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扉を開いて(2万円後の視界)

2015年月日(日)くもり

・2万円後の視界。日本株、到達点か通過点か。
 日経平均株価が2万0006円まで上昇、取引時間中として2000年4月17日以来、5471日ぶりに大台回復。
 予想外の早さで達成した水準は、到達点か通過点か。
 先行きの支援材料には事欠かない。
 「外国人」「クジラ」という大きな買い手の存在と、日本企業の「変化」という、投資家を引き付ける主体の存在。

 海外勢のすそ野は着実に広がっている。
 米国株は年内にも控える利上げの影響読み切れず、すでに最高値圏の欧州株は上昇余地限られる。
 行き場を失ったマネーが、日本に流れ込む。「日本株を買ったことがない政府系ファンドや、中東からも接触がある。」

 野村証券 <8604> [終値722.2円]予想では15年度の主要企業の経常利益は前期比16.5%増。
 自己資本利益率(ROE)も「国際標準」といえる2ケタが視野に入る。
 「量的緩和と世界的な運用難、日本企業の変化が資金を惹きつける」との指摘も。 

・2万円後の視界。「上昇の余地」「懸念は米国」
 
 株高はどこまで続くか。「目線はまだ上、今は三合目」「業績に慎重、上値限られる」

 リスク要因は何か。「米経済悪化、日本企業に打撃」「原油反発なら内需株に売り」

 どんな業種に注目。「キャッシュリッチ企業有望」「医薬品や食品は割高に」

・2万円後の視界。上昇相場、原動力は企業。円安効果から脱デフレ期待、次は決算焦点。
 アベノミクス相場が始まってからおよそ2年半を3つの期間に区切ると、
 収益の拡大につながりそうなテーマが変わって「主役」が次々交代し、上昇相場を演出してきたことが分かる。

 上昇相場の始まりは、当時野田佳彦首相が衆院解散宣言した2012年11/14。
 そこから半年ほどの相場けん引したのが輸出株と不動産株。この間に円相場は1ドル=80円程度から同95円前後まで下落。
 マツダ <7261> [終値2330.0円]筆頭に、自動車など輸出株が大幅に上昇。
 いちごHD <2337> [終値327円]ケネディクス <4321> [終値495円]といった不動産株の上昇が目立ったのも特徴。

 上昇相場の第2段階は、日銀 <8301> [終値50000円]の異次元緩和から消費増税までの約1年間。
 海外機関投資家が日本株に目を向けるようになり、好業績・高成長が期待できる銘柄を買う流れが強まった。 
 コロプラ <3668> [終値2610円]収益急拡大、株価も1年で約7倍に。
 最高益更新のミネベア <6479> [終値1028円]株も1年間で3.2倍に。

 昨年4月の消費増税以降は、投資家の関心は内需株にシフトしつつある。
 明治HD <2269> [終値15880円]キューピー <2809> [終値3505円]は値上げのニュースも支援材料に。
 内需株のもう一つのキーワードはインバウンド。
 免税店大手ラオックス <8202> [終値308円]や日本空港ビル <9706> [終値7930円]などの業績押し上げる。

・日経平均株価が初めて2万円に乗せたのが1987年1/30。
 東京株式相場はその後、高い山と深い谷を経験し、ようやく28年前と同じ発射台に立とうとするところ。
 どこまで上昇するかは日本経済や日本企業の変身の度合いにかかっている。
 10日に日経平均が2万円に乗せたのは午前中のほんのわずかな時間だけ。
 投資家がまだ値上り続くのか、もう天井を迎えたのか迷っている様子が刻々の値動きに描き出された。
 ここで検討しなければならないのは①株価の上昇が速すぎないか
 ②日本株のPER(株価収益率)は割高でないのか
 ③株式相場は公的年金などの買いで上げ底になっているだけではないのか
 ④コーポレート・ガバナンス(企業統治)改革は本当に株高につながるのか。

 第一のポイント、上昇ペースは、日経平均の26週移動平均線とのかい離は、
 13年5月のバーナンキ・ショックの直前には30%近くまで達していたが、直近では11%強にとどまっている。

 第二のポイント、のPERの割高感も、15年度の予想利益を基準に計算すれば、特に割高ではない。
 主要国の株式市場の予想PERを過去3年間の平均値(カッコ内の値)比較、
 米国株19.1倍(16.4倍)、英国は14.2倍(11.8倍)、ドイツ株17.5倍(13.1倍)、
 日本株は15年度の予想増益率を15%とすれば、16.4倍(16.1倍)と差が小さい。

 第三のポイント、公的年金による底上げも「他の投資主体がすべて売り越しなら株価上昇は公的年金のおかげだが、
 海外投資家が世界の市場を比較して買いに来ていることも見ても官制相場一辺倒ではない」

 第四のポイント、企業統治改革は中長期の経営計画など巡って企業と機関投資家との対話が進み、
 企業経営が透明になる分、投資家はより多くのリスク取れるようになりそう。

・8日のスイス債券市場で、世界で初めて10年物国債の落札利回りがマイナスになる。
 他の欧州各国でも国債利回りの低下が続く。国債の価格上昇(金利低下)が加速している。
 スイス10年物国債の落札利回りはマイナス0.055%。マイナス金利とは落札時の価格が、満期時の償還額を上回る状態を指す。
 購入すれば運用資金が目減りしてしまうスイスやドイツの国債、
 リスクを30年間とっても2%しか利回り稼げないスペイン国債。
 異例の事態を嫌気した投資家のマネーは株式市場に流れ込む。
 欧州株式市場では9日、主要600社で構成するストックス600が一時過去最高値に達した。
 株高と金利低下のスパイラルは止まらない。

