ミョウジョウ・アセット・マネジメント菊池真氏 株式セニナー(2013.9.21)
ミョウジョウ・アセット・マネジメント(株)代表取締役 菊池真氏
約3ヵ月に一回の株式セミナーが2013年9月21日(土)東京人形町で開催いたしました。
6月の前回(2013.6.15)は日経平均株価が1万3000円を割り込み、直近安値近辺でしたね。
1万3000円〜1万4000円を中心とするのボックス相場、その間、行き過ぎるとしたら下と言いましたが、上振れでした。
直近の想定外の話としては、米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和縮小の見送りでした。
結論から言いますが、日経平均株価は目先は1万5000円に届かないまでも14,000円台でボックス相場でしょう。
米連邦準備理事会(FRB)の意図は長期金利がFRBが想定しているより上がり過ぎたことで、もう少し下がるまで縮小できない。
FRBは市場との対話を大事にしてきました。
つまり、事前に市場に政策変更を感じさせて良くも悪くもサプライズを与えないようにしていました。
今回も今年の5月からじんわりじんわり縮小があるかもしれないと言ってきました。
結果、9月にFOMCで縮小するとの市場コンセンサスとなっていました。
10年債利回りが底値の5月(1.6%)、それから上昇、9月初めには3.0%に達していました。
長期金利の上昇は景気を引っ張る要因です。
縮小を見送ったのではなく、出来なかったといった方が正解でしょうか。
そしてFRBは「サプライズ作戦」(菊池氏命名)に切り替えてきた。
長期金利が10月30日の次回FOMCの時に2.5%−2.6%ぐらいに来ていれば、ズバっと量的緩和第三弾(QE3)縮小決めると思います。
新興国の事情を配慮したとの声もありますが、アメリカはアメリカ自国の事しか考えていません。
いままで3月、6月、9月、12月の記者会見セットのあるFOMCでしか金融政策の変更はしていませんでした。
だからこそ10月にサプライズがあるかもしれません。
QE3縮小は株安要因となります。
新興国も米国も日経平均も・・・。
東京五輪決定のお祭りはほぼ終了でしょう。
割り切っての投機としての「お祭り」参加ならやるなとは言いませんが、機関投資家が多く保有している銘柄は無理。
例えば大手ゼネコン。
熊谷組とか三井住友建設とかは機関投資家が保有してはいないので「お祭り」になるかもしれませんが・・・
信用残の推移も重要です。
株価上昇過程で信用買い残増加の銘柄は危険です。
日経225種平均株価の今期予想EPS(1株当たり利益)900円でPER(株価収益率) 15倍で1万35000円 16倍で1万4400円。
中間決算までは予想EPSを変える要因はないので、目先は16倍前後で推移するということです。
下値リスクはそう大きくないが、1万5000円を超えるバリエーションも考えにくい。
新興国は好意的に見ても悪化が止まって踊り場と見えます。
反転してくるわけではありません。
インフレを抑えるためには金融引き締めせざるを得ず、それは景気悪化の要因です。
景気が止まってる踊り場は、またいずれ景気悪化に向かいます。
日本の消費増税は国内景気を引っ張る要因。
住宅は9月末までといって、すでに駆け込み需要のほとんどがが出ている。
3月に向かっての駆け込み需要は耐久消費財、つまり自動車、家電ぐらいなものでしょうか。
【中期的見通し】
外国人動向は東証主体別動向で、5月急落の後7月まで買い越しも、それ以降動いていない。
「買い増す」か「売る」か見極めている。
今期、来期の業績を見ています。
もう一つが日本の成長戦略を見ています。
外国人投資家にインパクトのある政策は出てこないのではなかろうか。
外国人が評価する政策とは、3つあります。
解雇基準の緩和。
農業規制。株式会社が農地保有して農業をやる。
3つ目が重要で混合診療解禁と健康保険適用範囲の縮小。医療費支払額減少となります。
これらが出てこなければ外国人が大きく買ってくることは向こう1ヵ月はありません。
もっとも売ってくることもありません。
なので、中間決算で業績を見極めるまでは日経平均株価は1万40000円台でうろうろしているのではなかろうかと思っています。
シャープの公募増資決定。
シャープの後は三菱自動車がすぐに出てくると思っています。
この2銘柄はファンダメンタルから株価が正当化できないため機関投資家は買いません。
シャープの国内分の個人と機関投資のアロケーション(配分)は95対5と見たこともない配分です。
絶対に買わないでください。
