
扉を開いて(日本株再始動の6月)
- 2014年06月08日
- 株式投資・経済ニュース全般
2013年6月8日(日)曇り時々雨
・日本株再始動の6月 株高・低金利が併存する世界。
野村証券 <8604> [終値689円]年に一度の「インベストメント・フォーラム」、日本株に興味を持つアジアなどの投資家たちが詰めかけ熱気に。
参加登録者は実に約800人。「日本企業を分析し資金振り向けようとする投資家が増えている」と実行役員は話す。
日本株に「再始動」の機運強まっている。年明け以降低迷続いた日本株、かえって魅力が高まった面も。
海外株に比べ、出遅れ感強まり、PER(株価収益率)などで見た割安感も鮮明に。なにより「政策期待」による下支えも大きい。
公共なら株高・債券安、不況なら株安・債券高と逆に動くのが本来の姿も、
株高・債券高と同方向に動くのは世界の主要中銀が強力な金融緩和続け、マネーがじゃぶじゃぶと供給され続けているのと無縁ではない。
・日本株再始動の6月 「出遅れ」相場から反転。
日経平均は先週、1万5000円の大台回復。株価反発に転じた5/22以降の上昇幅はすでに1000円超。
日経平均は直近安値を付けた5/21(1万4042円)時点で、1年前比9%安の水準。
一方、過去最高値圏にある米ダウ工業株30種平均は同7%高、独DAXは同14%高と対照的な動き。
日本株は国際比較で出遅れ鮮明、株価水準が修正されやすい地合いだった。
一方、企業業績には安心感がある。2014年(暦年)に日本企業の1株当たり利益は前年比で17.4%増加見通し。
13年(64.5%増)よりは減速も、米国(8.7%増)や欧州(10.2%増)をなお上回る。年度ベースでも今年度経常増益率は5.7%と。
大型船の投入で運輸効率改善する海運や、国内建築向けの鋼材需要が好調な鉄鋼などがけん引する。
日本株の予想PER(株価収益率)は13.7倍と、米国(16.5倍)、欧州(15.1倍)に比べ魅力的な水準。
アマダ <6113> [終値1010円]が今後2年間の利益をすべて株主に配分する方針発表は日本企業の意識改革を内倍に示すポジティブサプライズ。
日本で徐々に強まってきた配分重視の姿勢象徴する事例となった。
自社株買いについても初めて実施する東レ <3402> [終値658円]いすゞ <7202> [終値636円]7年ぶりの三菱商事 <8058> [終値2050円]など
多くの企業が積極姿勢を示す。自社株買いの取得枠の総額(4月下旬から5月末発表分)は1兆4500億円で前年同期比2倍に達した。
自社株買いの拡大は株式市場の需給改善にもつながる。5月の投資主体別売買動向、自社株買いの動向示す「事業法人」の買越額は1530億円。
信託銀行(6873億円)に次ぐ大きさ。5月相場の下支え役となる。
「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革」「法人減税」「少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)の拡充」の3点セット市場期待。
日本株出遅れには独自の弱みも。「15年10月の10%への消費増税に日本経済は持ちこたえられるか」。
物価上昇ペースに賃上げが追い付かず、「実質賃上げ」になってしまっているのも今後の懸念材料。
・ROE(自己資本利益率)が高い主な企業:首位コロプラ <3668> [終値2761円]ROE60.4%
2位リブセンス <6054> [終値1265円]45.8% 3位JUKI <6440> [終値219円]37.4% 4位ファンコミ <2461> [終値1651円]34.9%
5位enish <3667> [終値1800円]6位APカンパニー <3175> [終値2151円]31.0% 7位サニックス <4651> [終値1529円]28.8%
・配当利回りが高い主な企業:首位ハークスレイ <7561> [終値790円]配当利回り4.17%
2位ジャステック <9717> [終値728円]4.16% 3位共立印 <7838> [終値270円]4.14% 4位システナ <2317> [終値738円]4.07%
5位バイテック <9957> [終値750円]6位富士エレク <9883> [終値1252円]3.98% 7位ネットワン <7518> [終値747円]3.95%
・日本株再始動の6月 米金利低下基調の潮目探る。投機筋の買い戻しは一服、水面下で中国の動きも。
3日、米国債相場が大きく揺れた。10年債は直近2日間の利回りの上昇(価格は下落)が2013年11月以来の大きさ、米兆金利は4日連続で上昇。
追う米長期金利の潮目を読み解くうえでは、「需給」が大きなカギに。
