
扉を開いて(企業収益 挑む最高益)
- 2015年05月17日
- 株式投資・経済ニュース全般
2015年5月17日(日)はれ
・企業収益、挑む最高峰。追い風やみ、問われる実力。
決算発表本格化した4月末から5月初旬にかけ、2万円割れでもたつく日経平均株価に冷や水浴びせた2銘柄。
ホンダ <7267> [終値4178.0円]と富士通 <6702> [終値680.3円]。
保守的な会社予想、外需に不透明感漂う点。追い風がやむ今期こそ、身に着けてきた実力が問われる。
UBC証券の予想では、今期の日本企業の純利益は15%増と米国の4%を大幅に上回る。
・企業収益、挑む最高峰。点検、上振れ余力。
ポイント1:会社の業績予想のくせを探る。「慎重組」は上方修正の常連。
会社予想「慎重組」過去10期の経常益実績が期初予想に比べ3割超上振れした回数。
富士重工 <7270> [終値4373.5円]7回 今期経常益 会社予想4950億円 アナリスト予想平均5125億円 かい離率3.5%
大和ハウス <1925> [終値2760.5円]5回 1920 1951 1.6% イビデン <4062> [終値2312円]255 273 6.9%
H2Oリテイ <8242> [終値2187円]5回 226 262 15.7% スクリーン <7735> [終値891円]5回 185 223 20.5%
会社予想「楽観組」過去10期の経常益実績が期初予想に比べ3割超下振れした回数。
セガサミー <6460> [終値1736円]6回 今期経常益 会社予想250億円 アナリスト予想平均258億円 かい離率3.0%
板ガラス <5202> [終値118円]6回 80 60 ▲24.8% ソニー <6758> [終値3892.0円]3450 4022 16.6%
コスモ石油 <5007> [終値200円]5回 490 459 ▲6.3% コナミ <9766> [終値2224円]5回 160 261 63.4%
シャープ <6753> [終値186円]5回 未定 262 - NEC <6701> [終値411円]4回 1200 1260 5.0%
・企業収益、挑む最高峰。点検、上振れ余力。
ポイント2:広がる自己資本利益率(ROE)重視経営 株価上昇へ、市場期待は8%超。
過去5年間、ROE8%以上維持する銘柄
健康コーポ <2928> [終値731円]ROE15年3月期 27.9% 過去5年の単純平均ROE 45.1%
スタートトゥデイ <3092> [終値3460円]40.4 42.0 カカクコム <2371> [終値1974円]41.7 38.1
日本商業開発 <3252> [終値1918円]35.2 36.8 マーベラス <7844> [終値1616円]17.2 35.7
ROEが前期8%未満で、今期8%以上になると市場が予想する銘柄
オリンパス <7733> [終値4225円]今期予想 16.3% 15年3月期 -%
IHI <7013> [終値565円]13.4 2.6 丸紅 <8002> [終値699.6円]11.9 7.3 コスモ石 <5007> [終値200円]11.5 -
過去5年の平均ROEが5%未満で、ネットキャッシュがプラスの主な銘柄
任天堂 <7974> [終値22770円]
過去5年のROEの単純平均 0.9% ネットキャッシュが総資産に占める割合(カッコ内は実額)67.7%(9152億円)
SANKYO <6417> [終値4470円]0.9 67.7(2636)スクエニHD <9684> [終値2608円]- 45.5(965)
双葉電子 <6986> [終値2183円]- 40.2(654)ローム <6963> [終値8300円]0.4 37.5(3237)
・企業収益、挑む最高峰。点検、上振れ余力。
ポイント3:相場の需給は。
企業業績の拡大が続き、資本効率の向上への取り組み広がることは、株式市場の需給にも追い風になる。
2014年度の増資と売り出しの合計は2兆円弱。これに対し配当と自社株買いの総額は13兆円弱にのぼった。
株式市場からの資金調達を大きく上回る資金還元を実施していることになる。
野村証券 <8604> [終値782.2円]15年度の配当と自社株買いの合計額は14兆6000億円に達して2年連続で過去最高更新とみる。
配当が再投資に回れば、相場にも追い風。旺盛な自社株買いが続けば、株式市場の需給の引き締めが意識されそう。
・企業収益、挑む最高峰。
手元資金どうする ファナック <6954> [終値25970円]社長に聞く。
軍資金、勘で1兆円必要。これだけあれば、マーケットの変化や競合他社の動きなど、いかなる事態が起きても戦える。
