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扉を開いて(2012.10.21号)

2011年10月21日(日)秋晴れ

・「売り」を究める。株式投資 次に備える。
 
 株式投資は買うだけでは終わらず、売って初めて完結する。
 利益を確定する「利食い」も、損失を限定する「損切り」も収益を安定させて投資を永続させるために不可欠。
 株式市場には売りにまつわる格言の多さはいかに多くの人が売り時の判断を誤ってきたかを物語る。

 「3割の利食いが6回続けば元本は4倍に増える」ピーター・リンチ氏語った。

・ぶれないための事前戦略。厳しい相場環境に勝つための売り方を考える。

 【利食い】早く利益を手にしたい。適切な「売り時」とはいつなのか。
 
 銘柄ごとに適切な売り時は大きく異なる。株価は二は銘柄ごとの癖があり、売り時と密接に関連してくる。
 
 ユニ・チャーム <8113> [終値4430円]は購入時よりも株価が「15%上昇したら」と決めるのが適切と。

 ボラテリティー低い銘柄は「利食いは急げ」セコム <9735> [終値4105円]損益最大化する利益確定基準は「3%上昇」
 試算対象22銘柄でボラティリティー(2年半の平均値)低い11銘柄で最適基準平均は「7%上昇」

 ボラテリティー高い銘柄は「利食い急ぐな」通用。椿本チエイン <6371> [終値419円]利益確定基準は「37%上昇」
 高ボラティリティー分類11銘柄最適基準平均は「32%上昇」

 ボラティリティーはおおむね30%を境に高低の判断。高ければゆっくり、低ければ早めに利食えばいい。

 【空売り】相場下落でも儲けたい。上級者向け、急騰銘柄がねらい目。

 特定のテーマでもてはやされている材料株が狙われやすい。

 【損きり】塩漬け株にしない。人間の心理的弱さを補うルール。

 日経ヴェリタス相場のプロ10人に「損切りのルールが投資には必要」との回答7割。

 岡三オンラインチーフストラテジスト「買い値から5%値下がりしたら例外なく損切り売りを出す」と機械的処理と。
 「テクニカル指標参考に損きりポイント決める手法」例えば株価が移動平均線を下回ったら売却。

 長期投資だと話は変わる。損切りの判断は株価の変動ではなく、企業価値そのものの変化とも。株安局面ではむしろ買い増しも。

 【ヘッジ売り】相続株が急落している。株を手放したくない時の「つなぎ」

 「つなぎ売り」株を保有したまま信用取引を用いて同じ銘柄を売りいれることで値下がりに伴う損失を回避するヘッジ売りの一種。

・「売り」の技術が「買い」を生かす。先人・達人たちの言葉に学ぶ心理。株式投資で「売り」と「買い」は常に表裏一体。

 「利食い千人力」利益確定の重要性説く。
 買った銘柄の含み益が膨らんでも、実際に売りを出し現金化しなければ次の「買い」へつながらず。

 「天井3日、底百日」株価が高値を付ける期間の短さを言い表す。昔から利益は早めにと。

 「見切り千両」早期の損切で含み損が回復不能な水準まで膨らむ事態を未然に防ぐことの価値の大きさを訴える。

 「3割の利食いが6回続けば元本は4倍に増える」ピーター・リンチ氏の言葉。
 「大当たり」期待するより、利益を確実に積み重ねることがむしろ収益拡大の近道と述べる。

 「本当の成長株に投資した際の利益に比べれば(投資に失敗した銘柄を損切も)大した損ではない」フィリップ・フィッシャー氏。

 ウォーレン・バフェット氏「最も良い投資の保有期間は永久だ」という発言。
 「買い」をとことん突き詰めるから「売り」にはさほど神経質にならず。

 「空売りには市場の番人としての機能がある」空売りの帝王ジム・チェイノス氏。
 不祥事を見つけ出し、不当に割高な株価を是正する役割があると主張。

 現在「日本国債売り」公言する米有力ヘッジファンド創業者カイル・バス氏
 「世の中で正しいと思われていることを、そのまま受け入れないこと」

・指数と逆連動する商品は「売り」と同じ効果。
 2012年4月、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)と反対方向に基準価格が動く仕組みで
 「インバース型」と呼ばれる株価指数連動型上場投資信託(ETF)が大阪と東京に上場。

