
扉を開いて(目覚める巨象インド)
- 2014年08月24日
- 株式投資・経済ニュース全般
2014年月日(日)曇り
・目覚める巨象インド モディノミクスに世界が食指。
「グジャラートモデル」成長のお手本としてインド西部グジャラート州が世界の注目集める。
州の目覚ましい発展引っ張ってきたのが、5/26インド新首相に就任したナレンドラ・モディ氏。
国政レベルで似たような改革断行すれば、真の大国へとインドはのし上がると期待。
モディ氏の実績、2001年州首相就任から13年の在任期間中に州内4車線以上の道路距離は400KMから1400KM超に延伸。
発電能力2.5倍に拡大。13基分の原子力発電所に相当する能力増。積極的なインフラ開発や外資誘致は同州の年平均で10%超の経済成長へ。
12億人の巨大な人口に、人口の約半数が24歳以下という豊富な労働力を持つインド。
脆弱な政権基盤や硬直的な官僚機構、蔓延する汚職などが成長阻害してきた。
だが改革を錦の御旗に掲げる新政権の発足で空気は変わりつつある。商機の臭いかぎとる外国の政府や企業も動き始めた。
・目覚める巨象インド 「製造業」「内需」真の大国へ。
モディ氏演説「過去」と決別。初代ネール首相の時代から60年以上続く国家計画委員会の解体。熱狂呼ぶ改革策。
株式市場も好感、SENSEX指数は18日、7月以来となる最高値更新。
「大転換」に向けた指針は「脱計画経済」にとどまらず。首相インドを「世界の製造・輸出拠点」にする構想もぶち上げ。
・目覚める巨象インド 「モディノミクス」の主要政策
インフラ整備:高速鉄道網の敷設、空港の近代化。再生可能エネルギーや原子力発電の拡大。
全国に国際標準クラスの100都市を開発。農業関連のインフラ整備。ガンジス川の浄化。
インフレの抑制:買占めや闇取引に対応する特別裁判所の導入。価格安定基金の創設。農産物流通の効率化。
国内経済の回復・雇用創出:外国からの投資呼び込み。税制の簡素化、物品サービス税(GTS)の導入。
財政改革:燃料補助金の削減。公営企業改革。
行政改革:汚職防止のための特別部隊の設置。電子的手続きの積極導入。
・アベノミクスと相似形。
アベノミクスとモディノミクス、「第一の矢」にあたる金融政策こそ日本は「脱デフレ」、インドは「脱インフレ」と異なるが、
「第2の矢」は財政出動をもって経済の底上げを図るとそっくり。
道路や鉄道などのインフラ整備に力入れるモディ首相に対し、安倍晋三首相も国土強靭化計画打ち出し、東京五輪見据えて公共投資進める。
「第3の矢」である成長戦略も外資をうまく使うという意味で根っこは同じ。
技術と資本を必要とするインドと、労働力と市場を求める日本。両国は「これ以上ない理想的な組み合わせ」との声も少なくない。
9/1の日印首脳会議では改革唱えて世界の脚光浴びるリーダー2人が固い握手交わすことで両国の絆がかつてないほど強まる見通し。
・目覚める巨象インド 外資の攻勢 規制緩和で拍車。
2200万人の利用者抱え「インドのアマゾン」と呼ばれるネット通販最大手フリップカートがモディ政権誕生とともに事業拡大にアクセル。
巨大な成長市場見据え、アマゾンほか、米国イーベイが出資する印ステップディールらは事業拡大中。
パナソニック <6752> [終値1235.5円]独自サイト立ち上げネット通販に参入する意向。
日本電産 <6594> [終値6585円]永守重信社長が2023年ごろまでにインド5ヵ所でモーター工場を新設する計画。
エアコンなどの家電や自動車の生産需要が急拡大するとにらんだ判断。
中国携帯電話メーカー「小米」、スウェーデン衣料品大手へネス・アンド・マウリッツ(H&M)、
独流通大手メトロ、独フォルクスワーゲン(VW)など世界の名だたる企業も同様に事業拡大に動いている。
・目覚める巨象インド 州政府、中央の意向通りには動かず。成長モデルの全国展開には壁も。
汚職や不透明な行政手続きなど事業のハードルの高さは世界屈指。親ビジネスを標榜するモディ政権の「有言実行」がこれから問われる。
・目覚める巨象インド 中銀との蜜月 市場が注視。
昨年9月インド準備銀行(中央銀行)の総裁に就任したラジャン氏。「インフレ・ファイター」との呼び名とともに辣腕振るう。
「インフレ根治失くして長期の成長なし」と。
エリート然としたラジャン総裁と、お茶商人からたたき上げで上がり詰めたモディ首相。「今のところ互いの政策を理解しあっている。」。
・目覚める巨象インド 株式市場、急拡大予想の企業業績が支え、
ご祝儀相場後を見据える動き。当面の焦点は保険業への外資の出資規制緩和。
「法案を成立させることが出来るかが、外国投資家をつなぎ留める最初に試金石になる」。
