓で利益成長加速が必要に。

・任天堂 <7974> [終値14645円]17日、2014年3月期の連結業績下方修正。
 売上高従来の9200億円予想から5900億円に、営業利益1000億円から350億円の赤字に転落、3期連続の赤字に。
 据え置き型ゲーム機「Wii U」の不振が直接の原因。創造・革新力が低下したのが根本要因との見方も多い。

・ガリバー <7599> [終値751円]株価急騰。10日発表2013年3-11月期連結決算純利益前年同期比90%増37億円。
 通期見通し(11%増33億円)をすでに上回る。
 円安の影響で日本で仕入れた中古車を輸出する業者の需要高まり、中古車オークションの落札単価が上昇。販売台数13%伸び業績けん引。

・会社がわかる 特集大阪ガス <9532> [終値426円]2013年9月に英国で水道事業に参画、
 同10月には化学子会社通じ、スウェーデン化学メーカー買収。安定志向の公益企業の殻を破り、一段の成長目指す。
 収益源の一段の多角化は急務。手をこまねいていては成長はない。次の事業のタネを見出す「目利き力」とリスク管理体制が問われる。

・国内機関投資家の外債投資活発に。2013年下期(7-12月)の外債取得額は100兆円台の大台に乗った。投資信託経由の個人の買いも活発に。
 日本国債と米欧主要国国債の利回り格差は鮮明。10年物の場合、米国債利回りは約2.8%、ドイツ約1.8%、それぞれ日本国債の約4倍、約2倍。
 市場では14年も機関投資家の活発な外債投資が続くとの見方が多い。円相場の押し上げ効果は限定的と。
 最近は為替リスクをヘッジした形で外債を取得する投資家が多いため。
 生保の場合外債投資の5割から7割をヘッジ、大手銀だと実質的に100%近くヘッジする例も。
 国内の超低金利で個人投資家も投信経由で運用資産の外債シフトに動く。
 今後の外債投資、市場関係者が注目するのが年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や日銀の外債購入に関する動向。
 特に120兆円の資金を運用するGPIFは、足元の外債の構成比率が基本ポートフォリオの11%に届かず、
 この水準に近づけるように外債積み増すのではないかとの見方。
 GPIFや日銀が外債購入に踏み切れば、機関投資家の外債投資は一段と活発。
 また1ドル=105円近辺で足踏みしている円が再び下値を探る展開想定され、投資家間でヘッジを外す動き広がる可能性も。
 ヘッジはずしは円売り要因。

・世界の企業株価年間騰落率ランキング 株価指数「MSCIオールカントリー・ワールド」構成約2400銘柄。
 上昇率100社のうち米国企業が39占め、1年前調査(16社)から大幅増。日本企業は17社(昨年4社)で2位、中国は9社(12社)を抜く。
 下落率100社でブラジル14社、南アフリカも12社でさえず。カナダ、インド10社、中国、トルコ7社で資源国・新興国の不振が鮮明。
 米国は2社、日本はゼロ。

 上昇率:1位ガンホー <3765> [終値694円]主な事業ゲーム 騰落率595.9%

 2位テスラ・モーターズ米国 自動車 330.2% 3位マイクロン・テクノロジー米国 半導体 273.4%

 11位日本取引所グループ(JPX)<8697> [終値2725円]証券取引所 175.7% 14位マツダ <7261> [終値558円]自動車 170.1%

 下落率:1位バンギアスペイン 銀行 ▲95.5% 2位ゴールド・フィールズ南ア 鉱業 ▲71.6% 

 3位ハーモニー・ゴールドマイニング南ア 鉱業 ▲70.4% 4位ブエナベントゥラペルー 鉱業 ▲68.4%

・新興株市場快走。17日日経ジャスダック平均が8ヵ月ぶりに昨年来高値更新。 
 東証マザーズ指数も1000の大台回復目前で、さえない日経平均株価とは対照的な展開。
 背景には証券優遇税制の終了を境とした個人マネーの流れの変化。
 少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)のスタートも重なり、今年は日本株の買い手として個人投資家に対する注目が高まりそう。
 2013年に9兆円近い記録的な大幅売り越しとなった個人。1月第1週(6-10日)個人の買越額が約3006億円と昨年5月以来の規模に膨らむ。
 この変化を映しているのが、新興株の強さ。日経平均2週連続で下げる中、ジャスダック平均は年初来5%高、マザーズ指数も3%高。

