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扉を開いて(地銀 大再編の号砲)

2015年6月7日(日)曇りのち晴れ

・地銀、大再編の号砲 淘汰の時代、勝ち残る条件。

 英国拠点ファンド、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ、
 米年金基金など750超の顧客資金を運用し、日本では「黒船」との異名取る。
 ここ数年地銀トップと面談重ね、買える銘柄を見定めている。
 中国銀行 <8382> [終値1910円]など少なくとも約10行の地銀を手に入れる。

 日経平均株価が2万円超えた株式市場で、出遅れていた地銀株にも内外の視線が集まり始めた。
 外国人の保有比率は地銀株船体で5年前の7%台から約11%に上昇。
 国内投資家も地銀株に目を向ける。「UBS地方銀行株ファンド」は2011年発売の大手地銀株を運用対象。

 メガバンクや県境越えた競合が激しさ増す「地銀戦国時代」。
 攻めの再編へ新たな青写真描くことが勝ち残りへの条件。次の経営統合と買われる地銀はどこか探る。

・地銀、大再編の号砲 合従連衡、守りから攻めへ。
 戦略なき統合と一線、成長へ強み補完。持ち株会社法式で統合した地銀グループは全国に10近くある。
 再編はこれまで不良債権や過小資本に悩む銀行を他行が統合する救済型が多かったが、
 近年健全行同士の「攻めの再編」。守りでは生き残れないという強い危機感が地銀を突き動かす。

 地銀再編の次の焦点。注目は北陸と東北。

・地銀、大再編の号砲 買われる銘柄、3つのポイント。

 リテール力:時価総額上位にはリテール力のある地銀が目立つ。

 スルガ銀 <8358> [終値2647円]総資産は4兆円規模、全国で30位程度の中堅銀行も、
 時価総額は約7000億円程度と上場地銀の中でトップ5。
 無担保のフリーローンなど収益性が高い分野に長年取り組んできたことが実を結ぶ。
 
 千葉銀 <8331> [終値957円]今期、資金利益で7期ぶり増益見込む。
 原動力は中小企業向け融資や住宅ローンはじめリテール分野の高い伸び。

 地方創生:リスクマネーの供給カギ。
 人口減少や相続による預金の流出、産業の停滞など地方経済が抱える問題は尽きない。

 横浜銀 <8332> [終値764.7円]
 役員と専任社員の3人で構成するプロジェクトチーム設け、どのような協力できるか検討し準備整える。

 鳥取銀 <8383> [終値235円]本店の行員や全支店長からなる50人規模の部隊が、情報分析し提供。
 自治体が総合戦略をつくる際にコンサルティングも。

 株主還元:自社株買いが好材料。
 八十二銀 <8359> [終値945円]だけ騰落率と配当性向とも上位10行に入る。
 まずは明確な成長戦略ありきの高い配当性向でなければ「買われる銘柄」にはなれない。

・地銀、大再編の号砲 地銀・第2地銀、決算ランキング。
 もろさ残る最高益、倒産減少・株高が支え。

 自己資本利益率(ROE):株主から預かった資本を使っていかに効率よく稼げているかを示す指標。

 上位 1位東京TYFG <7173> [終値4145円]28.31% 
 504億円が統合に伴う「負ののれん発生益」。一過性の特殊要因のため、他行に比べてずば抜けて高いROEに。
 2位スルガ銀 <8358> [終値2647円]12.19% 3位福島銀 <8562> [終値100円]11.25% 

 下位 1位福井銀 <8362> [終値269円]2.00% 大口貸出先江守Gが経営破たんし約100億円不良債権で処理。
 2位大光銀 <8537> [終値247円]2.17% 3位愛知銀 <8527> [終値6610円]

 実質業務利益:主に貸し出しから得る利益に金融商品の販売から得る手数料収入など足し合わせ、各種経費差し引く

 上位 1位鳥取銀 <8383> [終値235円]86.63% 
 私募の不動産投資信託(REIT)などの解約益が実質業務純利益押し上げ。
 2位福島銀 <8562> [終値100円]75.75% 3位みちのく銀 <8350> [終値217円]

 下位 1位北洋銀 <8524> [終値519円]▲75.88% 前期株式投信解約益500億円余り計上も15年3月期は解約益ゼロ。
 2位佐賀銀 <8395> [終値304円]▲30.61% 3位福岡中央銀 <8540> [終値320円]▲25.21%