M&A(買収・合併)は当面の案件はないが、経営の選択肢の一つ。
・日本の長期金利先週一時、0.470%まで上昇、3月以来、約2ヵ月ぶりの高い水準まで上昇(価格は下落)。
ユーロ圏経済の好調示す統計発表きっかけにドイツ国債が売られた流れが波及と。
ただ金利が上昇すれば、低金利で運用難に悩む銀行や生命保険会社などが値ごろ感で買いに動いている。
今週の国内債券市場も「欧州市場の動きをにらみつつ、押し目は買い」といった動きが続きそうと。
・英HSBC21日、5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値発表。4月は48.9と1年ぶりの低水準。下振れリスクがある。
中国人民銀行(中央銀行)は5/11から預金基準金利を0.25%引き下げ。
金融緩和が景気を押し上げる効果はいまのところ限られている。
市場では早くも追加緩和予想する声が強まっており、中国版の量的金融緩和(QE)実施の観測も浮上。
・内閣府20日、2015年1-3月期国内総生産(GDP)発表。
市場予想(27社予想まとめたQUICKコンセンサス)、物価変動の影響除いた実質で前期比1.5%増(年率換算)にとどまる見通し。
賃上げによる消費押し上げ効果が弱く、中国景気など外需にも不透明感が漂うことが背景にある。
消費マインドの改善は道半ば。外需にも弱さ見える。内需で既に明るさが出ているには住宅投資。
・欧州連合(EU)統計局13日発表、ユーロ圏2015年1-3月期域内総生産(GDP)は前期比0.4%伸びた。
1-3月期実質成長率を国別でみると、ドイツ0.3%と前期比0.4ポイントの大幅減速。
一方、10-12月期はゼロ成長だった仏伊がそれぞれ0.6%と0.3%と大躍進。キプロスもマイナスからプラスに転じる。
ドイツが成長すれば、ドイツ向け輸出が強い国ほど潤う。その代表例が中・東欧。
エストニア(2.3%)スロベニア(2.3%)スロバキア(3.0%)と欧州委員会は強気の予想ならべる。
・欧州連合(EU)11日にユーロ圏財務相会合で、ギリシャ向け支援融資の再開をまたも見送った。
財政健全化路線へ引き戻そうとするEUと、「反緊縮」掲げるギリシャのチプラス政権の溝は埋まっていない。
資金枯渇が現実味帯び始めるなか、ギリシャがこれに応じるのか。それとも5月末の期限を前にEU側が譲歩するのか。
「チキンレース」の行方はまだ見えない。
・シャープ <6753> [終値186円]
14日、総額2250億円の優先株発行による資本増強柱とする2018年3月期までの中期経営計画発表。
優先株がすべて普通株に転換すると最大で発行株数が2.4倍に増える可能性、希薄化リスクは大きい。株価は当面弱含みと。
・発掘実力企業:北米で稼ぐ企業(6)郵船ロジスティクス <9370> [終値1485円]強みが全米を網羅する物流ネットワーク。
国際物流は自動車から建材、日用品まで多岐にわたる。
地域別売上高では米国中心とする米州が2割強占め、日本や東アジア、南アジアを抑えて最大。
米州に加え「成長の糧」と見るのが東南アジア。
中長期的には自己資本利益率(ROE)は8%目指したい。本業の稼ぐ力を高める必要がある。
・マツダ <7261> [終値2539.0円]トヨタ <7203> [終値8296円]と環境対策や安全技術の開発で包括提携すると伝わり
上昇ペース速め、先週は2月末以来、約2ヵ月半ぶりの高値に。
トヨタとの関係強化でマツダが得るもの。1つはマツダ独自の環境技術「スカイアクティブ」の品質確保。性能さらに高まると。
もう一つは需要拡大。燃料電池車など最先端分野への投資に集中したいトヨタにすれば、
燃費効率高めたガソリン車の拡充策として、スカイアクティブを採用するかもしれない。
・東芝 <6502> [終値411.6円]15日、インフラ工事などの不適切会計問題詳しく調べるため第三者委員会設置。
一部の工事で原価の過小見積もりなどが発覚、影響見極めるため2015年3月期業績予想未定に変更、期末配当見送りも決めた。
決算発表は6月以降にずれ込む。問題発覚から株価は2割弱下落、市場では業績への影響拡大に懸念強く。
・会社がわかる 特集クリエイト・レストランツ <3387> [終値2209円]
約170種類もの飲食店をショッピングセンター(SC)内や繁華街で展開する外食中堅、企業買収で業績拡大。
創業者の企業文化を尊重しつつ、各社を連携させる業界では異色の経営手法。2018年2月期には売上高1000億円突破目指す。
・上場に向け最終準備に入った日本郵政。
前期は減収増益となり、収益力向上は差し迫った課題。
2015年3月期の純利益は前期比1%ぞうの4826億円で、利益の過半稼ぐゆうちょ銀とかんぽ生命保険の金融2社が、