・中国は15日、2015年1-3月期の実質国内総生産(GDP)伸び率発表する。
 日経新聞社と日経QUICKニュースの調査によると、予想平均値はプラス7.0%。
 14年10-12月期実績(7.3%)から一段と減速する見通し。その元凶は不動産投資の急激な減速。

・3月の首都圏の新築マンション発売戸数16日発表。2月は前年同月比2%減、2598戸と2ヵ月連続前年割れ。3月も前年割れ予想。
 一方東京都心部では状況異なり、2月は4割増。
 都心部は株価上昇による資産効果で購入意欲が高まり、相続対策というニーズも。さらに外国人の投資需要が追い風。
 次の注目点は郊外の販売が回復するかどうか。

・発掘実力企業:北米で稼ぐ企業(2)第一化成 <4235> [終値784円]合成皮革、世界が認める匠の技。
 海外売上高は全体の9割に上る。北米での売上高は7割占める隠れた「グローバル企業」。
 年内に2ヵ所目の工場(群馬県)稼働、全体の生産能力はこれまでの2倍に高まる見通し。
 拡大能力生かし切る需要開拓が株価を左右しそう。

・会社がわかる 特集クレハ <4023> [終値511円]リチウムイオン電池向け接着剤で存在感。世界シェアは5割超す。
 技術熟成、車・スマホ分野で花開く。2015年3月期の営業利益は過去最高更新した模様。

・東証2部やジャスダックに上場する時価総額が比較的小さい中小型株に買いが広がっている。
 先週は東証2部株価指数と日経ジャスダック平均株価がともに約9年ぶりの高値更新。
 大型株が多い日経平均株価が約15年ぶりに一時2万円の大台回復、市場参加者の視線は出遅れ感のある中小型株に向かう。
 東証マザーズ指数は低迷続く。成長期待の高さだけではバイオやゲーム株が買いにくく。
 市場心理を敏感に反映する中小型株の動きは、相場全体の先行き占う上でも参考になりそう。

・原油の国際相場は上下に大きく振れる展開続く。
 指標となるWTI (ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油は7日に約2ヵ月ぶりの高値付けたが、
 翌8日には大きく値を下げ、その後一進一退に。原油の需要と生産巡って強弱の見方交錯、相場の方向性定まらず。
 現時点でWTIが40ドル割り込むような展開は予想しにくく、本格的な上昇基調に転じたとも考えにくい。

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は2万円台試す展開か。
 先週末は一時2万円に乗せたが、その後利益確定目的の売りに押された。
 それでも企業業績拡大への期待などから日本株の先高感は根強く、
 下落局面では日銀 <8301> [終値50000円]などの公的主体が買うとの安心感がある。
 今週は米企業決算に注目が向かいそう。ドル高や原油安による業績悪化が懸念されるが、日本株への影響は限定的と。
 不安要素は東証1部の売買代金が伸び悩み。市場の一部では調整局面になれば1000円程度の下落があってもおかしくない。
 国内では13日、2月の機械受注、海外では15日、欧州中央銀行(ECB)理事会や中国の1-3月期国内総生産(GDP)発表。

・Wall Street:今週の米株式相場は上値の重い展開に。
 欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和背景にした欧州株高が引き続き追い風も、
 3月の米小売売上高や主要企業の1-3月期決算の内容次第では不安定な値動きとなる可能性もある。
 ダウ工業株30種平均は先週1週間で294ドル上昇、約半年ぶりに1万8000ドル回復して終了。
 今週の注目材料は、3月の米小売り売上高。3月分は前月比1%と比較的大幅な増加見込まれている。
 主要企業の1-3月期決算発表も本格化。今週はJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス、インテル、J&J、GEなど。

・ランキング:自己資本利益率(ROE)が改善した3月期決算企業。2012年3月期のROEが「赤点」とされやすい5%未満企業対象。

 1位OKI <6703> [終値251円]ROE改善ポイント20.8 予想ROE24.6% プリンター事業の構造改革で業績改善。

 2位セイコーエプソン <6724> [終値2177円]20.7 22.7% 3位ジャムコ <7408> [終値4150円]20.1 20.2%

 5位カシオ <6952> [終値2255円]11.9 13.6% 
 自己資本の膨張抑制。腕時計の採算向上軸に、16年3月期売上高営業利益率15%(前期推定は10%)目指す。

 21位三和HD <5929> [終値902円]6.0 9.9% 業績の急拡大。住宅着工数が伸びている米国が稼ぎ頭に成長。 

 28位南海電気鉄道 <9044> [終値538円]5.1 9.4% 2015年3月期連結純利益7期ぶりの過去最高益。

 47位三菱重工 <7011> [終値656.4円]3.9 5.9% 火力発電プラント好調、米ボーイング向けも伸びる。稼ぐ力見直される。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち24指数が上昇。

上昇1位香港週間騰落率7.9%(14年末比騰落率15.5%)2位ロシア7.4%(26.4%)3位ノルウェー5.8%(13.9%)10位日本

2.4%(14.1%)
下位25位トルコ▲0.4%(▲3.6%)24位台湾0.2%(3.3%)23位ギリシャ0.6%(▲6.1%)22位インドネシア0.6%(5.1%)17位米国

1.7%(1.3%)

 2013年末比騰落利率 1位アルゼンチン36.2% 2位ロシア26.4% 3位ドイツ26.2% 4位上海24.7% 5位フランス22.6%  
 最下位ギリシャ▲6.1% 24位トルコ▲3.6% 23位米国1.3% 22位ベトナム1.5% 5位タイ、台湾3.3% (日経ヴェリタス)

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