
扉を開いて(チャイナリスク)
- 2013年09月01日
- 株式投資・経済ニュース全般
2013年9月1日(日)晴れ時々曇り
・チャイナリスクの虚実。統計だけで見えないひずみ。
不動産ブームは中国全土で再燃。7月新築住宅価格、主要70都市のうち69都市で前年同月比上昇、中国経済下支えする柱に。
英金融大手HSBC8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値前月比ポイント4ヶ月ぶり50上回り、銅や鉄鉱石の市況も反発。
リーマン・ショック後打ち出した4兆元(約64兆円)の景気対策、巨大な設備過剰抱える。円換算で「480兆円の過剰融資」ばらまかれたと。
資金は規制外の「影の銀行(シャドーバンキング)」経由で流れ、金融システムに巣くうリスクの所在は見えにくい。
・チャイナリスクの虚実。不都合な真実 随所に。国内外とも企業決算振るわず。
中国熔盛重工集団2013年1-6月期決算、売上高7割減、経営継続リスク示す「ゴーイングコンサーン」もつく。
中国景気の減速の深刻さを浮き彫りにするような内容。
香港市場決算発表ピーク、目立つのは資源・素材企業の業績悪化。根底には2008年の4兆元の景気対策などで中国経済が過剰な絶び抱えたこと。
・チャイナリスクの虚実。景気減速への警戒感は株式相場からも読み取れる。
CSI業種別株価指数の昨年末日の動き、エネルギー、原料、工業、金融など「景気敏感業種」の下げが鮮明。
「ディフェンシブ業種」の通信や医薬、生活必需品などは上昇。
世界で活躍するグローバル企業も、中国景気の減速に苦しんでいる。
・チャイナリスクの虚実。中国経済の今後担うはずの個人消費にも減速感が漂っている。
「(中国における需要は)過去の水準よりも減っている。」
欧州高級ブランド大手、ケリング・ジャンマルク・デュプレ最高財務責任者(CFO)傘下のブランド「グッチ」への不安隠せず。
4-6月期のアジア売上高4%減。
米マクドナルドも7月、アジア太平洋・中東・アフリカ部門の既存店売上高2%減少。日本だけでなく中国の販売低迷響く。
・チャイナリスクの虚実。中国国家統計局、2013年4-6月実質国内総生産(GDP)伸び率前年同期比7.5%と2四半期連続で鈍化、
12年7-9月以来の水準に沈む。盛来運報道官「適度な成長率の鈍化は、構造改革にとって有利」強調。
中国の各省・自治区など公表した12年のGDP合算すると中央政府がまとめた国全体のGDPを5兆7000億元(約91兆円)も上回る。
電力消費、鉄道貨物輸送、銀行融資のデータ、李克強首相経済測る物差しとして重視(=李克強指数)。
銀行融資は10年半ばまで前年同期比の伸びが40%超も足元では10%強。中国経済の苦境ぶり描き出す。
中国の景気減速は「GDPの数字が示すよりも悪い」とも。
・チャイナリスクの虚実。日本企業の現地事業担当者に聞く「肌感覚」
コマツ <6301> [終値2155円]市原令之中国総代表 2011-12年落ち込んだ建機市場は足元底入れ。油圧ショベル販売6月プラスに転じる。
低水準だった前年との比較では大幅な回復実感はない。地域別に濃淡。南部回復も大型案件少なく、北部は厳しく。
日本精工 <6471> [終値921円]神尾泰宏執行役常務・中国総代表 中国経済は調整局面に入っていると感じる。補修用需要が鈍る。
大和ハウス <1925> [終値1770円]2011年以後新たな開発用地の取得なし。当面現在プロジェクト完売に集中。
ファミリーマート <8028> [終値4135円]小川修史海外事業部マネージャー
高額品の販売に減速感が出ていないようだが、コンビニエンスストアなどの日用消費に関しては今のところ大きな影響は感じず。
2015年2月期は再び店舗の純増数は100以上に増やす計画。
・チャイナリスクの虚実。綱渡り続く金融システム。理財商品が急膨張、銀行への波及迫る。
・チャイナリスクの虚実。国・地域別リスクシナリオへの「耐性」は。
国際通貨基金(IMF)予測、2013年中国名目国内総生産(GDP)は9兆ドル超え、日本(5兆1000億ドル)やドイツ(3兆6000億ドル)引き離す。
中国経済失速した場合、最も影響を受けそうなのが、東アジアと東南アジア(台湾・シンガポール・韓国・マレーシア・タイ)。
「耐性」が高いのは米国。日本の抵抗力は「米国より低いがアジア諸国よりは高い」
中国株との相関性が最も高い株式市場は英国、南米、欧州新興国、中東、アフリカが続く。
意外にも日本株相関性低い。ヘッジ(損失回避)目的で日本株買いが海外投資家などの間でブームになる可能性も。
・シリアへの軍事介入現実味増す中、市場の緊張感も高まる。
外為市場では相対的に安全とされる円に買いが集まり、前週一時1ドル=96円台の円高に進む。
商品市場では原油の供給不安高まって原油先物への買い優勢、
WTI (ウエスト・テキサス・インターミディエート)一時2年4ヵ月ぶりの水準へ上昇。
有事には通常ドルが買われやすいが、今回は米国が当事国となる可能性で「有事の円買い」となる。
・米労働省6日、8月の雇用統計発表。
9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における量的緩和第三弾(QE3)の縮小開始の有無占う最後の最重要の指標に。
注目は前月比の非農業部門の雇用者増加数、市場予測平均(10万人台後半)をどれだけ上回るか。20万人台の乗せれば縮小観測一気に高まる。
「20万人超」や「15万人未満」はともにサプライズ。それぞれ「9月縮小開始」「9月先送り」との観測。
もう一つの波乱要因は失業率。FRBは失業率6.5%を量的緩和縮小・終了の先にあるゼロ金利解除の「目安」としている。