見逃せないのは米商品先物取引委員会(CFTC)がまとめる米国債先物の投機筋による建玉の動向。10年債先物を見ると、昨年8月以降に売り優勢。
11月にはネットでの売り越しが約19万枚にまで膨らむ。米景気回復と緩和縮小の観測が強まった時期とほぼぴったり重なる。
米国債先物4月半ば以降、売り方の撤退が急速に進み、5/30時点でネットの売り越しは約1万9000枚まで縮小。「売り方の買戻し」ひとまず峠越す。
年明け以降、米長期金利の低下とほぼ連動するような形で進んだ中国元の対ドルでの下落。
中国が景気下支えへ元売り・ドル買い介入に動き、手に入れたドル資金を寝かせておくのはもったいないので
一定の利回りが期待できる米国債を買いましたとも。
それに絡んで注目されたのは、ベルギーによる米国債の保有高が急増し、3月時点約3800億ドルと、中国、日本に次ぐ世界第3位の存在に。
外貨準備の規模などで日中に遠く及ばないベルギーが自力で米国債を買いましたとは考えにくい。
「中国が米国債を保管しておく先をベルギーの金融機関に替えた」との解釈が市場では有力。
・日本株再始動の6月 日米金利差拡大なら円売り誘発 企業の経常利益、1円円安で0.7%上積み。
米長期金利上昇は、円相場や日本株に大きな影響与える重要なファクター。
通貨は高金利な方が魅力的だとして買われやすく、米金利が上昇して日本の金利との差が開くと、ドル買い・円売りの動き誘発する。
需給面でも円売りが活発になる素地も。シカゴ通貨先物の投機筋による取引を見ると、円の対ドルでの売越額は昨年末1兆8000億円程度まで膨らむ。
この額がある程度以上の規模になると投資筋はむしろ買戻しに動き、円相場には上昇圧力がかかりやすくなる。
5月末時点では7400億円程度と半分未満の水準。
ヘッジファンドなどは再び「身軽」になっているとはいえ、きっかけあれば円売り仕掛けやすい状況に。
・日本株再始動の6月 あふれる緩和マネー、リスク資産で利回り追求。成長か停滞か 分かれる解釈。
リスク資産へのマネー流入に通底するのは、強力な金融緩和によってもたらされた極度の運用難に他ならない。
株と債券、どちらが間違っているのか、それとも両方とも正しいのか。世界の金融市場の「常識」が変化している可能性もある。
・欧州中央銀行(ECB)5日、異例の金融緩和策打ち出したにもかかわらず、外国為替市場ではユーロ相場が底堅い。
「ECBは手詰まりに陥った」市場では現実味のある金融緩和策が今回でほぼ出尽くしたとの声も一部で出始めた。
ドラギマジック炸裂も短命、投資家の視線は早くもECBの次の一手に移り始めた。
「もう量的金融緩和しかない」との声も実施には課題も多く。
・日銀 <8301> [終値50500円]12、13日金融政策決定会合開く。金融政策は今回も「無風」となる公算が大きい。
市場で根強かった「7月緩和」説も「道筋は順調」と強気な黒田東彦総裁の姿勢を前に、後退迫られている。
「勝負は秋以降」との声が日銀内にも広がる。
・「リクルート上場(10月メド)」で笑う企業 製紙大手からIT(情報技術)関連まで、含み益に注目。
リクルートHD株を保有する主な企業。リクルート株価2万円の時の含み益。
大日印 <7912> [終値1041円]保有株式数320万株 株価2万円時含み益543億円 凸版印 <7911> [終値773円]320万株 557億円
電通 <4324> [終値4170円]300万株 330億円 NTTデータ <9613> [終値3825円]155万株 196億円
フジHD <4676> [終値1630円]300万株 33億円 博報堂DY <2433> [終値942円]60万株 66億円
図書印刷 <7913> [終値460円]90万株 169億円 王子HD <3861> [終値440円]90万株 169億円
野村総研 <4307> [終値3340円]60万株 79億円 大王製紙 <3880> [終値1046円]30万株 31億円
クイック <4318> [終値678円]1万株 1億円
・発掘実力企業:営業最高益企業(1)ソフトクリエイト <3371> [終値820円]電子商取引(EC)市場の拡大を取り込み続けている。
ECサイト構築では800社以上の顧客を持ち、国内シェアトップ。ネット企業の「黒子」として確固たる地位築く。
実店舗とネットを融合、販路多様化するオムニチャネルに対応したマーケティング支援やビッグデータ解析に事業領域広げ、
「eビジネスの総合デベロッパー」目指す。時代に合わせて業態転換果たしてこれたのが成長の原動力となっている。
・会社がわかる 特集ユー・エス・エス <4732> [終値1722円]中古車競争、品ぞろえで独走。業界最大の会員数、4期連続最高益へ。
システム駆使して効率的なセリ実現、高い収益力を維持。同社の競争力の源泉は多くの会員と豊富な出品台数。
