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扉を開いて

2016年6月12日(日)晴れのち曇り 夜は雨も

・AI投資、人に勝つ日 進化する学び、市場の未来図一変も。
 米ヘッジファンド、ツーシグマ、350億ドル(約3兆7450億円)の資産を40カ国以上の株式やデリバティブなどに
 投資する同社の武器は、1万超える情報源のデータ取り込み分析する人工知能(AI)。
 年初からのヘッジファンド全体の運用がマイナスに沈んでいるとみられる中、
 同社の代表的ファンドの1つは5月末までで7%のプラス。
 金融業界にあってツーシグマは異色。
 従業員の3分の2が開発部隊、オフィスはまるで西海岸のIT(情報技術)ベンチャー。

 米経済誌フォーブスの2015年のヘッジファンド報酬額ランキング、
 上位10人のうち5人がツーシグマ、デビッド・シーゲル共同会長含めIT活用するファンドの創立メンバー。
 AIファンドの市場での存在感は高まっている。

 自ら規則性見い出す「ディープラーニング(深層学習)」使うことで、AIは急速に進化。
 これを投資に生かそうという動きが、世界中に広がっている。
 支えるのは市場にとどまらず、あらゆる分野から集められるビッグデータ。
 ニュースの見出しやネット上の書き込みは、すでにアルゴリズム取引と呼ばれる自動取引で利用されている。
 エルニーニョ現象、漁獲高、出生率といった経済に絡むあらゆるデータが、AIに流れ込み始めた。
 アルゴリズム取引は、1980年代に始まったとされる。
 自動化されたその取引は数十マイクロ秒単位で繰り返すのが高頻度取引(HFT)。
 HFTは東京証券取引所の全取引の6割占め、今や市場の主流。

 人間より目端が利くAIは、人間の優れた運用成績積み上げ、市場の主導権握ることになるのか。

・AAI投資、人に勝つ日 成長続く驚異の頭脳。
 膨大な情報収集、収益機会探り出す。株価予想からマクロ分析まで。
 投資を巡るあらゆる局面で想定されるAIの活用だが、その改良を巡る競い合いも続きそう。
 
・AI投資、人に勝つ日 長期・分散投資、「ロボ」が手助け。
 大手証券など参入、若年層の小口マネー狙う。

・AI投資、人に勝つ日 予測不能な「暴走」、市場警戒。
 問題が発生した際に原因がすぐにわからず、対処ができない点指摘。
 さらに警戒されるのが、AIと結びついた高頻度・高速取引(HFT)が暴走に拍車をかける、負の相乗効果。

・世界の金融市場が警戒モード強めている。
 10日の国内債券市場では10年物国債利回りがマイナス0.155%と過去最低更新。
 独や英国も過去最低、米国の利回り低下も顕著。
 世界経済の低成長や英国の欧州連合(EU)離脱への不安が高まった。
 10日の米市場では日経平均先物が東京市場の日経平均終値比300円強安い1万6290円で清算され、
 週明けの相場は波乱含みとなりそう。
 10日明らかになった英国の最新の世論調査では離脱派が55%と残留派を10ポイント上回り、
 欧州の主要国株は10日に2〜4%の大幅安となった。
 市場には「債券は高すぎる」との声が多い。
 割高でも利回りや安全性を求めてマネーが流入してしまう不安な構図が強まっている。

・13日から17日まで米サンフランシスコで毎年恒例の米アップルの世界開発者会議「WWDC」開催。
 成長が踊り場を迎える中、アップルがどのようなビジョン示すのか注目。

・円高や株安で大企業の景況感の雲行きが怪しくなっている。
 財務相省と内閣府は13日、4-6月期法人企業景気予測調査公表。
 1-3月期の大企業(全産業)の景況判断指数(BSI)は3期ぶりにマイナスに転じた。
 4-6月期は熊本地震による自動車や電子部品などの生産停止に加え、
 三菱自 <7211> [終値550円]などで燃費不正問題が発生。
 今後の景気を占う上で、4-6月期の結果が注目集めている。
 同調査は、資本金1千万円以上の企業約1万6千社対象に四半期ごとに自社の景況聞き、
 前期比「上昇」下との回答割合から「下降」の割合を引き、BSI算出する。 
 今回調査基準日は5/15、6月上旬にかけて調査票回収。
 安倍晋三首相が1日に表明した消費増税再延期は織り込まれない。
 市場関係者間では4-6月期もBSIがマイナスになるとの見方が多い。
 仮に2期連続でマイナスになれば、2012年1-3月期と4-6月期以来4年ぶり。
 懸念はやはり円高の進行。