 日経平均インバース <1571> [終値6100円]とTOPIXベア <1569> [終値10740円]
 指数前日比1%下落したときETF基準価格が1%上昇するよう設計されている。
 
・東南アジア株堅調。インドネシア・ジャカルタ総合指数18日年初来高値更新、フィリピン、タイの株価指数高値圏で推移。
 旺盛な内需に支えられた成長期待が株高の背景。半面景気減速懸念くすぶる中国の景況警戒も。
 内需と外需の両輪が回り出すことが一段高の条件と。

・米国26日、国内総生産(GDP)速報値発表。米経済は底割れ懸念は薄らぐも回復力どこまで示せるか焦点。
 GDP比7割占める個人消費の健闘、住宅市場の回復も大きく。上振れしたとしても潜在成長率2%台後半〜3%の水準に及ばず。
 企業部門に息切れ感。IT(情報技術)景気にも懸念募る。
 23〜24日米連邦公開市場委員会(FOMC)は足元の景気持ち直しより、先行きへの懸念を議論する場になりそうと。

・「半期で過去最大の貿易赤字」22日発表の9月貿易統計受けた見出し。
 9月の市場予測平均(5700億円程度の赤字)4〜8月累計2兆7000億円弱、半期で初の3兆円台の赤字確実な情勢。
 「高水準の貿易赤字のニュースきっかけに1ドル=80円も」との声も。

・中国2012年7-9月期国内総生産(GDP)成長率7.4%に。9月の景気指標がおおむね予想を上回る好結果示し、18日上海総合指数3日続伸。
 市場には「中国経済は底入れした」との明るいムード漂うが楽観はまだ早い。
 9月の景気指標は8連休と過去最長の休暇で押し上げられた面も。9月の電力消費量は前年同月比0.1%の減少に転じた。

・オリエンタルランド <4661> [終値10440円]
 株式時価総額1兆円の壁に直面。株価8月の最高値(1万610円 時価総額9637億円)に届かず。
 市場リピーター客の定着と「ポストTDR(第3のテーマパーク)」の成長戦略促す。

・三菱商事 <8058> [終値1430円]19日引け後2013年3月期連結純利益見通し従来予想1700億円低い前期比27%減330億円に下方修正。
 豪州原料炭事業の収益悪化が主因。年間配当50円(前期65円)と従来予想から20円減額。配当利回り19日終値で4.9%から3.5%に。
 三井物産 <8031> [終値1161円]住友商事 <8053> [終値1093円]の4.7%、伊藤忠 <8001> [終値820円]4.9%に見劣り。

・会社がわかる 特集象印マホービン <7965> [終値266円]2011年11月期連結純利益前期に続き過去最高更新する見通し。
 南部鉄器使った圧力IH炊飯器「極め炊きNP-SS10」13万6500円、販売台数当初計画の3倍記録。9月投入後継機好調でフル生産続く。
 炊飯器では国内首位に。22の生活家電で象印7品目でベスト3に入る。調理家電に集中、製品サイクルも2〜3年程度と比較的長く。
 効率的な研究開発・投資。前期まで5年間の平均で年間研究開発費約3億2000万円と。
 新興国向け独自商品も「ボリュームゾーン戦略」取らず、日本と同品質の製品を全世界で販売。ブランド維持優先する戦略。
 円高に強い収益構造、実質的な「為替フリー」実現。
 海外事業焦点、新興国での取り組み評価されれば株価浮上に。利益率向上もカギ握る。

・日本株に対する投資家心理急速に改善。先週(15〜19日)の日経平均株価は12日終値8534円から約470円上昇、19日9000円台回復。
 日銀追加金融緩和への期待の高まりで金融関連株のほか、円安メリットが大きい輸出関連株の買戻しが加速。   

 ソフトバンク <9984> [終値2569円]起点に個人の買いも復活。東証1部売買代金7営業日連続で1兆円超え。
 先行きの見方は分かれる。「個人投資家間では相場上昇への期待が強い」9/19直近高値(9232円)声を目指すとの見方。
 一方、「追加緩和策の内容が期待を下回れば『はしごを外された』形に円高・株安という巻き戻しも起きる」とも。

