
扉を開いて(国債バブル)
- 2013年03月24日
- 株式投資・経済ニュース全般
2013年3月24日(日)くもり一時雨
・国債ラスト・バブル 黒田東彦日銀が導く人類未踏の低金利。
「黒田日銀」誕生を債券相場は素直に好感。22日10年物国債利回り一時前日比0.025%低い0.555%まで低下(債券相場は上昇)
債券買いに動いている投資家の脳裏にあるのは「異次元の金融緩和」「日銀のレジーム・チェンジ」といった言葉。
・日経平均株価が急ピッチで上昇する一方、長期金利が低下を続けるのは、実体経済からは説明が付きにくい現象。
株高は景気回復→インフレを見込んでいるため、そうなら金利は上がらざるを得ない。金利が正しいとすれば株価は下がることに。
・メガバンク国債保有を抑制。
三井住友FG <8316> [終値3930円]1年前比2兆1192億円、三菱UFG <8306> [終値563円]2兆2919億円減少。
「脱デフレ政策が鮮明になり、将来の金利上昇リスクに備えた」(市場営業統括部)
みずほFG <8411> [終値209円]国債の残高は横ばいも国債の保有区分「その他有価証券」から「満期保有債券」に約1兆円移した。
途中売却できない代わりに金利上昇時に評価損を損益計算書に計上しなくて済み、業績への影響を軽減できる。
・債券市場の歴史、金利が短時間に急上昇(価格は急落)した局面は何度かあった。
2003年「VaR(バリュー・アット・リスク)ショック」03年6月0.43%だった10年物国債利回り8月には1.4%台に急上昇。
売りが売りを呼ぶ連鎖が起きた。
1998年「資金運用部ショック」同年12月に財政投融資改革で大蔵省(現財務省)国債の買い切り停止表明引き金。
長期金利同年9月の0.6%台から99年2月には2.4%に急上昇。
1987年「タテホショック」タテホ化学が債券先物取引で286億円もの巨額損失。
財テク自粛ムード広がり、企業の投融資金国債市場から引き揚げるとの警戒感から債券相場急落。
いずれのショックも長期金利が急上昇する直前まで「バブル」といえるほど国債に大量の資金流入していた。
「行き過ぎた金利低下の反動という側面」国債バブル崩壊への警戒感が底流にあったという構図は足元の状況と相似形をなしている。
・金利上昇2つのシナリオ
「良い金利上昇」アベノミクスが成功すれば、景気回復に伴って設備投資や消費などが拡大。資金需要の高まりで銀行貸出伸びる。
「悪い金利上昇」アベノミクス失敗すれば経済成長が高まらない中で財政赤字拡大。財政悪化懸念の高まりで資金が海外流出。
・「キプロスの(Cypriot)危機」あくまで特殊な国の一時的混乱かユーロ全体揺るがす「Cyp-riot(キプロス発の乱)」に発展か。
焦点はイタリアやスペインなど南欧諸国への波及。影響は限定的との見方が大勢。
イタリア国債4.5%台、スペイン国債4.8〜4.9%程度と落ち着いた動き。市場参加者は最後には支援策まとまるシナリオ。
・株式市場今週、2012年度の最後の取引迎える。日経平均株価1万2000円台キープで終わる公算大きく。
株式含み益や為替差損益の改善通じて企業財務に好影響及ぼすのは確実。増配や自社株買いなど株主還元拡充する動き広がりそう。
・株高・円安に伴う金融資産の価格上昇が消費拡大をもたらす資産効果の行方焦点。
資産効果、業績に寄与しそうなのが百貨店。高島屋 <8233> [終値902円]J・フロント <3086> [終値720円]1月以降高額品けん引。
2月の全国百貨店売上高前年同月比0.3%増と2ヵ月連続でプラスに。3月に入っても高額品販売は好調。
スーパー業界では低価格志向強く業績の大幅改善期待は薄い。
・パナソニック <6752> [終値676円]プラズマテレビ事業から撤退検討。市場はおおむね前向きに受け止め。
市場関係者収益が抜本的に改善するとの期待高めるには至らず。
・大研医器 <7775> [終値2595円]全国の病院の手術室の約7割で使われている製品生み出す。