・日経平均株価先週21日まで昨年12月以来の9連騰記録。
ウクライナ情勢巡る地政学リスクの落ち着きに加え、米国の利上げが想定より早くなるとの観測で進んだ円安・ドル高が支援材料に。
市場では「1万5000円を下値のめどに、一段の調整は避けられそう」との見方多い。
「出遅れていた証券、不動産に買いが入り勇気づけられた」との声も。
円相場を材料に輸出関連株が買われただけでなく、内需銘柄にも物色が広がった点は個人投資家の心理好転示すと考えられる。
投資主体別売買動向では年金資金運用する信託銀行の買いが積み上がる。年金資金は下落局面で買いを入れる傾向、需給面で下支え期待。
海外投資の拡大が円安促すとの見方も根強い。
ダウ工業株30種平均が1万7000ドルの大台回復するなど海外の株式市場も押しなべて底堅く。海外投資家のリスク許容度は回復しつつある。
ただイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長講演受けたシカゴ日経平均先物の動きも限定的。
日経平均が昨年末終値1万6291円を視野に一段と上昇するには、消費増税後の反動減からの立ち直りなど、景気回復の明確なサインが必要。
・イエレン議長の建前と本音 ジャクソンホール講演、タカ派を立てつつ雇用に配慮。
22日の講演で、雇用動向見極めながら、利上げの時期とペースを柔軟に判断する意向表明。
利上げに積極的な「タカ派」の顔を立てながら、より慎重な「ハト派」の持論をアピール。
議長講演のハイライト「労働市場の回復や物価の上昇が予想を上回る場合は、利上げが想定よりも近く、急速になる可能性がある」
「米経済が満足できない状態にあれば、金融引き締めはより緩やかになるだろう」
両論併記のようにもみえるが、議長の思いは後者の方に強くにじむ。
・中国の住宅価格が下げ止まらない。国家統計局が18日発表した7月の新築住宅価格は、70都市の前月比平均で3ヵ月連続の下落となった。
下落は北京などの大都市にも波及、下落免れたのは福建省アモイ市など6都市にとどまる。
消費者心理は弱気に転じており、住宅購入制限の緩和も大きな効果を見せていない。下げ止まらぬ住宅価格は成長率の下振れ招くリスクに。
・エボラ出血熱拡大の影響がアフリカ全土に及ぶ。
感染に拡大を封じ込めるために、入国を禁じたり、航空機の運航を取りやめたりする動きなどが起きている。
「最後の投資フロンティア」として注目を集めるアフリカへの期待がしぼみかねない。
世界保健機構(WHO)20日時点調査ではギニア406人、リベリア624人、シエラレオネ392人、ナイジェリア5人死亡確認。
・任天堂 <7974> [終値11615円]「スマートフォン(スマホ)に有料ゲームは投入しない」との考え崩さず。背景には3つの壁。
最大の理由が、スマホで任天堂のゲームが遊べるようになれば売上高の半分を超えるゲーム機の販売が大打撃受けるため。
スマホの課金ノウハウがないのもネック。
技術的な問題もある。スマホの操作に合わせるには開発に手間がかかる。
病気療養中の岩田社長は「順調に回復している」と。
・発掘実力企業:営業最高益企業(10)リンクアンドモチベーション <2170> [終値158円]人材投資活発化の波に乗る。
M&A(買収・合併)も奏功、2014年12月期の連結営業利益は前期比36%増の21億円と2期連続で最高益更新しそう。
同社の今期のけん引役は4月に買収した外国語講師派遣のインタラック。
インタラックは小中学校の英語授業の教員を補助する「外国語指導助手」派遣では知る人ぞ知る民間最大手。登録者数は2600人に達する。
今後は急速にニーズが高まっている大企業の外国語研修向けにも、これらの人材を振り向ける方針。
主力の企業向け人事コンサル事業もアベノミクスの恩恵を受けている。
業績回復による大企業が採用活動活発化、同社が得意とする採用活動支援、人事制度構築などのコンサル業務のニーズは急速に高まる。
個人対象の教育事業も育つ。11年にパソコン教室のアビバ、資格教育の大栄教育システムなど買収。売上高は4年で3倍に膨らんだ。
今後は2本柱に育った企業向けと個人向け事業の架け橋となるようなビジネスの創出目指す。
・建設株の株式市場での人気改めて高まっている。「業績回復による買いとテーマ買い」。テーマは鉄道とトンネル工事。
業績も総じて回復しているうえ、2020年の東京五輪開催という大きなテーマもあり、大手から中堅まで幅広く物色されている。
・農業専業メーカーの業績が好調。大手8社中5社が、2014年度に上場後の営業最高益更新する見通し。
