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扉を開いて(ぶれない割安株投資)

2015年7月19日(日)晴れのち雨

・ぶれない割安株投資 荒波乗り切る銘柄は。
 ギリシャ債務問題、中国株急落と、海外発の嵐に見舞われた日本株市場。
 だが、中長期の企業価値に比べて今の株価が割安とみる銘柄に投資する個人投資家たちがぶれない。
 目を付けていた銘柄を安値で拾う好機と見た。7月第2週(6-10日)の個人の買越額は5271億円と約1年半ぶりの高水準。
 プロも虎視眈々と機械うかがう。「4-6月期業績見極めて判断」
 注目は受注単価の上昇で利益改善見込める建設株、国内生産回帰の恩恵受ける自動車部品株。

 野村証券 <8604> [終値891.7円]によると日本株の今期予想のPER(株価収益率)は16倍台。
 米国株は約18倍に比べ割高感薄く。
 需給面も支え。日銀 <8301> [終値49200円]の上場投資信託(ETF)買いに加え
 「今年末までに6兆円超とされる公的年金の買い余力が相当残っている」とも。
 ただ、17日に日経平均株価は2万0650円に達し、さらに上値を追うのは難しいとの見方もある。
 
 相場全体の大きな上昇を見込みづらい中では、上昇余地のある割安株を見つけるのが重要になる。

・ぶれない割安株投資 目利きハンター企業価値見抜く。海外勢「日本株は宝の山」

 仏運用会社コムジェスと、リチャード・ケイ氏、東京市場は宝が無数に散在する「豊かな市場」に映る。
 PBR(株価純資産倍率)が解散価値示す1倍を下回る銘柄は全体の4割に上る。
 アナリストのカバーが薄く、企業価値が株価に十分に反映されてない中堅企業の発掘に力を入れる。
 大量保有報告書からは、6月下旬以降、海外投資家が割安株の買い増しに動いている様子が見て取れる。

 海外投資家が6月下旬から買い増した主な割安銘柄
 
 英ベイリー・ギフォード:アドバンテスト <6857> [終値1239円]保有比率6.24%(買い増し前5.1%)PBR1.5倍

 英ダルトン・インベストメンツ:酉島製作所 <6363> [終値931円]6.44(5.18)0.7

 英シュローダー:日神不 <8881> [終値431円]14.27(13.63)0.5 
         ハイレックス <7279> [終値4005円]14.91(13.88)1.0
         ハマキョウレックス <9037> [終値4570円]11.05(9.97)1.2
         JSP <7942> [終値2028円]10.06(8.81)0.9

 米Tロウ・プライス:中国塗料 <4617> [終値973円]5.61(-)0.8
           日本セラミック <6929> [終値1738円]5.01(-)0.9

 米コペルニクス・グローバル:オルガノ <6368> [終値513円]6.07(5.01)0.9

 米FMR:三愛石油 <8097> [終値826円]8.01(6.79)0.7
     ベルパーク <9441> [終値2859円]5.21(-)1.2

 米コンウォール・キャピタル:シンニッタン <6319> [終値607円]7.93(6.67)0.5

 英シルチェスター:丸一鋼管 <5463> [終値3085円]6.22(5.15)1.0

 米プロスペクト:大和自 <9082> [終値515円]11.08(9.94)0.7
         丸八倉庫 <9313> [終値487円]14.6(13.51)0.7

・ぶれない割安株投資 目利きハンター企業価値見抜く。バリュー投資、長期で安定収益。

 アクティブ運用の2つの柱としては割安(バリュー)株のほかに成長(グロース)株投資があり、
 相場の曲面によってどちらが優位になるかは異なる。
 長期投資という観点では、バリュー投資はより小さなリスクで安定した運用収益を上げてきたとの見方が多い。
 低PBR株の割安株を集めたTOPIXバリュー指数と高PBR株の成長株集めたTOPIXグロース指数比較、
 「アベノミクス相場」が始まってからの上昇率はバリューが137%、グロースが123%。
 大和証券吉野貴昌チーフクオンツアナリスト
 「今年の夏以降はPBR(株価純資産倍率)などを手掛かりにした割安株投資が報われる時期になりそう」とにらむ。

・ぶれない割安株投資 バリューハンターに学ぶ銘柄選び。

 エクイティスプレッド(自己資本利益率(ROE)から、株主が企業に求める収益率引き算出)
 株価変動の大きい銘柄は株主にとってリスクが大きい分、期待する収益率もたかくなる。