2013年3月期まで売上高と営業利益がとのに8期連続増加見通し。株式市場好業績の医療関連銘柄として高評価。株価1年で約3倍。
・ネット選挙解禁で関連銘柄堅調。
解禁後選挙の公示・告示後も政党などネットに広告出稿できる。
ヤフー <4689> [終値43450円]DAC <4281> [終値38000円]オプト <2389> [終値932円]など売り上げ増加見込める。
デジタルガレージ <4819> [終値280500円]政党や候補者に対しツイッター内の書き込み管理するツール提供予定。
イー・ガーディアン <6050> [終値2650円]「なりすまし」や誹謗(ひぼう)中傷、批判が殺到する「炎上」防ぐ相談受ける。
ドワンゴ <3715> [終値394500円]「ニコニコ動画」で党首討論会など生中継。
サイバーエージェント <4751> [終値171400円]政治テーマのレギュラー番組企画。「広告収入増加とユーザーも拡大」
・ナガワ <9663> [終値1515円]三協フロンテア <9639> [終値647円]ユニットハウス大手「アベノミクス」の恩恵受け好業績に。
公共投資の増加で建設現場向けの販売やレンタルが伸びる見通し。
・会社がわかる 特集村田製作所 <6981> [終値6950円]
米アップル新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)5」減産、逆風下でもしぶとく利益を上げる。
今回のアップル減産を韓国サムスン電子やソニーモバイルコミュニケーションなど他のスマホメーカーからの受注増で補う。
通信端末部品で高シェアの原動力は効率的な研究開発。売上高に占める新製品比率4割超、業界では突出。
スマホ部品の「総合デパート」の地位を確立するべく、品ぞろえ拡充にも取り組む。
株価の持続的な上昇には新規事業の成果やM&A(買収・合併)で手に入れた海外企業の収益貢献などの新材料必要と。
・就任会見での黒田総裁の主な発言
物価目標は2年で達成できれば好ましい。
量的、質的両面から大胆な緩和を進める。
緩和手段としてできることは何でもやる。
これまでの日銀の政策はわかりにくい。
金融緩和の手段で国債購入は当然。歯止めとされる銀行券ルールにこだわらず。
・OUT Look:今週の株式相場は高値圏でのもみ合いか。
金融危機に直面するキプロス情勢に加え、年度末にらんだ年金基金の資産配分調整の売りが需給面で重荷に。
週初はキプロス情勢に左右される公算大きい。市場25日までに新たな具体的な支援策がまとまるとの見方が多い。
27日3月期決算企業の配当権利落ち日。配当権利落ち分は約80円。
海外勢中心に緩和期待背景とした買いは続くとみられ、国内勢の売り圧力薄れる週後半にかけて株価押し上げそう。
週内臨時会合開催となれば、株高に弾みも。
・Wall Street:今週の米株式相場はキプロス情勢と米経済指標が焦点。
キプロス議会22日、ユーロ圏からの支援条件である自主財源確保に関する法案を可決。緊急融資中止は回避できるとの期待が強い。
指標面では昨年10〜12月期米実質国内総生産(GDP)統計の確定値(28日)26日各種住宅指標焦点。
25日バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長講演にも関心。
・プロの相場観 向こう1週間の【ブルベア調査】強気派51% (前回比-9)弱気派26%(同+8)中立派23%(同変わらず)
・世界市場往来:先週の世界の株式相場は25株価指数のうち約9割の指数が下落。キプロス問題でリスクオフのムードに。
上昇1位上海週間騰落率2.2%(12年末比騰落率2.6%)2位ベトナム1.8%(18.4%)3位米国0.0%(10.7%)12位日本▲1.8%(18.7%)
下位25位タイ▲7.5%(6.3%)24位ロシア▲4.3%(▲3.7%)23位インド▲3.6%(▲3.6%)22位スペイン▲3.4%(2.0%)(日経ヴェリタス)
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