10年前比会員は1万5000社超、出品台数は50万台余り増える。出品数でみた市場シェアは約31%と2位トヨタ・オート・オークションの約9%を離す。
売上高営業利益率は5割近くに達する。この10年の平均営業利益率は40.5%になる。
自己資本利益率(ROE)今期予想15.5%と目標(15%)を3期連続で達成できる見通し。14年連続で実質増配。
・先週の米雇用統計発表や欧州中央銀行(ECB)理事会といった注目イベントを経て、今後の円相場はどう推移するのか。
市場関係者に対ドル、対ユーロの向こう1ヵ月間の見通しを聞いたところいずれも小動き予想する声が多い。
市場関係者が注目するのは米長期金利の動向。一時2.4%台まで下がったが、足元では2.6%前後に上昇。ドルに上昇圧力と。
・東京株式市場で日経平均株価は先週までに3週連続で上昇。中でも自社株買い発表した企業の株価が堅調。
株主還元策への積極姿勢が投資家の買い安心感につながっている。株価が一段と上値を追うには投資家に成長シナリオ示すことも重要。
・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は1万5000円台前半で底堅く推移しそう。先週末発表の5月の米雇用統計はほぼ市場予想通り。
消費増税後も国内景気は堅調と見られ、年金など国内機関投資家による買いが今週も続く可能性が高い。
米雇用統計は米国の順調な景気回復を印象づける結果で、日本企業の米国への輸出が増え、業績が上振れるとの連想が株価を下支えそう。
注目の経済指標は9日発表の5月の景気ウォッチャー調査(街角景気)。
今週は日銀が12-13日に金融政策決定会合開くが、市場関係者の間では「追加緩和などサプライスの乏しい内容になるだろう」との見方が多い。
足元では過熱感示す指標も。
先週末6日の東証1部騰落レシオ(25日移動平均)見ると前日比4ポイント高い126.1%まで上昇、2013年7月以来の高い水準。
経験則では120%以上が「天井圏」とされる。
世界的な低金利の下、株価にはまだ割安感が残っているとの見方によって、日本株が選考される余地はまだありそう。
・Wall Street:今週の米株式相場は先週に引き続き、主要株価指数が最高値更新を試す展開か。
6日発表の米雇用統計が良好な内容となるなど米景気の再加速映す指標がこのところ相次ぐ。
一方、翌週(17-18日)には米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えており、利益確定売りのせめぎ合いが予想される。
12日には米小売売上高(5月)、13日消費者態度指数(ミシガン大学調査 6月速報)、いずれも前月調査比改善予想。
アップル株(6日終値 645ドル)の「再デビュー」の行方注目。4月決定した1対7の株式分割、9日から新株が割り当てられる。
100ドルを下回る新しい株価水準での取引で投資家のすそ野改めて広げる狙い。ダウ工業株30種平均への採用目指した株価調整との見方も。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派48% (前回比-4)弱気派30%(同+4)中立派22%(同0)
・ランキング:主な外国株投信の5月の上昇率(4/30と5/30の基準価格比較)
上昇率1〜3位はインド株ファンド並ぶ。
1位イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンド 運用会社イーストスプリング 上昇率18.7%
2位HSBCインド株式ファンド(3ヶ月決算型)HSBC 18.5% 3位HSBCインドオープン HSBC 18.2%
5位ダイワ・ロシア株ファンド 大和 13.5% 8位トルコ株式オープン 損保ジャパン日本興亜 11.2%
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち20指数が上昇。
上昇1位週間騰落率ギリシャ6.7%(13年末比騰落率12.3%)2位ロシア4.9%(▲5.8%)3位インド4.9%(20.0%)5位日本3.0%(▲7.5%)
下位25位香港▲0.6%(▲1.5%)24位オーストラリア▲0.6%(1.7%)23位ベトナム▲0.5%(10.8%)22位上海▲0.5%(▲4.1%)14位米国1.2%(2.1%)
2013年末比騰落利率 1位アルゼンチン46.8% 2位インド20.0% 3位トルコ18.6% 4位インドネシア15.5% 5位フィリピン14.8%
最下位日本▲7.5% 24位ロシア▲5.8% 23位上海▲4.1% 22位香港▲1.5% 21位韓国▲0.8% 20位英国1.6% (日経ヴェリタス)
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