 ソフトバンク <9984> [終値7071円]エクイティスプレッド23.4% 理論上の株価11247円

 富士重工 <7270> [終値4558.5円]21.7 4782円 ミネベア <6479> [終値1952円]19.4 3927円

 富士通 <6702> [終値666.4円]16.8 1823円 東ソー <4042> [終値660円]16.5 1350円

・ぶれない割安株投資 バリューハンターに学ぶ銘柄選び。

 PEGレシオ(PERが1株利益の平易緊成長率の何倍かを示す)1〜2倍に収まる銘柄が多く、1倍下回れば割安とされる。
 
 TDK <6762> [終値8970円]PEGレシオ0.06倍 1株利益平均成長率275.2% 予想PER16.8倍

 昭和シェル <5002> [終値1098円]0.08 198.7 15.0 東京エレク <8035> [終値7677円]0.13 134.5 17.2

 トプコン <7732> [終値3721円]0.13 178.6 23.1 太陽誘電 <6976> [終値1618円]0.18 84.4 15.4

・ぶれない割安株投資 バリューハンターに学ぶ銘柄選び。

 EV/EBITDA倍率(EBITDAは、営業利益に減価償却費を足し戻した、利払い・税引き・償却前利益。
 本業で稼ぐキャッシュフローに近い数値。企業の真の稼ぐ力示す。
 そして時価総額などから算出する企業価値(EV)をEBITDAで割った数値がEBITDA倍率) 

 TSテック <7313> [終値3195円]EV/EBITDA3.1倍 EV1493億円 EBITD479億円

 カナモト <9678> [終値3010円]3.1 1096億円 349億円 
 ケーヒン <7251> [終値1633円]3.3 1314億円 398億円
 国際石油帝石 <1605> [終値1347.0円]3.3 17868億円 5415億円
 ガンホー <6765> [終値462円]3.5 3323億円 962億円

・ぶれない割安株投資 日本株、公的年金や日銀が買い出動。2万円支える「岩盤の需給」。
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券鮎貝正弘氏
 「四半期の最終月の平均株価下回ると公的年金などの年金勢は買いに動く」と分析。
 4-6月期最終月の6月平均株価は2万0403円、これを下回る局面では今後も「買いが見込める」と。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の日本株保有比率3月末時点で22.0%、
 目標の25%に接近もなお3兆円の買い余力持つ計算。
 運用を一元化する3つの共済年金は最大6兆円超の買い需要有る。

・ギリシャ問題や中国株安に揺れた日経平均株価が急反発。
 先週(13-17日)は3週ぶりに上昇、上昇幅は871円(4.4%)と、
 日銀 <8301> [終値49200円]追加緩和発表した昨年10月第5週(1122円)以来の大きさ。
 市場の関心は、堅調な企業業績や、米利上げがもたらすドル高・円安に戻ってきた。
 6/24に付けた18年半ぶりの高値(2万0868円)も近づいている。
 東証16日発表7月第2週(6-10日)の投資部門別売買動向で個人の買越額1年半ぶりの高水準に達した。
 「個人の買い意欲の強さが分かった」との声も。
 「流動性が支える相場の色彩がさらに強まった」との見方が投資マネーを株式に向かわせている。

・イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長「経済環境は年内のどこかで利上げに最適な状況になる可能性が高い」と自信。
 投資家の間では一度後退した「9月利上げ」説もにわかに高まる。
 国際通貨基金(IMF)から利上げを2016年に先送りするよう再三要請されているイエレン氏だが
 「米連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーの大半は年末までに利上げが可能になると見ている」と強調。

・東芝 <6502> [終値376.8円]市場懸念払しょくへ見えぬ出口。20日報告書公表でも財務への影響分からず。
 経営陣の大幅刷新避けられない見通し。8月末の有価証券報告書提出まで財務への影響の詳細などわからず。

・発掘実力企業:ネット社会を支える(7)VOYAGE GROUP <3688> [終値2400円]会員制ポイントサイト「ECナビ」運営。
 「楽天市場」や「アマゾン」などのサイトで買い物したりすると無料の登録会員にポイント与え、
 一定数貯めれば現金やギフト券に換えられる。広告主のサイト利用促しECナビの広告収入高めるビジネスモデル。
 ECナビに続く収益源がネット広告の効率化支援。
 ネット広告業界では最近、閲覧者の好みに合う広告表示して効果高める動き広がる。
 自主開発した「Fluct(フラクト)」使うと、閲覧者の関心領域分析、適した広告が表示可能に。
 3月末時点6500サイトと契約。
「株価上昇には買収効果を業績でしめすひつようがある」とも。