 貸出金残高の増減率:地域性が色濃く表れた。
 九州、四国、中国など西日本が残高積み上げ、北海道や東北は伸び悩む。 

 上位:1位鹿児島銀 <8390> [終値881円]9.97%
 低金利で個人向け住宅ローン開拓、病院建て替え、介護施設の建設などの資金需要増。
 2位宮崎銀 <8393> [終値881円]7.65% 3位トマト銀 <8542> [終値204円]7.53%

 下位:北日本銀 <8551> [終値3510円]▲2.47% 北海道内の公共工事発注増え、建設業の資金繰り好転した余波。
 2位北洋銀 <8524> [終値519円]▲1.21% 3位北国銀 <8363> [終値440円]0.19%

 総預金残高の増減率:84行・グループ全体合算前期比3.4%増。
 
 上位1位東邦銀 <8346> [終値555円]8.52% 東電福島第一原発事故の賠償金流入、個人預金増。
 2位広島銀 <8379> [終値725円]7.07% 3位沖縄銀 <8397> [終値5220円]6.94%

 下位1位北国銀 <8363> [終値440円]▲0.61% 個人預金増加も大口の法人預金流出。
 2位岩手銀 <8345> [終値5700円]▲0.45% 七十七銀 <8341> [終値712円]▲0.27%

・欧州発の金利上昇が米国や日本など世界に波及。
 起点のドイツでは長期金利の指標となる10年物国債利回りが4日、
 一時0.998%と節目の1%に接近、2014年9月以来の高い水準付けた。
 米国でも5日、10年物国債利回りが一時2.43%と8ヵ月ぶりの高水準。
 日本でも今年最高となる0.505%まで上げ、日銀 <8301> [終値53100円]が追加緩和に踏み切る直前の水準も
 上回るなど、世界的な金利低下局面は今、大きな転換点迎えている。 
 モルガン・スタンレーのマシュー・ホーンバック氏は「日米独の債券相場は割高で、今後も金利上昇は続く」と。

・指数算出会社のMSCIは9日(日本時間10日早朝)定期的な指数見直し発表。
 注目点は中国の人民元建てA株を新興国株指数に組み入れるかどうか。
 採用決まれば指数に連動して運用するファンドなど900億元(約1兆8000億円)の資金が流入するするとの見方も。
 米投資信託大手バンガードは6月初め、新興国指数に連動する上場投資信託(ETF)に中国A株加えると発表。
 採用見送りとなれば、売り材料として相場の波乱要因になるとの見方もある。

・米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比28万人の大幅増受け、市場では高揚感から驚きの「7月利上げ説」も。
 雇用の大幅回復で市場では「利上げ風」が強まるが、
 ドル高、消費や外需の伸び悩み、労働生産性の低下など米経済は多くの根深い課題に直面。
 視野を広げていくと、9月の利上げシナリオでさえ描くのは容易ではない。

・石油輸出国機構(OPEC)は5日、ウィーン本部で開いた定例総会で、生産目標従来の日量3000万バレルに据え置く。
 加盟国は現状の市場環境におおむね満足、総会は約1時間半という異例の早さで終了。
 差し迫った問題がイランが国際市場に復帰する可能性。
 米欧など6ヵ国との核問題巡る協議で6月末の期限までに最終合意に至れば、石油輸出が解禁される見通し。
 イランは制裁解除後、半年程度で日量100万バレルの増産実施すると表明。
 イラクなども増産に前向き、生産目標がさらに形骸化して機能しなくなる恐れも。

 ライバルの北米シェールオイルも技術革新によって生産性向上すれば、息吹き返す可能性も。
 国際指標の一つである北海ブレンド原油は5日、総会後に一時1バレル60ドル台まで下落、4月中旬以来となる安値に。
 終値では63ドル台まで戻したものの、週間では3%安にとどまった。
 供給源の増加によって原油の価格帯は下方シフトした可能性も。

・LIXIL <5938> [終値2539円]中国子会社破産に伴い、損失最大661億円と発表。
 藤森義明社長「業績を上げて企業価値高める」と強調、
 足元では株価も再び持ち直してきたが、市場ではさらなる損失を懸念する声もある。

・発掘実力企業:ネット社会を支える(1)カヤック <3904> [終値2200円]
 インターネットの広告制作やアプリの開発手掛ける。
 200人近いクリエーター集団が意見ぶつけ合う環境が、自由な発想生み出す原動力。
 新たに手掛けるゲーム事業も拡大。業容拡大にも意欲的。
 今後は将来的なM&A(買収・合併)なども含め、新規事業の拡充に取り組んでいく方針。