・2020年夏季五輪開催地が7日決定。東京・マドリード、イスタンブールの3都市拮抗。東京開催決まれば「株式市場にとってポジティブ」。
落選すれば建設株など期待先行で買われているため、失望売りも。
主なオリンピック関連銘柄:
ショーボンド <1414> [終値3880円]首都高速道路の老朽化対策など耐震補強工事受注増える。
大成建設 <1801> [終値403円]国立競技場の建設かつて担当。首都圏比率高い。
綜合警備保障 <2331> [終値1775円]会場警備など。三越伊勢丹HD <3099> [終値1278円]訪日外国人増加で売り上げ伸びる。
オリエンタルランド <4661> [終値15850円]観光客増加で集客増える。太平洋セメント <5233> [終値369円]関連施設建設でセメント需要
アシックス <7936> [終値1726円]ミズノ <8022> [終値901円]JOCオフィシャルパートナー
ゼビオ <8281> [終値2216円]スポーツ人口増加。三井不 <8801> [終値3105円]三菱地所 <8802> [終値2560円]不動産開発。
JR東日本 <9020> [終値7540円]旅客増、品川再開発。HIS <9603> [終値4980円]JOC公式旅行代理店。国内旅行や訪日旅行の需要増加。
・ギリシャに第3次支援説急浮上。来夏に資金不足の恐れ 英国を巻き込み議論迷走。
・発掘実力企業:外国人株比率が高い(9)大気社 <1979> [終値2180円]今年創業100周年
空調設備工事と自動車塗装プラント建設が収益の2本柱。外国人持ち株比率3月末で18.8%と半年前から3ポイント強上昇。
株価の昨年末比の上昇率も3割上回る。今後力を入れる東欧やインドでの受注獲得できれば一段の利益成長見込めそう。
・第一三共 <4568> [終値1691円]大塚HD <4578> [終値3045円]など製薬大手9月から年末にかけて、
期待の新薬候補で臨床試験の結果発表などイベント続く。将来見通しを大きく変える試験結果が株価左右することに。
・会社がわかる 特集アシックス <7936> [終値1726円]ランニングシューズで快走
2014年3月期売上高前期比21%増、3150億円。純利益7期ぶりに過去最高更新見通し。海外欧米市場支える。
米西海岸ロスアンゼルス、LAマラソン、参加者2万5000人の半数の足、アシックス製品。売上高日本4%増、米州34%増、欧州30%増見込む。
海外ランナー機能性に人気。アディダス、ナイキの「2強」の背中は遠い。「オニツカタイガー」を主力ブランドに育てるのが課題。
・日本株にのしかかるリスク回避・円高・原油高。重要イベント目白押しの9月に、シリア情勢緊迫化という新たな注目材料加わる。
「シートベルトを締める(慎重姿勢を強める)投資家が増えるのも無理はない」と。
夏枯れ相場で一進一退繰り返していた日本株にも売り圧力が強まったてきた。
波及経路は3つ。第一は売買代金の約6割占める外国人投資家が事態の急変に備えて株式などリスク資産の持ち高を減らしていること。
中でも下げがきつかったのは「銀行」。
2つ目は円高を嫌気した輸出株への売り。業種別では「車」や「機械」の下げにつながる。
3つ目はシリア情勢の緊迫化切っ掛けにした原油価格の上昇も影を落とす。
相場の本格反転はしばらく見込みにくいとも。
・OUT Look:今週の株式相場は弱含みのもみ合いにの展開か。「投資家は運用リスクを取りにくい局面続く」
バリエーション(投資尺度)面からは割安感も出ており、日経平均株価は1万3000円前後で下げ止まる可能性がある。
今週6日、米国雇用統計発表。シリア情勢も投資家のリスク回避姿勢一段と強めそう。
「値ごろ感背景に押し目買いが入り、下値を支える可能性がある」との指摘も。
・Wall Street:今週の米株式相場は神経質な展開予想。
9月の米連邦公開市場委員会(FOMC 17-18日)控え、重要な経済指標の発表が相次ぐ。
2日はレイバーデーの祝日で休場。3日は8月の米サプライマネージメント協会(ISM)製造業景況感指数の発表。
今週のメーンイベントは6日発表8月の米月の雇用統計。非農業部門の雇用者増加数現時点で「10万人後半」に集中。
シリア情勢は不透明要因として浮上。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派23% (前回比-14)弱気派30%(同横ばい)中立派47%(同+14)
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25株式市場のうち7指数上昇。
上昇1位韓国週間騰落率3.0%(12年末比騰落率▲3.5%)2位上海2.0%(▲7.5%)3位台湾1.9%(4.2%)12位米国▲1.3%(13.0%)
下位25位スペイン▲4.6%(1.5%)24位ブラジル▲4.2%(▲18.0%)23位ドイツ▲3.7%(6.4%)22位フランス▲3.3%(8.0%)14位日本▲2.0(28.8%)
・金「10年相場」その次は。春先急落した金相場。それまで上昇続いた10年相場が幕引き迎えた。
6月に約2年11ヵ月ぶりの1トロイオンス1179ドルまで下落。足元では1400ドル台まで回復。4月以降の急落分取り戻す。
幕引きとなった10年相場、だが次の「上昇相場」がすでに始まっているとの声も少なくない。
手掛かりのひとつは金算出に係る最低限の費用、産出コスト。人件費上昇現在の産出コストは1210ドル程度。
二大消費国インドと中国の宝飾品需要4-6月期前年同期比5割以上増加。中国での金の先物取引も計画。(日経ヴェリタス)
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