もはや空売りも大して入っていません。買い戻し需要も強くありません。
個人投資家にはめ込まれて、利食う機会がなければ回転が止まり投資意欲無くなっていきます。
今年の日経平均株価の高値は5/23の1万5943円は「絶対」に抜けません。
予想EPS900円でPER18倍は行き過ぎだったと思っています。
おそらく7月高値(1万4953円)も抜けないと思います。
とりあえず「おそらく」にしておきますが・・・
中間決算発表が市場の流れを変えることになります。
業績変動要因は、新興国景気動向と為替動向。
新興国は落ち込むか踊り場か。
今年度会社予想利益上期43-下期57と下期偏重型。
下期回復の願望が入っています。
上期43はその通りに来ていると思いますが、下期はどうでしょうか。
円安押し上げ効果はドル円平均レートが12年度上期79.25円、12年下期が86.57円、13年上期が98.84円。
12年上期-13年上期、20円の押し上げ効果でも43しか利益が出てこない。
20円の円安効果となると下期106円にならないと。
為替効果は減ることに。
4-6月期決算を見ると、自動車のトヨタ、ホンダ、富士重工以外は為替感応度は少ないことがすでに現れている。
円安は業績変動要因としては見なされなくなっているのかもしれません。
今週の動きを振り返るとFOMC決定で円高でも株価上昇、翌日為替戻っても米株小幅安で日本も小幅安。
日本株と為替関係性薄れる。
円安→業績上昇→株高の構図でした。
円安が業績上昇につながらないということが徐々に浸透し、ドル円と株は関係なくなってきている。
アベノミクスのもう一つの柱、インフレについても疑問が広がっていくでしょう。
インフレ→業績良くなり→所得上昇→Happy
のはずでした。今、円安が輸入物価押し上げ。食品やガソリンなど値上がりしています。
待望のインフレが起き始めている。
しかし、円安により企業は費用増加、多くの企業は費用増加を販売価格にすべて転嫁できず一部はマージン削って吸収。
業績は良くなるどころか悪化です。業績悪くなるのに所得が上がるわけない。
値上がりは家計を圧迫する。企業にとっても消費者にとってもよくない。
円安によるインフレにいいことない。一年前から懸念したことが顕在化してきています。
円安のプラス効果減少、新興国景気減速、円安による費用増となると下期37ぐらいではないか。
43プラス37=80 予想では43プラス57=100で2割減。
年末時点ではEPS900円から800円へ。
年末時点で予想EPS800円のPER15倍で1万2000円。
来年3月末はEPS720円の15倍で1万800円。業績下方修正基調の中PERが切り下がり、14倍で1万円との試算もできます。
外国人様子見、業績動向を見極めようとしている。
「アベノミクス」のロジックが完全に腑に落ちず、実際どうなるのよ?と半身で構えている外人が多い。
コストプッシュインフレで皆「Happy」でないとなると、外人が売り手になり下落に拍車をかける要因になる。
【長期的見通し】
これまでと変わらず。
来年の1年間は株はどれだけ売って儲けるかになる。
QE�靴漏亮造暴名�、そして終了。世界的な株安要因です。
アメリカ株も来年は厳しい。
日経平均株価ほどは下がらないとは思いますが・・・
ガソリンは半年のタイムラグがあります。半年先まではほぼ見えるということです。
WTIを円建てに直すと、おおよその円ベースでのガソリン仕入れコストになります。
今売られているガソリンの仕入れコストは円建てWTIで9000円ほどで今後1万〜1万1千円ぐらいに。
ここから数ヶ月は今の水準も年末から年明けにはガソリン価格は170円台へ。
冬場は暖房がないと生きていけない地域、
北海道の年金生活者、灯油代上昇、冬が越せないと「アベノミクス」はなんてことをしてくれたと・・・
冬に向かって各所から悲鳴。
秋から冬、年明けは外国人からのアベノミクスへ疑問の声も。
「資産防衛」円資産をドル資産へ。
現物投資の方はインバースETFで下げを取ることも。
昨年11月初め「円安恐慌」という本を出しました。
もう一度お読みいただき確かめてください。
状況を天気に例えます。
天気図で見ますと台風が発生しています。
まだまだ東京は晴天が続いていますが、確実に台風は来ています。
天気予報では実感がわかず、実際に雨が降ってこないと信じられない人も多いかもしれません。
でも、一粒でも雨が降ってきたと自分で思ったら観念して、僕のシナリオを信じてください。
会場はまたしても「し〜ん」となってしまっております。
次回は12月悲鳴が聞こえ始めているかどうかお会いしたいとおもいます。(2013.9.21)
