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扉を開いて(トランプ相場が来た)


2016年11月13日(日)はれ
・トランプ相場が来た。警戒と期待、高まる不確実性。
8日の大統領選受け、乱高下した「トランプ相場」から受けた衝撃は大きかった。
番狂わせの勝利に、民主党のヒラリー・クリントン候補の勝利予期して油断していた市場は驚いた。
開票が進んだ日本時間9日午前10時半(米東部時間8日午後8時半)すぎ、
トランプ氏優位の第一報伝わると、みるみるうちにリスク回避の動きが加速。
わずか3時間で日経平均株価は1000円急落、円相場も1ドル105円前後から、101円台に急騰。

・トランプ相場が来た。警戒と期待、高まる不確実性。
ところが事態は再び一変。「全てのアメリカ人の大統領になる」。
日本時間10日夕(現地時間9日未明)、笑顔のトランプ氏が「異端」封印し、現実主義者の一面見せると、市場関係者は安堵。
「今より底はない」との確信も。
これを契機に、9日の米市場は想定外の動きに転じる。ダウ工業株30種平均は急伸、11日まで連日まで連日で過去最高値更新。
米国10年債利回りは10か月ぶりの2%台に乗せた。
日経平均も10日、前日の下げを一掃、円相場も約3カ月半ぶり安値の106円後半まで下落。
「トランプ相場」に乗った市場では、コンピューターも暴走、
「もう手を出せない。金利も株もドルも上がるのを見守るしかない」(外国銀行為替ディーラー)状況に陥った。
財政出動によるインフラ整備、金融規制の緩和・・・。
トランプ氏が掲げる「強い米国」への期待が、投資マネーを金融や建設関連株に向かわせる。
米金利高で円安・ドル高が進み、日本株も急激に押し上げた。

・トランプ相場が来た。警戒と期待、高まる不確実性。
「保護主義、通貨安競争、世界の低成長。トランプ氏の勝利で流れがより強まった。」
環太平洋経済連携協定(TPP)の撤退掲げるトランプ氏。
自由貿易だけでなく、米主導の安全保障など様々な国際システムが揺さぶられる。
財政も危うい。トランプ氏の政策は今後10年間で5.3兆円(約560兆円)の財政赤字になるとの試算もある。
これを手掛かりに「悪い米金利高」が意識されれば米国売りになる。日本には円高の波が押し寄せる。
すでに混乱の芽は見え始めている。
メキシコのカルステンス中央銀行総裁は9日早朝「必要な措置を取る」と発言、通貨ペソの史上最安値の更新に危機感募らせた。
「米国第一主義」のあおりで経済が打撃を受けかねないブラジルなど南米の通過も一斉に売られた。

・トランプ相場が来た。警戒と期待、高まる不確実性。
米社会の分断も深刻。
「2020年に『Calexit』を!」。英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit)決定に続くように、
カリフォルニア州で米国からの離脱目指すリベラル派がデモを繰り広げる。
社会不安が広がり、市場に影を落とす。
相場はまず「トランポノミクス」のプラス面だけ見て急騰。
1/20の就任式から任期は4年。高まる不確実性を前に、市場の警戒は解けない。

・トランプ相場が来た。大型減税、米国再生への賭け。
市場の焦点はトランプ氏が掲げる政策の実現性。
「偉大な米国」を取り戻せるのか。失敗に終わるのか。
経済チームの人選が試金石となる。

・トランプ相場が来た。大型減税、米国再生への賭け。
トランプ氏は今後10年で米国の実質気自在成長率を最終的に4%に高め、
2500万人に及ぶ雇用を新たに創出する野心的な目標掲げる。
大きな柱は「トランプ減税」。政権発足から100日以内の立法化目指すと。
法人税率を35%から15%に引き下げる。
アップルなどの多国籍企業が高税率を嫌い税率の低い海外に巨額の資金ため込む問題にも手を打つ。
10%の特別税率設け、国内に資金還流促す策。所得税では中間層意識し、大胆な減税策に踏み切る。
インフラ投資10年間で1兆ドル(約106兆円)の投資見込む。
ここでも財政悪化が大きな懸念材料となる。
民間資金を取り込み、米財政に過度な負担をかけないというが、具体的な手法は見えず。