・住友ゴム <5110> [終値2101円]4日、米グッドイヤーとの資本・業務提携解消発表。
 2015年12月期中メドに北米事業の合弁会社を完全子会社として
 「ダンロップ」ブランドのタイヤを日系自動車メーカーに売り込み、ロシアなど33の新興国でも独占販売する。
 一方、収益性が高いとされる北米の市販市場や、ブランド力が高い欧州事業は手に出来なかった。

・会社がわかる 特集三菱マテリアル <5711> [終値505円]攻めの姿勢強める。
 4月には国内超硬工具大手の日立ツール220億円で買収。
 2017年3月期までの中計経営計画でM&A(買収・合併)など戦略投資枠増額。
 長年進めてきた事業の選択と集中に一定のめどがつき、財務改善で体力付けた。
 超硬工具加工で世界メジャー目指す攻めの経営に乗り出す。世界ビッグ3を追撃。

・東京株式市場で、裁定買い残が1年5ヵ月ぶりの高い水準に膨らんでいる。
 海外勢が中心に買い進める株価指数先物の上昇受け、
 証券会社やファンドなどの「割高な先物売り・割安な現物買い」が増えているから。
 ただこの取引は反対売買がセット、相場が下落基調強めると先物を買戻し、現物株には大量の売りが出やすくなる。
 将来の売り圧力を警戒する声も出始めている。

 東証3日発表5/29時点の裁定買い残は前週比3064億円増の3兆8357億円と、2013年12/30以来の大きさに膨らむ。
 週間ベースで日経平均が大きく下げた14年1月や14年10月、15年1月の裁定買い残をみると、いずれも急減。
 「相場の先高期待が消えれば、裁定解消売りの波が一気に押し寄せる」との懸念も。

・OUT Look:今週の株式相場、日経平均株価は高値圏でのもみ合いか。
 5日の米雇用統計は雇用の順調な回復示す結果で、日本の株式相場にひとまず追い風と。
 ただ高値圏では利益確定の売りも出やすくなっている。日米欧の長期金利が大幅に上昇したのも相場の重荷に。
 米シカゴ市場では日経平均先物6月物清算値が2万0580円と5日大証日中終値を120円上回る。
 5月以降、日本株はほぼ一本調子で上昇、
 株価の調整局面ではこれまで株高に乗りきれなかった国内外の投資家の買が入るとの声も。

・Wall Street:今週の米株式相場は米連邦準備理事会(FRB)による年内早期利上げが意識され、
 弱含む展開予想。
 5日の米ダウ工業株30種平均は雇用情勢の改善受け「9月のも利上げ」との見方広がり、約1ヵ月ぶりの安値に沈んだ。
 欧州の長期金利も上昇基調、米国でも金利が高まれば企業の資金調達コストに影響するとの見方で
 今週の米国株は不安定な相場となる公算が大きい。
 早期利上げ観測はドル買いも招く。
 5日のニューヨーク外国為替市場で円はドルで約13年ぶりの安値(1ドル=125円86銭)を付けた。
 ドル高はグローバル展開する米企業の業績面で重荷に。
 ギリシャ債務返済問題もくすぶり続けており、米国株の積極的な買いを控える動きにつながる。
 経済指標では11日、5月の小売売上高に関心集まる。
 米国株の売りが加速する可能性も。

・世界市場往来:先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち6指数が上昇。

上昇1位上海週間騰落率8.9%(14年末比騰落率55.3%)2位アルゼンチン3.8%(30.7%)
 3位ベトナム1.5%(5.9%)8位日本▲0.5%(17.2%)
下位25位ロシア▲4.8%(16.7%)24位ギリシャ▲4.8%(▲4.9%)23位オーストラリア▲4.6%(2.2%)
 22位インド▲3.8%(▲2.7%)21位台湾▲3.7%(0.4%)

 2014年末比騰落利率 1位上海55.3% 2位アルゼンチン30.7% 3位日本17.2% 4位ロシア16.7% 
 5位香港15.5% 6位フランス15.2% 
 最下位ギリシャ▲4.9% 24位トルコ▲4.4% 23位インドネシア▲2.4% 22位インド▲2.7% 
 21位米国0.1% 20位台湾0.4% 

(日経ヴェリタス)

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