
扉を開いて(GPIF動く秋)
- 2014年08月10日
- 株式投資・経済ニュース全般
2014年8月10日(日)台風11号の影響 雨
・GPIFが動く秋 国内株買い、インパクトを試算。
7日午後の東京株式市場、日経平均株価が軟調な中、1つのニュースが空気一変。
「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革で、日本株は20%超へ調整」。
コンセンサスは運用資金の20%だった。「超」の一文字先物買い誘発、相場は一気にプラスに転じた。
127兆円もの資産運用するGPIFへの関心はかつてないほど高い。「首相官邸の望む日本株比率は21〜22%」。
市場に出回るリスト。GPIFの新たに運用委託先に選ばれた外資系7社が過去に提出した大量保有報告書まとめた内容、
資生堂 <4911> [終値1938.0円]パナソニック <6752> [終値1203.5円]川重 <7012> [終値371円]トプコン <7732> [終値2183円]
メイテック <9744> [終値3250円]ハニーズ <2792> [終値1017円]アルバック <6728> [終値2007円]といった名前が並ぶ。
GPIFの運用の痕跡を残し、「コバンザメ投資をしようという動き」とも。
注目は9月にも公表となるGPIFの新しい「基本ポートフォリオ」。GPIFの運用資産のうち日本株が占める割合は3月末時点16.5%。
仮に日本株比率20%なら3兆3000億円の買い需要が生じる。
加えて国家公務員共済組合連合や地方公務員共済組合、私学共済の「3共済」の資産運用も15年10月にGPIFと実質的に足並みそろえる公算大きい。
3共済の資産規模は約50兆円で日本株比率は10%前後。3兆円規模の日本株シフトが起きても不思議ではなく。合計6.5兆円規模が日本株に入る計算。
・GPIFが動く秋 国内株買い 公的年金で6.5兆円。
国内株の買い手として注目集める年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)。「早ければ8月にもGPIFは買い始めるのではないか」市場での観測。
「高値つかみを避けるため公表前に買い始める可能性は十分にある」との声も。
昨年1年間の海外投資家による日本株買越額が15兆円、6.5兆〜7兆円はその4割強で、相場への影響は大きい。
外国債や外国株も買い、円安の公算。
・GPIFが動く秋 国内株買い GPIF国内株アクティブ運用の委託先
キャピタル・インターナショナル(米国)3月末の委託額2792億円 今年買い増した主な銘柄 資生堂 <4911> [終値1938.0円]
パナソニック <6752> [終値1203.5円]川崎重工 <7012> [終値371円]カカクコム <2371> [終値1750円]
ハリス・アソシエイツ(米国)1046億円 大和証券 <8601> [終値817.7円]トヨタ自 <7203> [終値5905円]
ホンダ <7267> [終値3410.5円]スギ薬局 <7649> [終値4350円]
イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール拠点英系)1004億円 オンワード <8016> [終値719円]
栗田工 <6370> [終値2284円]レンゴー <3941> [終値446円]シークス <7613> [終値1908円]
タイヨウ・パシフィック・パートナーズ(米国)51億円 ダイセキ <9793> [終値1748円]
J・トラスト <8508> [終値1226円]トプコン <7732> [終値2183円]アルバック <6728> [終値2007円]
JPモルガン・アセット・マネジメント(米系)3033億円
DIAMアセットマネジメント (既存委託先)2790億円
日興アセットマネジメント 1761億円
フィデリテイ投信(米系)1540億円
インベスコ・アセット・マネジメント(英系)1029億円
ラッセル・インプリメンテーション・サービシーズ(米国)308億円
みずほ投信投資顧問 203億円。
・GPIFが動く秋 次に動くか「巨鯨」かんぽ生命
かんぽ生命の運用資産は約65兆円で、日本生命保険(一般勘定で55兆円)大きく上回る。
日本生命は一般勘定の13%弱、7兆円もの国内株式運用。
一方、かんぽ生命は民営化に備えて国内株式の圧縮を進めてきた。資産に占める割合は1%に満たず。
2〜3%への買い増しはありうると。3%になれば2兆円流入。
・世界の株式市場で警戒感が強まっている。
ウクライナや中東情勢の緊迫化が直接のきっかけだが、根底には米国の将来の利上げが視野に入り、投資家のリスク許容度が低下。
過去1ヵ月の動きの動きをみると、ロシアのRTS指数が16%安、ドイツDAX指数も8%近く下落。
米国では今年10月に量的緩和の終了が決まり、来年の半ばから秋にかけて利上げが始まるとの観測が強まっている。
金融政策による「追い風」が着実に弱まり、投資家は積極的にリスクを取りにくくなっている。
日本市場でも前週初から一部欧州系証券が日経平均先物に大規模な売りを出す。買いには動きづらいムード強まる。
・内閣府8/13に2014年4-6月期国内総生産(GDP)発表。