・OUT Look:今週の株式相場はもみ合いの展開か。全般に材料に乏しいなかで、方向感つかみづらくなりそう。
 日経平均株価は先週末の終値に近い1万5700円前後の水準で一進一退の動き続けるとの見方多い。
 日銀金融政策決定会合(21、22日)では。昨年10月に発表した「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」の中間評価公表。
 金融政策そのものは「ほぼ無風」との見方大勢、株価材料にはなりにくい。
 海外では中国10-12月期国内総生産(GDP)や12月の工業生産発表。
 中国関連の統計が振るわなかった場合、日本株への下押し圧力が強まる恐れも。

 「NT倍率」も注目。同倍率は昨年末12.7倍と14年ぶりの水準へ上昇。日経平均先物への買いばかりが株価上昇けん引する偏った展開示した。
 昨年末の反動もあって先物への売りが出やすく、株価の上値も重くなりやすいことを示す。
 
 東証1部売買代金は活況の目安となる2兆円を17日連続で上回る。市場では「個人投資家などに押し目買い意欲は強い」
 「(好業績銘柄が選別的に物色される)業績相場へと移る健全化の過程」との声も。
 来週から本格化する日本企業の決算発表シーズンに向け、個別株物色の流れが強まる可能性も。

・Wall Street:今週の米株式相場はマイクロソフトなど発表が本格化する米主要企業の2013年10-12月期決算が材料視。
 先週はダウ工業株30種平均週間で0.1%高。S&P500種株価指数は0.2%安と米相場は年明けから方向感の乏しい展開続く。
 予想外の悪化示した米雇用統計が投資家を戸惑わせている。先週の米銀決算も内容まちまちで市場は一喜一憂した。
 今週は3連休明けの21日にIBMやベライゾン・コミュニケーションズばどダウ平均採用銘柄が相次ぎ決算発表。
 最大の注目は23日のマイクロソフト。減益見込まれる決算内容に加え、バルマー最高経営責任者(CEO)の後任選びの進捗状況に関心。
 23日新規失業保険週間申請件数申請(週次)要注目。申請数の減少が継続すれば12月の雇用統計悪化は一時的との評価も。
 28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも、100億ドル規模で量敵緩和縮小決めるという市場多数説に勢い与えそう。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派44% (前回比-8)弱気派20%(同-2)中立派36%(同+10)

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち5指数が下落。全般的に底堅い展開。

上昇1位アルゼンチン週間騰落率6.7%(12年末比騰落率105.3%)2位ベトナム4.8%(31.4%)3位インドネシア3.7%(2.2%)18位米国.1%(25.6%)
下位25位トルコ▲3.4%(▲16.1%)24位ギリシャ▲2.1%(39.7%)23位日本▲1.1%(51.4%)22位ブラジル▲1.0%(▲19.3%)

 2012年度比騰落利率 1位アルゼンチン105.3% 2位日本51.4% 3位ギリシャ39.7% 4位ベトナム31.4% 5位スペイン28.1% 
 最下位ブラジル▲19.3% 24位トルコ▲16.1% 23位上海▲11.6% 22位ロシア▲8.6% 21位タイ▲6.9% 20位韓国▲2.6%

・ランキング:営業利益・純利益が増益見通し、予想PER(株価収益率)が16倍(市場平均に相当)以下、時価総額100億円以上の条件
 25日移動平均線から下方かい離率でランキング。

 1位フロイント産業 <6312> [終値1475円]下方かい離率7.78% 10日発表の13年3-11月期決算が減収減益となり株価下落。

 2位オープンハウス <3288> [終値2198円]7.63% 2013年9月新規上場。3位ノザワ <5237> [終値464円]7.24% 

 4位日本たばこ <2914> [終値3186円]5.59% 海外たばこ事業中心に需要減退による成長鈍化の懸念。

 15位Jフロント <3086> [終値736円]3.10% 消費増税後の成長描けるかどうか。人員の合理化や開発計画の進捗に注目集まる。

 17位昭和シェル <5002> [終値1040円]2.86% 今期減益との見方多く、株価の上値重く。原油高止まり、業績警戒。 

 富士製油 <2607> [終値1558円]1.29% 今期業績見通し未達の不安。(日経ヴェリタス)

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