・外国為替市場で円安が進む。
 世界経済への過度な悲観論が後退するとともに、日銀30日開く政策決定会合で追加金融緩和に踏み切るとの期待高まっている。
 今年2月の「バレンタイン緩和」になぞらえ「ハロウィーン緩和」待ち望む声。期待に応えなければ円高という「イタズラ」待つ。

・OUT Look:今週の株式相場は日経平均株価が週初に下げた後、9000円を挟んでもみ合う展開か。
 先週末の米国株の急落受け、企業業績悪化への警戒感が再び高まる可能性がある。
 為替の円安や日銀の追加緩和期待を背景に投資家の心理は好転しつつあり、下値の余地は限られそう。
 週明けは三菱商事 <8058> [終値1430円]に注目と。19日2013年3月期純利益予想を下方修正。
 先週に決算発表した会社は業績下方修正しても「悪材料出尽くし」と受け止められやすく。
 三菱商事株いったん下げてもすぐに切り返すようなら「相場の足腰は強い」と判断。
 急落するようなら投資家に疑心暗鬼が再燃しかねない。
 22日貿易統計も波乱含み。「1兆円に近い貿易赤字になる」との見方も。
 スペイン10年国債利回り先週5.3%半年ぶりの水準に低下。市場のムード改善。
 今週26日に7〜9月期米国内総生産(GDP)発表。24日10月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値への関心も高い。 

・Wall Street:今週の米株式相場は上値の重い展開か。企業業績や世界景気の先行きに懸念が強まる。
 26日に7〜9月期米国内総生産(GDP)速報値などの指標に目を配りながら経済動向点検する1週間に。
 米国内総生産(GDP)前期比1.9%増。24日9月米新築一戸建て住宅販売、25日には9月の米耐久受注額発表。
 23〜24日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策の現状維持予想する向きが多い。

・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派49%(前回比+5)弱気派19%(同-3)中立派33%(同変わらず)
 企業業績の先行きは不透明感根強いものの日銀追加金融緩和期待や円相場の下落背景に投資家心理改善。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25株価指数のうち22指数が上昇した。
 スペインが近くユーロ圏各国に国債購入の支援要請をすると報じられたことを受け、「リスクオン」のムード。
 週末米ダウ工業株30種平均急落。明るいムードが今週も続くかどうかは微妙。

 上昇:1位ギリシャ週間騰落率5.6%(年初来28.0%)2位日本5.5%(6.5%)3位スペイン3.4%(▲7.6%)4位フランス3.4%(10.9%)
 下位:25位ブラジル▲0.4%(3.8%)24位台湾▲0.4%(4.8%)23位ノルウェー▲0.1%(16.7%)22位インド0.0%(20.9%)

・ランキング:新興株、バイオ・ネット関連の売買代金急増。8月と10月の1日平均売買代金比較、増加順ランキング。

 1位タカラバイオ <4974> [終値750円]売買代金増加率171.5% 株価騰落率(8月末比)89.8%
 山中伸也教授らのノーベル生理学・医学賞の受賞決まり京大研究所にiPS細胞作製に必要なDNA(デオキシリボ核酸)を提供。

 2位コスモ・バイオ <3386> [終値134300円]90.7% 98.6% 3位医学生物研 <4557> [終値274円]54.2% 14.6%

 8位フュートレック <2468> [終値1164円]19.2% 86.2% NTTドコモ <9437> [終値126000円]スマホ音声サービスに技術提供。

 16位ガンホー <3765> [終値380500円]10.0% 59.7% スマホ向けゲーム開発注力。この1年4タイトル5本公開。
 「パズル&ドラゴンズ」好調。アップルストア売上高ランキング今も1位になることも多く。9月からアンドロイド向けにも公開。