・トランプ相場が来た。大型減税、米国再生への賭け。
財政悪化と並ぶリスクは、通商問題。
就任初日に北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉や環太平洋経済連携協定(TPP)からの脱退を宣言するという。
中国を為替操作国にも指定し、同国などからの輸入品に高関税かける考え。
議会の共和党が歯止め役となり、極端な路線をどう軟着陸させるかが問われる。

・トランプ相場が来た。大型減税、米国再生への賭け。
規制の緩和・撤廃も重点分野。消費者保護や不正防止、環境配慮と両立させつつ、
副作用の強い規制なくしていけば、長い目で見て経済成長の底上げにつながる可能性秘める。
焦点の金融規制では、共和党はオバマ政権が金融危機後の再発防止の柱としてきた
ドッド・フランク法(米金融規制改革法)の廃止うたう。
規制緩和の期待が最近の米金融株上昇の一因。
政治経験のないトランプ氏にとって政策の成否占うカギは経済チームの顔ぶれ。
財源の裏打ちのある経済政策を早期にまとめられる人材を配置する必要がある。
「トランプ大統領」にとって最初の試金石となりそう。

・トランプ相場が来た。トランポノミクスで世界経済どうなる。
世界経済の今後のシナリオ。
短期的には、「トランプ氏の言動に振り回され、金融市場が不安定に」→「米利上げ観測巡り、米金利が乱高下」→
「日本は円高・株安」「原油安・新興国株安」

楽観シナリオ:財政テコに景気拡大、円安も。
「政策:インフラ投資や大幅減税」→「米国経済:国内生産拡大、経済成長」「世界経済:米国需要増が波及し成長加速」→
「金融政策:利上げは緩やか。資源高など背景に新興国の経済成長が加速する」
「為替:金利上昇と資金流入でドル高」「株:世界的に株高に」

悲観シナリオ:保護主義が連鎖、新興国に打撃。
「TPP反対や移民排斥」→「労働力や投資が減少し、成長率低下」「貿易が停滞、成長鈍化。地政学リスクも高まる」→
「米国は急速なインフレ対応で利上げ加速。新王国から資金流出懸念高まる」「米財政不安高まり、ドル安・円高圧力拡大」
「risk回避姿勢強まり世界的株安」

・米大統領選の結果顎堤した9日以降、円相場は一時1ドル107円近辺まで下げ、3カ月半ぶりの安値を付けた。
米長金利は2%の大台回復、10日にはダウ工業株30種平均も3カ月ぶりに過去最高値更新。
11日も続伸、今週のダウ平均は959ドル上昇、週間の上げ幅としては過去最大だった。
トランプ氏はインフラ整備のための財政出動や大規模な減税を掲げており、これが米国の株価と長期金利の上昇誘う。
ダウ平均は5日続伸、週間の上昇率は5%強と約5年ぶりの大きさだった。
一方、円安などを手掛かりに10日の日経平均株価は1092円高と急反発、1万7300円台回復。11日も小幅続伸した。

・内閣府14日、7-9月期国内総生産(GDP)速報値発表。
事前民間調査機関、実質GDP予測平均値は前期比年率0.8%増となり、3期連続のプラス成長見込む。
住宅投資や輸出がけん引、最大の構成要素である個人消費などは力強さ欠いたまま。
海外経済の不透明感も強まる中、先行きは見通しにくくなっている。

・投資テーマを斬る 資源価格回復、恩恵に濃淡。勝者、巻き返しの原動力に。
異変と言えるほど急騰する原料炭に対し、原油や鉄鋼石は一進一退。
原料炭急騰、鉄鋼各社は苦戦。
亜鉛・ニッケル、供給不安で高値。DOWAHD <5714> [終値810円]住友鉱山 <5713> [終値1534.5円]追い風。
鉄鉱石、足元では値上がり。三井物産 <8031> [終値149.5円]下期は慎重。
原油上昇、先行き不透明。元売りや資源開発潤す。