市場予想(28社の予想まとめたQUICKコンセンサス)では物価変動の影響除いた実質で前期比年率7.2%減になる見通し。
前回消費増税時(3.7%減)の1997年4-6月期より大きく落ち込む。増税前の駆け込み需要の反動は想定以上に大きく。
問題は消費の低迷が長引きどうか。反動減は一時的な要因で、購買力低下など他の要因は消費の実力ともいえる。
野村証券、7-9月期GDPが4.1%増と予想。みずほ証券も4.4%増、大和総研7.4%増。
クレディ・スイス証券やJPモルガン証券が見込むGDPの伸び率はともに2.5%増。強気派弱気派で見方分かれる。
・「夢の新素材」カーボンナノチューブ(CNT)の活躍の場が広がっていた。ほかの素材と合成する技術の開発が進んできたため。
東レ <3402> [終値681.7円]体に埋め込んで使う血糖値センサーに欠かせない半導体の開発進む。素材に使うのは単層CNT。
ニッタ <5186> [終値2457円]CNTの軽さと強度に目を付ける。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製造する際、CNT添加し、耐衝撃性能高める。
古河電工 <5801> [終値206円]自動車の電子機器つなぐワイヤーハーネスにCNTを使う。銅製に比べ最大4割軽く。
日本ゼオン <4205> [終値988円]導電性が高く不純物の少ないCNTの量産技術確立。電気を通すゴムなど、新素材の開発が可能に。
・ソフトバンク <9984> [終値6801円]米国戦略に不透明感が出ている。傘下の米携帯電話3位スプリントが同4位TモバイルUSとの買収交渉中断。
・会社がわかる 特集伊藤忠テクノ <4739> [終値4410円]業績好調。
セキュリティー意識の高まり背景に企業のシステム投資回復、2015年3月期連結純利益前期比16%増の165億円と最高値更新する見通し。
「クラウド」「海外」で攻勢強める。案件絞り込み「守り」徹底。課題の利益率改善は十分に進まず。予想PER(株価収益率)は16倍と割安感も。
・日経平均株価先週、744円下落、4月2週(7-11日 1103円)以来の下げ幅記録。
市場関係者に先行き聞いたところ、株価の下落は「一過性」との見方過半占める。市場関係者6人日経平均想定レンジの下限1万4000円台。
支援材料の一つが日本企業の業績。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革への関心も高く。
ウクライナ問題の余波で、欧州企業の業績に悪影響が出始めるなど、海外景気が予想外に下振れる懸念もジワリ強まっている。
当面は海外発のニュースに一喜一憂する展開が続きそう。
・先週の株安受け、市場が予想する株価の変動率(ボラティリティー)が急上昇。
信用取引の評価損益も大幅に悪化したもよう。個人投資家中心に当面は買い意欲の低下が続く可能性がある。
松井証券 <8628> [終値917円]同社顧客が信用取引で買った株式に含み損益示す信用評価損益率は8日時点で
マイナス9.9%と5/28以来の水準に悪化。ミクシィ <2121> [終値4405円]など新興株が大幅安となったのが響く。
・OUT Look:今週の株式相場は下値警戒感が根強い展開か。
ウクライナやイラク情勢が一段と深刻化すれば、日経平均株価は1万4500円程度まで下落しかねないとの声も。
13日発表される日本の4-6月期の国内総生産(GDP)速報値はマイナス成長になる見込み。買い材料は乏しく、先週の下げの反発も限定的と。
お盆休みシーズン入り売買の減少が見込まれることも力強さにかける要因となりそう。
・Wall Street:今週の米株式相場は、欧州や中東における地政学リスク意識した神経質な展開が続きそう。
小売り統計や米小売り大手の5-7月期決算への関心が高い。米景気回復期待させる内容となるかが焦点。
今週もウクライナや中東情勢の悪化を示唆するニュースが出るなどすれば、株安・債券高の流れが続く可能性がある。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派42% (前回比-4)弱気派33%(同+9)中立派25%(同-5)
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち21指数が下落。
上昇1位ベトナム週間騰落率1.9%(13年末比騰落率20.0%)2位タイ1.3%(17.1%)3位上海0.4%(3.7%)4位米国0.4%(▲0.1%)
下位25位ギリシャ▲9.9%(▲9.9%)24位日本▲4.8%(▲9.3%)23位スペイン▲3.9%(1.9%)22位トルコ▲3.5%(16.8%)21位ロシア▲3.5%(▲18.9%
)
2013年末比騰落利率 1位アルゼンチン52.6% 2位ベトナム20.0% 3位インド19.6% 4位インドネシア18.2% 5位タイ17.1%
最下位ロシア▲18.9% 24位ギリシャ▲9.9% 23位日本▲9.3% 22位ドイツ▲5.7% 21位フランス▲3.4% 20位英国▲2.7% 19位米国▲0.1%
(日経ヴェリタス)
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