国債中心のポートフォリオから外国債券や株式への投資増やして収益伸ばした。
手続きが順調に進めば、日本郵政、ゆうちょ銀、かんぽ生命保険3社は、今秋にも上場へ。
NTT <9432> [終値8274円]以来の大型上場の進捗には目配りしたいところ。
郵政への政府出資、将来的に3分の1。
・国内株式市場で中国関連株の底堅さ目立つ。
中国が3回目の利下げ発表直前の8日と先週末日の終値比較、騰落率は非鉄金属や鉄鋼といった業種が上昇。
相次ぐ金融緩和下支えに、減速感強めていた中国の景気に対する懸念かが和らぎ、
国際商品市況の上昇通じて買われている側面が大きい。
個別株を見ると、鉄鋼の神戸製鋼 <5406> [終値221円]や
資源権益持つ三菱商事 <8058> [終値2674.0円]住友鉱 <5713> [終値1885.0円]が上昇率高い。
ただ中国の金融緩和背景に関連株全体が買われるとの見方は少ない。
コマツ <6301> [終値2459.5円]日立建機 <6305> [終値2173円]は先週の上昇率は1%台。
ユニ・チャーム <8113> [終値2703.5円]は4%近く下落。
・天然資源や穀物運ぶバラ積み船のスポット(随時契約)運賃に底入れ感。
総合的な値動きのバルチック海運指数(BDI)は15日時点で634、2/18に記録した史上最低(509)から約25%上昇。
ほぼ3ヵ月ぶりの水準に戻る。上向きの一因は供給過剰に改善の兆しが出てきた点。
・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は2万円台乗せ試す展開に。
3月期企業決算が一巡、市場の関心は国内外の実体経済に移る。
最も注目集めるのが20日発表、1-3月期の国内総生産(GDP)。緩やかな国内景気の拡大確認できれば、
再び上昇基調にある米国の株式相場に連動し、日本株も上昇トレンドに入ると見られる。
1-3月期実質GDPについてエコノミストの多くは年率換算で1%台半ばから後半のプラス成長見込む。
テクニカル面では4月末以降、日経平均の日足チャートで上値抵抗線になっていた25日移動平均(15日時点 1万9778円)
突破できれば、上昇に弾みがつくとみられる。
今週後半、日米の金融政策巡る発言が相次ぐ。
日銀21-22日開く金融政策決定会合は現状維持とみられるが、終了後の黒田東彦総裁の記者会見で景気に関する発言に注目。
米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は22日に講演。
・Wall Street:今週の米株式相場は米ウォルマート・ストアーズなど小売り関連企業の決算に注目集まる。
投資家は小売り企業に業績や先行きについての経営人の発言踏まえ、米経済の動向を再点検することになりそう。
ダウ工業株30種平均は先週まで2週連続上昇。3月上旬の最高値まであと20ドル弱。
決算以外では、住宅指標も材料視。19日に4月の米住宅着工件数、21日に同米中古住宅販売件数が発表。
・ランキング:決算シーズン中に株価を大きく上げた企業ランキング。
1位双日 <2768> [終値283円]騰落率28.05% 意欲的な中期経営計画に高評価。
2位九電工 <1959> [終値1714円]27.91% 3位小糸製作所 <7276> [終値4545円]23.84%
4位三井金属 <5706> [終値343円]23.38% 銅鉱山の稼働見込みで安心感。
34位CTC <4739> [終値2895円]11.95% マイナンバーに特需。
50位東邦瓦斯 <9533> [終値762円]10.27% 今期最高益・増配を好感。
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち17指数が上昇。
上昇1位トルコ週間騰落率4.2%(14年末比騰落率2.2%)2位上海2.4%(33.2%)3位日本1.8%(13.1%)14位米国0.4%(2.5%)
下位25位ギリシャ▲3.2%(▲1.7%)24位ベトナム▲3.1%(▲1.5%)23位ドイツ▲2.2%(16.7%)22位フランス▲1.9%(16.9%)
2014年末比騰落利率 1位アルゼンチン44.3% 2位ロシア35.9% 3位上海33.2% 4位香港17.9% 5位フランス16.9% 6位ドイツ16.7%
最下位ギリシャ▲1.7% 24位ベトナム▲1.5% 23位インド▲0.6% 22位インドネシア0.0% 21位タイ1.0% 20位スイス1.4%
(日経ヴェリタス)
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