・日本マクドナルド <2702> [終値2985円]業績底を打ち始めている。
 6日発表した5月既存店売上高は前年同月比21%増と5カ月連続で2ケタ増。
 「クラブハウスバーガー」などヒット商品がけん引。
 「45年の歴史の中で最も厳しい1年」(サラ・カサンバ社長)を乗り切り、マクドナルドの状況は上向き始めた。
 ただ親会社の米マクドナルドは1月、同社の株式売却検討していると表明。
 売却先次第では経営方針がまた変わる可能性も。

・発掘実力企業:ニッチで稼ぐ(17)エボラブルアジア <6191> [終値5650円]
 出張や旅行の際、手軽に航空券を購入できるネット販売サイトの利用者増。
 国内航空券の販売ではトップシェア占める。
 英語や中国語など7言語に対応したサイトも手掛ける。
 ネット旅行会社としては唯一、JALセールスやANAセールスなど大手に加え、格安航空会社と代理店契約結ぶ。
 2015年10月〜16年3月期の売上高営業利益率は16.8%と前年同期比9.4ポイント上昇。
 賃貸アパートの経営支援手掛けるインベスタークラウド <1435> [終値9590円]と5月に提携、
 訪日客向けに民泊などとセットで交通手段手配するサービスの開発に乗り出した。
 機動的にシステム開発できるのは、ベトナム子会社のおかげ。
 約500人のエンジニア抱え、営業利益全体の2割稼ぐ。
 16年9月期売上高、前期比33%増の36億絵b、営業利益54%増の4億8100万円となる見通し。
 同社では「早期に売上高200億円、営業利益50億円の達成目指したい」(吉村社長)。

・楽天 <4755> [終値1127.0円]海外展開で曲がり角。8日、欧州事業再編発表。
 8月末までに英国やスペインなどでインターネット通販のサイト閉鎖、人員削減する予定。
 市場の大きいドイツとフランスに経営資源集中する。
 2月に東南アジアのネット事業から撤退表明、海外事業でさらなる見直し迫られている。

・ピジョン <7956> [終値3450円]業績が好調。
 6日発表2016年2-4月期連結決算、営業利益前年同期比4%増、37億円と2-4月期として過去最高。
 訪日客向けに哺乳瓶やスキンケア商品といったベビー用品の販売が伸び、
 ベビー用品の中でもニッチ分野得意とする同社の強みが表れた格好。
 今後の焦点は中国事業の動向。
 中国は年間出生数が日本の17倍、「中国事業が日本の売上高の3〜5倍になってもおかしくない」。
 
・会社がわかる 特集JXHD <5020> [終値432.0円]
 アジアでガソリン販売や電力事業など、新規事業相次ぎ打ち出す。
 石油や金属の市況悪化し、油田や鉱山の開発から、より消費者に近い中・下流部門に投資振り分ける。
 国内のエネルギー需要が減少する中、2017年4月には東燃ゼネラル <5012> [終値1056円]と経営統合。

・日本企業の株主還元余力に注目する投資家が増える。
 日米の金融政策や英国の欧州連合(EU)離脱巡る国民投票など世界的に不安定要素が多く、
 短期的に株価の値上がり余地は小さい。 
 一方、配当は不安定な相場でも安定収入として期待できるため、投資家にとって最後のよりどころに。
 多くの投資家は日本株に買いづらさを感じている。
 14〜15日に米連邦公開市場委員会(EOMC)、15〜16日に日銀金融政策決定会合控える。
 23日には英国国民投票がある。
 結果を受けて投資家がリスク回避的になれば、為替が円高に進みやすく、日本株は逆風になる。
 相場の膠着感が強まる中、投資家は株主還元に積極的な企業に資金移している。
 重要イベント通過し、投資家のリスク許容度回復しても、高還元銘柄優位の相場展開が続く可能性がある。

・株主還元を増加させる余地が大きい銘柄。
 
 日本電産 <6594> [終値8148円]配当性向今期予想ベース24.2% 会社目標30%
 資生堂 <4911> [終値2819.5円]23.1% 40% ヤマハ <7951> [終値3115円]21.4% 30%
 バンダイナムコHD <7832> [終値2715円]15.1% 30% 東洋製缶 <5901> [終値2171円]11.8% 20%

 MS&AD <8725> [終値2910.0円]総還元性向 今期予想ベース38.5% 会社目標50%
 第一三共 <4568> [終値25.3.5円]73.6% 100% 第一生命 <8750> [終値1295.0円]32.2% 40%
 オリンパス <7733> [終値4350円]14.7% 30% 静岡銀 <8355> [終値774円]24.6% 50%  

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は1万6000円台で方向感欠く展開となりそう。
 今週から来週にかけて米連邦公開市場委員会(FOMC)始め、内外の重要なイベントが集中。
 引き続き様子見ムードで薄商いと予想する声多い。
 日米金融政策や英国の国民投票に加えて市場関係者が気にしているのが、米国の株価水準。
 米国株の予想PER(株価収益率)は約20倍。ドイツや日本など14〜15倍、高値警戒感がくすぶる。