 26位豆蔵HD <3756> [終値71000円]3.9% 38.1% 金融機関向けの基幹システム案件が進捗。利益に上振れから売買活発化。

 43位エニグモ <3665> [終値5930円]2.5% 66.5% 
 個人輸入仲介サイト「BUYMA(バイマ)」運営。会員数100万人と1年間で約4割増加。

 株価騰落率100%(2倍)超 5位アドバンスト・メディア <3773> [終値56900円]30.8% 154.9%
 6位エイチーム <3662> [終値3300円]26.8% 148.1% 17位エムアップ <3661> [終値2445円]8.4% 161.5%

・プロが使う一歩先を読む指標。世界経済の先行きに不透明感強まる。エコノミストらに今注目する指標を明らかに。

【リスクオンオフを知る】ユーロ離脱予測や新興国市場に注目。

 三菱UFJ・鈴木敏之シニアマーケットエコノミスト「イントレード」のデータ(http://www.intrade.com)凝視。

 欧州債務危機の深度を測る物差しは、南欧の国債利回り、「VIX指数」など株価予想変動率示す指標、
 クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が定番。
 CDSなら欧州の主要125社対象にしたCDS指数「アイ・トラックス・ヨーロッパ」の保証料率が2%超えるのが1つの目安。

 最近注目度高まったのが欧州主要金融機関25社対象CDS「アイ・トラックス・ヨーロッパ・シニア・ファイナンシャルズ」
 同指数急低下し始めた9月以降米欧の株価反転。

 「アジア新興国における外国人投資家株式売買動向」第一生命・西浜徹主任エコノミスト一押し。
 リスクオンなら新興国が買われ、オフなら売られる傾向があり「投資家のリスク許容度の変化いち早くつかめる」と。
 
 四半期ごとの公表で速報性は欠けるも金融不安が実体経済の悪化に波及するリスク見極めるのに役立つのが
 「ユーロ圏金融機関の貸し出し態度DI」直近データは(http://www.ecb.int/stats/money/surveys/lend/html/index.en.html)

 【米景気を知る】米雇用者所得から消費の先行き予想。

 「全米経済活動指数
 プラスマイナス0.7の範囲が「居心地がいい状態」上振れすると「インフレ警戒」下振れは「景気後退懸念」
 今年8月末マイナス0.87へ急低下。(ダウ13330ドル(8/21)から12977ドル(9/4)2.6%下落)

 雇用統計に含まれる雇用者数、労働時間、時間当たり賃金掛けて「米雇用者所得」計算。
 家計の温まり具合から個人消費の先行き読む。9月の雇用者所得は3ヵ月前比2.6%増。米個人消費は当面底堅いと読む。

 メリルリンチ吉川雅幸チーフエコノミスト米連邦準備理事会(FRB)資金循環統計使い不動産価格の視点から読み解く。
 家計保有の不動産価値2007年以降目減りつづけ、今年増加へ。6月末家計の純資産残高昨年末比4%増。お金に余裕がでると見る。

 BNPパリバ河野龍太郎チーフエコノミスト「ユーロコイン」コインは「一致指数」の意味。
 毎月末にその月の指数発表(http://eurocoin.bancaditalia.it/)速報性優れる。
 ユーロ圏成長率とユーロコイングラフが重なる。「ユーロ圏7-9月もマイナス成長」

 【中国景気を知る】在庫水準・資本収支。韓国の輸出もカギ。

 日本総合研究所関辰一研究員「中国経済を分析する上で最も重要なのは在庫の状況」と指摘。独自に「在庫調整圧力」計算。
 在庫調整圧力8月に2.4ポイントと年初より4.5ポイント下がった。「過剰在庫は解消に向かい、今後生産は回復に転じる」と。

 SMBC日興証券牧野潤一チーフエコノミスト金融面から中国景気の分析試みる。
 資本収支を再び入超に戻すには「現高政策」が手っ取り早い。それが足元の元高・ドル安の実態と。
 資本流入に転じれば国内にお金が流れやすくなり、景気浮揚の呼び水となり可能性がある。

 中国景気をいち早く映す隠れた指標が「韓国の輸出額」
 韓国政府毎月1日朝に前月の速報値発表、国・地域別のデータも1〜20日までの分が出る。
 9月輸出額前年同月比1.8%減も減少幅は大幅に縮小、中国景気最悪期脱したと。 (日経ヴェリタス)

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