・投資テーマを斬る 資源価格回復、恩恵に濃淡。勝者、巻き返しの原動力に。

主な資源関連銘柄
原料炭:三菱商事 <8058> [終値2462.5円]新日鉄住金 <5401> [終値2286.5円]
亜鉛:三井金属 <5706> [終値240円]DOWAHD <5714> [終値810円]
ニッケル:住友鉱山 <5713> [終値1534.5円]住友商事 <8053> [終値1285.0円]
鉄鉱石:三井物産 <8031> [終値1495.5円]
原油:JXHD <5020> [終値410.0円]国際石油帝石 <1605> [終値970.3円]
銅:三菱マテリアル <5711> [終値3425円]丸紅 <8002> [終値577.8円]

・次期大統領トランプ氏の動向に市場の注目集まっている。
米国民の団結訴えた勝利演説に「大統領らしい振る舞いにぶったまげた」との声も。
選挙公約が実行された場合、どんな銘柄に追い風が吹くのか。
日米の「トランプ銘柄」を探ってみた。

金融分野:金融規制改革法(ドッド・フランク法)の撤廃や緩和主張。銀行大手の収益力回復する期待。
三菱UFJFG <8306> [終値607.9円]11/7と11日の終値比較 株価騰落率 14.8% T&D <8795> [終値1384.0円]12.9%
JPモルガン・チェース 9.7%

医療保険制度改革法(オバマケア)の廃止も公約の一つ。医薬品に対する価格抑制圧力が一巡するとの期待。
医薬大手の株価も上昇。

防衛:日本の防衛支出が拡大する思惑。
三菱重工 <7011> [終値471.0円]10.5% 日立 <6501> [終値564.4円]2.9% ロッキード・マーチン 8.3%

インフラ:公約では今後10年間で1兆ドル(約106兆円)という戦後最大のインフラ投資掲げる。
コマツ <6301> [終値2534.0円]12.1% 日立建機 <6305> [終値2317円]6.3% 三菱マテ <5711> [終値3425円]13.6%
キャタピラー 11.1% バルカン・マテリアルズ 13.3%

メキシコ:メキシコに生産拠点持つ企業の株価は軟調。北米自由貿易協定(NAFTA)からの脱退主張。
マツダ <7261> [終値1532.0円]▲5.2% 東レ <3402> [終値871.2円]▲8.7% フォード・モーター 6.0%

トランプ氏発言:名指しで批判した企業の株価も振るわず。
アマゾン・ドット・コム ▲5.9% メイシーズ 9.5%

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は1万7000円台で値固めの展開か。
次期米大統領・トランプ氏の政策材料とした物色が続きそう。
米株高を背景に投資家のリスク回避姿勢は後退、売り手は少ない。
ただ海外は強気ムード一色ではなく、日本株の上値も重くなりそう。
市場参加者の予想する今週の日経平均のレンジは1万7000~7700円程度。
足元では一巡感、9日開票中に付けた安値から11日取引時間中の高値(1万7621円)まで、上昇幅は1500円、
短期筋からはいったん利益確定売りが出やすい。
株価上昇持続のカギを握るのは米長期金利の動向。上昇続けば為替は円安に進みやすく、日本株には追い風。
アジア市場では、11日ほぼ全面安。フィリピンや雲土ネシア株が下げ目立つ。
米長期金利上昇で新興国通貨は対ドルで大きく下落、警戒感広がる。

・Wall Street:今週の米株式相場は底堅く推移しそう。
先週は米大統領選が終わり、当面の不透明要因が払しょく。
投資家の現金保有比率は依然高く、次期トランプ政権の政策案にらみつつ米国株の物色が続きそう。
先週のダウ工業株30種平均は959ドルだかと記録的な上昇幅。
トランプ次期大統領の政策の恩恵受けるとみられる金融や製薬、インフラ関連などの銘柄が買われた。
投資家は大統領選前にリスク落として現金や米国債の保有比率高めていた。
逃避マネーが株式相場に流れ込む展開は続きそう。
17日にはイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言行う。
12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに踏み切ることを示唆する発言があるか注目。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち16指数が上昇。

上位1位米国週間騰落率5.36% 2位ドイツ3.98% 3位スイス3.78% 4位豪州3.49% 5位イタリア3.03% 6位日本2.78%
下位25位ブラジル▲2.92% 24位メキシコ▲3.68% 23位フィリピン▲3.49% 22位インドネシア▲2.44% 21位インド▲1.67%

(日経ヴェリタス)
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