農薬市場が急拡大する海外で、積極的に顧客網広げているのが理由。各国で異なる認可制度への対応などが今後の課題。
日本農薬 <4997> [終値1081円]クミアイ化 <4996> [終値668円]イハラケミカル <4989> [終値964円]
エス・ディー・エスバイオテック <4952> [終値821円]アグロカネショウ <4955> [終値827円]の14年度の営業利益の合計175億円と
前期比27%増加する見通し。業績の進捗率も総じて高い。
各社の海外事業には2つのリスク。1つは近年の異常気象。害虫や雑草の生息域が急速に変わると、製品開発や販売量の計画立てにくく。
2つ目は各国で異なる認可制度。新興国では、予想外の経費がかかってしまうことがあるという。
・会社がわかる 特集ピジョン <7956> [終値6270円]海外展開加速。5期連続最高益へ。育児用品、中東・アフリカまで展開。
成長のために取り組んでいるのが高齢化社会に向けたヘルスケア・介護事業。
2014年1月期で横ばいの67億円で、中期計画の目標(80億円)に未達。山下社長事業継続にこだわり見せる。
打開策つぃて、機能性高めた新商品の投入で自社製品の認知度高める。海外展開と国内テコ入れで成長目指す。
・海外株に比べて日本株の堅調さ目立つ。日経平均株価は8日から21日まで9日続伸、上昇率は5%超。
米国の利上げが想定より早まるとの観測で円売り・ドル買いが進むと、輸出関連株を中心に日本株は買われやすい。
米利上げが資金流出の見方につながる新興国とは対照的。
需給面では国内で年金資金のような公的マネ―やかんぽ生命とみられる買いが相場下支えしている。
世界に突出した上昇率、昨年12月以来の9連騰。それでも買いの勢いが乏しいのは海外投資家が相場の上昇に乗っていない点にある。
9月は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革が固まりそうで、
公的マネーが外債や外国株に向かえば、円売りが出て、日本株の支援材料になるとの思惑を呼びやすい。
・外国為替市場で円安・ドル高が進む。
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演内容が伝わった22日には104円20銭と、1/23以来7ヵ月ぶりの水準まで円安・ドル高が進んだ。
レンジ相場を抜け出すきっかけは20日発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨。
利上げ時期が早まる可能性を示す記述が市場の不意を衝く。
注目のイベントのイエレン議長の講演が終わり、市場の関心は雇用統計や9月開催のFOMCに移る。
・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は1万5500円挟んで、もみ合いの展開か。
週明けは「材料で出尽くしとの見方で利益確定売りに押される」との観測も。
テクニカル面では過熱感に乏しいため、週後半には戻り見せる展開もありそう。
外国為替市場の円相場の動きも一服とも。
騰落レシオ(25日移動)22日時点で107%。「買われすぎ」示す120%を下回る。
日経平均構成銘柄の予想PER(株価収益率)も15倍前後で、過去と比べ平均的な水準。
市場の注目するイベントは26日、ロシア・プーチン大統領とウクライナ・ポロシェンコ大統領、欧州連合(EU)の高官との会談。
29日発表の7月の日本の鉱工業生産指数に注目。市場予想は前月比1%前後の上昇。
・Wall Street:今週の米株式相場は高値圏でもみ合う展開か。ダウ工業株30種平均は1万7000ドル付近で推移しそう。
米経済統計で米景気の回復を確認する流れが続く一方で、ウクライナ情勢巡る地政学リスクに注意を払う展開続きそう。
主要指標の公表相次ぐ。7月の新築住宅販売件数や耐久財受注、米個人消費支出(PCE)などに注目集まる。
28日には4-6月期米国内総生産(GDP)改定値発表。速報値は年率換算で前期比4%増。改定値はやや下方修正となる可能性高い。
イエレン議長の講演は株式市場にとってはほぼ無風。相場の上値は重そうだ。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派43% (前回比+1)弱気派36%(同+7)中立派21%(同-8)
・ランキング:配当余力の大きい銘柄ランキング 「第2のアマダ」になりそうな配当余力のある企業はどこか。
1位キーエンス <6861> [終値44775円]予想配当性向 4.1% 工場向け生産機器開発、販売。高い収益性を維持。