・会社がわかる 特集テンプHD <2181> [終値4960円]M&A(買収・合併)テコに規模急拡大させている。
 人材不足に伴う派遣需要の増加が追い風となる一方、業界では競争激化などで再編機運が高まる。
 そこで自ら再編の軸となって同業他社を次々取り込み、事業分野や地域を拡大させている。

 業界内ではガリバー的存在のリクルートHD <6098> [終値3830円]に次ぐ2位の位置。
 売り上げ規模はリクルートの3分の1にとどまり、トップの背中は遠く。
 しかし競争が激しい業界にあって、テンプHDはリクルートと並ぶ業界内の「再編の軸」を形造っている。
 買収先として狙うのは「資本系」と呼ばれる大企業が抱え込む人材派遣会社。
 労働者派遣法改正案が成立すれば、テンプHDに様な独立系大手による資本系の買収戦略に追い風になりそう。
 株価は上昇基調、16日は一時5020円まで上昇、上場来高値更新。
 景気回復背景に国内の人材需要拡大、収益成長続くとの期待がある。

・株式相場では、業種間での戻りの差が鮮明になっている。
 小売りなど内需株の上昇が目立つ一方、自動車などの輸出株は軟調。
 2015年4-6月期決算の本格化前に、業績期待での選別の動きが加速。
 海外マネーが日本の契機に業績が連動しやすい銘柄を買っている側面もあるようだ。
 7/17の終値を6/26と比べた業種別日経平均騰落率では、
 主要業種の上昇率上位は鉄道(5.2%)医薬(4.7)小売り(3.7)サービス(3.4)食品(2.0)と内需株。
 一方下落上位は鉄鋼(▲6.6)自動車(▲3.3)電機(▲1.9)と輸出関連が多い。
 中国景気の減速など、海外景気は不透明感強まっている。

 6/26終値比株価騰落率(対象は日経500種平均株価)

 上昇率:クックパッド <2193> [終値2640円]23.7% GMOインターネット <9449> [終値1884円]14.9%
     ソニーファイナンシャル <6729> [終値2427円]14.9% スクエニHD <9684> [終値3185円]14.4%

 下落率:ケーズHD <8282> [終値3620円]▲18.0% JCVケンウッド <6632> [終値294円]▲15.5%
     東ソー <4042> [終値660円]▲14.9% SUMCO <3436> [終値1391円]▲14.9% 

 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが7/2〜9日実施、世界の機関投資家対象にしたアンケートによると、
 今後、保有比率を市場平均より高くしたい株式で、日本株は欧州株に次いで2位。
 現在保有する業種では小売りと資本財・サービスが1位。内需株買いの息は長くなる可能性がある。

・外国為替市場で円安・ドル高が進んでいる。ギリシャ問題や中国株などのリスクが後退。
 平時モードに転じたことで、従来のテーマである米利上げをにらんだドル買いが再開した。
 各国の中央銀行の金融政策の方向性の違いが再び焦点になっておる。
 出口に近づく米英、緩和が続く日欧という方向感の違いを背景に、円は緩やかに下落する道を探し始めた。

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は急ピッチな上昇への警戒感も。
 外的な不透明感が払しょくされつつあるとはいえ、今週は「買い材料に乏しく上値は抑えられそう」との指摘も。
 先週の上げ幅(871円 今年最大)が大きかっただけに「一旦調整する場面も」との予想も。
 ただ2万円を割り込む水準では「押し目を狙う個人投資家は多く、下値不安は小さい」との声は多い。
 今週は日本電産 <6594> [終値9976円]はじめ、主要企業の4-6月期決算発表が本格化。
 好業績銘柄を物色する動きが強まりそう。
 21日米アップルの4-6月期決算発表、減速がしさせれる内容になれば、
 村田製作所 <6981> [終値20475円]日東電工 <6988> [終値10145円]など弱含む恐れも。

・Wall Street:今週の米株式相場は上値を試す展開か。
 ギリシャの債務不安が一服、イランの核協議も合意に達し、市場の関心は企業決算に移るとみられる。
 予想上回る決算が相次げば、ダウ工業株30種平均は5月に付けた最高値(1万8312ドル)を更新する可能性も。
 ナスダック総合株価指数は先週末2日連続最高値更新。
 今週はアップル、マイクロソフトなど主要ハイテク企業の決算発表が相次ぐ。
 一方足かせになりそうなのが、原油先物価格の下落。
 エクソンモービルやシェブロンなど大手石油株に売りが出て指数の重荷となる可能性がある。
 もう一つの波乱材料は、住宅。住宅市場の改善が顕著になって、9月利上げ観測再浮上。
 景気好調が株の買い材料になるか、利上げ観測が売り材料になるかは市場心理次第。
 その意味で今週発表される6月中古住宅販売、新築一戸建て住宅販売への関心高い。