・Wall Street:今週の米株式相場は神経質な展開か。
 今週最大の注目材料は14、15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)。
 市場関係者の大半は利上げの見送り予想も、
 関心が集中しているのが声明文の中で発表されるFOMCメンバーによる経済見通し。
 市場のコンセンサスでは、今のところ年内2回の利上げ見通し維持予想。
 今回の声明文で、年内1回に減るようなら、7月の利上げなしと見込む可能性高い。
 市場関係者の間では、英国民投票の結果見極めるまでは、株式市場での積極的な商い手控えるムードが支配的。

・ランキング:今期増益か黒字転換見込む高利回り株ランキング(利益額50億円以上)

 1位黒田電気 <7517> [終値1802円]配当利回り5.27% 17年3月期予想増益率 42.1% 投資会社が高配当要求 

 2位住友商事 <8053> [終値1049.5円]4.76% 74.4% 中期経営計画で配当目標維持

 3位日産自 <7201> [終値1053.0円]4.55% 0.2% 4位サンデン <6444> [終値338円]4.43% 0.5%

 15位オートバックス <9832> [終値1574円]3.81% 32.7% 配当性向80%台fでも株安 

 27位センコー <9069> [終値632円]3.48% 10.0% 荷動き弱含みで株価軟調

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち8指数が上昇。

上位1位ロシア週間騰落率2.44% 2位韓国1.6% 3位台湾1.49% 4位ベトナム1.28% 7位米国0.33%
下位25位スイス▲2.77% 24位ドイツ▲2.66% 23位フランス▲2.6% 22位ブラジル▲2.37% 12位日本▲0.25%

・つまずいたFRB 市場の目は日銀に。
 5月の米雇用統計が市場予想を大幅に下回り、米連邦準備理事会(FRB)イエレン議長は月内の利上げ見送り示唆。
 利上げ再開が遅れれば円高・株安が進みやすくなる恐れがあり、市場は警戒強めている。
 日銀の追加緩和のカードをいつ切るのか。世界経済のリスクにらみ難しい対応迫られている。

 イエレン議長「用心深くも楽観的」
 6日の講演で「(急減速した)雇用統計には失望した」と述べ、月内利上げを見送る考え示唆。
 7月の利上げに余地残すものの、指標の改善が遅れれば、hき締め再開が大幅に後連れする可能性お。

 5月の雇用統計、市場予想は前月比15万〜16万人で、発表された数字はその4分の1以下。
 噂されているのは推計ミス。これまでも特殊要因で雇用者数が急増・急減することは数多く発生、
 「推計を出すための計算式がうまく機能していない」との指摘も。
 実際、他の雇用関連指標は悪くない。失業率は4.7%と8年半ぶりの低水準。
 時間当たり賃金は前年同月比2.5%増と高水準での増加続く。
 4月の住宅着工件数は前月比6.6%増の11万戸(年率換算)と堅調。
 同月の個人消費支出は前月比1.0%増と6年8カ月ぶりの高い伸び。

 黒田日銀、月内緩和には慎重。ちらつく限界、板挟み。
 日銀は6/15〜16日に金融政策決定会合開く。市場の一部では追加金融緩和への期待がくすぶる。
 ただ肝心の黒田日銀は今のところさらなる金融緩和に慎重な構えを崩していない。
 限られた緩和カードをそうやすやすとは切れないという懐事情も。
 6月か7月か、それとも9月か。
 米利上げ時期と同様に、市場では日銀の追加緩和時期の先読みが盛んだが、
 答えはまだ黒田総裁の頭の中にもないのではないか。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果と為替相場の動きが当面の手掛かりに。

・外国為替市場で円相場の先高観がくすぶる。
 1ドル111円台まで下落した円が、3日発表された5月の米雇用統計受けて利上げ観測が急速に後退。
 今後の相場展開は波乱含み。
 日米の金融政策以上に市場の見通し複雑にしているのが、英国の政治情勢。
 6/23に欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票が行われる。
 イエレン議長も6日講演で「英国の国民投票は経済への影響が極めて大きい」と訴えた。
 英国への投資資金の引き揚げなどで通貨ポンド安が加速する可能性がある。
 それがユーロ安にまで飛び火すれば、世界の金融市場への影響は避けられない。
 もし離脱が決まれば、株式などのリスク性資産売却する「リスクオフ」が世界的に広がり、
 逆に安全資産とされる円に投資マネーが流れ込む可能性がある。

 英国の離脱が決まった場合は、円は短期的に2〜6円上昇も。株価に悪影響与えるのも必至。
 逆に残留決まれば、市場参加者がリスク性資産にマネー投じる「リスクオン」の姿勢に転じ、
 世界的に株式相場が上昇する可能性がある。

(日経ヴェリタス)

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