2位日本無線 <6751> [終値388円]6.0% 東京製鉄 <5423> [終値624円]7.3% タクマ <6013> [終値629円]7.8%
7位パイロットコーポ <7846> [終値5400円]10.0% 「フリクション」シリーズ好調。記念配下期も実施。
10位スズキ <7269> [終値3423.0円]11.7% 研究開発・設備投資に資金。
17位エス・エム・エス <2175> [終値2726円]介護・医療の人材紹介、配当額、配当性向は毎年着実に増やしている。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち23指数が上昇。
上昇1位アルゼンチン週間騰落率5.8%(13年末比騰落率70.1%)2位ギリシャ3.8%(▲0.5%)3位トルコ2.9%(16.4%)10位米国2.0%(2.6%)
下位25位韓国▲0.3%(%2.3)24位南アフリカ▲0.3%(10.8%)23位香港0.6%(7.7%)22位上海0.6%(5.9%)16位日本1.4%(▲4.6%)
2013年末比騰落利率 1位アルゼンチン70.1% 2位インド24.8% 3位ベトナム22.9% 4位インドネシア21.6% 5位フィリピン21.1%
最下位ロシア▲12.7% 24位日本▲4.6% 23位英国0.4% 22位フランス▲1.0% 21位韓国2.3% 20位米国2.6%
・円安・株高の持続力は。年内の株・為替・金利 プロの見方聞く・
株式:野村証券チーフ・ストラテジスト 田村浩道氏 日経平均の想定レンジ1万5000〜1万8000円。
日経平均株価は12月に1万8000円試す。業績拡大への期待が支え。
自動車関連有望。日銀の追加緩和期待まで高まるようなら、出遅れ気味の不動産にも投資妙味も。
大和証券チーフストラテジスト 成瀬順也氏 日経平均の想定レンジ1万5500〜1万7500円。
年末にかけてボラティリティー(変動率)高めながら1万7500円に向けて上昇。
個別銘柄が物色される業績相場になる。為替は円安方向に触れるとみる。自動車や電機では個別銘柄の勝ち負けはっきりしてくる。
内需関連では建設関連注目。
JPモルガン・アセット・マネジメント投資調査部長 佐々木健太郎氏 日経平均の想定レンジ1万5000〜1万7000円。
日本株は今後見直され予想PER(株価収益率)16倍程度まで買われると見る。株価は来夏にかけて25%程度上昇してもおかしくない。
今は「第2のアマダ」発掘へ。年末の消費増税巡る判断に向け、財政出動も積極的になるとみる。
ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表取締役 菊池真氏 日経平均の想定レンジ1万〜1万5500円。
外国人がしびれを切らす時期がいずれやってくる。調整が早い段階で始まれば、日経平均株価は1万円割り込むこともあり得る。
国内は7-9月期に消費増税の反動減が一服との見方多いが物価上昇が賃上げに追いつかず、所得は実質的に減少。
個人消費に勢いが出ない状況は続く。
当面は日用品や飲料など、ディフェンシブ銘柄でも国際競争力のある企業に資金移すことが選択肢になる。
為替:シティグループ証券チーフFXストラテジスト 高島修氏 ドル円・ユーロ円相場想定レンジ1ドル102.5〜107.5円 1ユーロ135〜140円
円相場は基調としては下落。11月ごろに1ドル=107円程度まで円安進む。今後は米経済の回復背景にしたドル高がテーマ。
みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌大輔氏 想定レンジ1ドル=100〜108円 1ユーロ=134〜143円
米国量的金融緩和の出口が見える10月近辺で、円安・ドル高進む。110円以上の円安は難しく、108円近辺か。
クレディ・アグリコル銀行 外国為替部エグゼクティブディレクター斉藤裕司氏 想定レンジ1ドル=102〜108円 1ユーロ=135〜143円
年末に向け円安・ドル高加速に。9月末には1ドル=105円、12月末には108円まで円安進むとみる。
ユーロ円は9月末に1ユーロ=140円台まで進んだ後、横ばい続く。今後2〜3年は円安傾向。
金利:SMBC日興証券チーフ金利ストラテジスト 森田長太郎氏 長期金利の想定レンジ 0.5〜0.6% 0.5%軸に推移。
DIAMアセットマネジメント上席ファンドマネージャー 山崎信人氏 長期金利の想定レンジ 0.4〜0.7% 年末にかけて上昇圧力。
(日経ヴェリタス)
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