・ランキング:・2015年3-5月期営業利益の通期予想進捗率ランキング

 1位タカキュー <8166> [終値215円]営業利益進捗率212.5% 前年同期営業進捗率338.6%
 夏はセールもあって採算悪化。春物中心の3-5月期進捗率は高くなりやすい。 

 2位レナウン <3606> [終値190円]87.6% 210.5%

 3位あさひ <3333> [終値1447円]82.5% 108.6% 原価上昇の価格転嫁進む。 

 9位ヤマザワ <9993> [終値1744円]45.6% 28.2%

 12位CVSベイ <2687> [終値158円]41.0% 19.1% 

 15位CSP <9740> [終値1548円]39.0% 23.5% 鉄道関連の臨時警備が堅調。

 24位ライフコーポ <8194> [終値3450円]31.3% 21.5% 店舗改装や総菜強化が奏功。 

 26位良品計画 <7453> [終値27210円]29.8% 27.8% 中国の既存店が押し上げ効果。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要24の株価指数のうち21指数が上昇。(ギリシャ休場)

上昇1位アルゼンチン週間騰落率5.9%(14年末比騰落率44.3%)2位フランス4.5%(19.9%)
 3位日本4.4%(18.3%)4位スペイン4.0%(11.7%)
下位)24位ブラジル▲0.5%(4.7%)23位タイ▲0.4%(▲1.2%)22位トルコ▲0.0%(▲3.4%)
 21位ベトナム0.2%(15.2%)14位米国1.8%(1.5%)

 2014年末比騰落利率 1位アルゼンチン44.3% 2位上海22.3% 3位フランス19.9% 4位ドイツ19.0% 
 5位日本8.3% 6位ロシア15.4% 
 最下位インドネシア▲6.8% 24位トルコ▲3.4% 23位台湾▲2.8% 22位タイ▲1.2%
 21位カナダ0.1% 20位米国1.5%

・内閣官房参与として安倍晋三首相に経済政策アドバイスする浜田宏一米エール大名誉教授、
 「企業収益が改善し、雇用者数が100万人以上増加。政策はうまく機能したと言えるでしょう。
 ただ、株高で潤った高所得者や収益改善した企業の影響が、
 低所得者までトリクルダウン(浸透)していないところに問題がある。(2014年4月の)消費税引き上げが響いた。」
 「これから打つべきはアベノミクスの『第4の矢』となる策。財政再建?それは的外れ。 
 低賃金で働いている人と年金受給額が少ない人に恩恵与え、所得配分するのが第4の矢です。」
 米利上げによる円安は「放っておけばよい。」今は追加緩和せず、消費税上げまで温存。

・中国株バブル崩壊。株安は共産党支配を揺さぶりかねないと、中国当局はなりふり構わぬ株価維持に乗り出した。
 人民銀行による株買い支えの資金供給を、「中国版QE(量的緩和)」と呼ぶ声さえある。

 中国株投信へは猛烈な資金流入が起きている。米国勢はリーマン・ショック後の成功体験から「中国版QE」好意的。
 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによれば、
 8日までの1週間で全世界の中国株ファンドに130億ドルと過去最高の資金流入。
 中でも目立つのが、中国国内投資家下購入できないA株の上場投資信託(ETF)。
 株式ファンド全体の流入額は254億ドルに上った。「明らかに当局の資金が買い支えに動いている」との読み。
 もう一声あれば、人民銀による外貨準備使った株式買いオペ。
 総額3.8兆円の外貨準備運用するのは、財政部でなく、中央銀行である人民元である。

 中国株を腐していたヘッジファンドなども、手のひらを返すかもしれない。毒を食らわば皿までも、と。
 90年代の日本の先例、積み上げた過剰債務が経済の足かせとなる事態。
 マッキンゼーによれば、07年には7.4兆ドルだった中国の債務は14年には4倍近い28.2兆ドルに。

 共産党政権は市場に復讐され、株価の維持に汲々としている。
 追い詰められた中国当局は「株式QE」による新たなバブルに活路を求めているのだろうか。(日経ヴェリタス)

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